「けれん味(外連味)」とは? 意味と語源・類語・使い方を解説
「けれん味」を使いこなすためのポイント
「けれん味」は使う機会が少ない一方、古くからある伝統的な言葉なので、自然に使えると「語彙力があるな」と一目置かれる人になれるかもしれません。
そこで、「けれん味」を使いこなすために、4つのポイントから使い方を解説していきます。
(1)「ある」か「ない」で表現する
「けれん味」を使う場合には、「ある」または「ない」と一緒に用いて表現します。
そのため、「けれん味がある」だと「ごまかしている」、「けれん味がない」では「真面目」といった意味合いになります。
特に、「けれん味がない」は否定形だからこそ、意味が正反対になるので、伝えたいことが変わってしまわないように気をつけましょう。
例文
・けれん味があるからこそ魅力的に映る。
・彼はけれん味がないから付き合いやすい。
(2)褒め言葉として使うのが一般的
「けれん味」は「はったり」や「ごまかし」といったネガティブな意味に思える言葉ですが、実は褒め言葉として使うのが一般的です。
例えば、「けれん味がある芝居」と表すと、「ごまかした芝居」ではなく、「今までにないオーバーリアクションが魅力的な芝居」のようなポジティブな印象の表現になるのです。
自分の素直な気持ちを表現しながら、「けれん味がある」も「けれん味がない」もポジティブなニュアンスで使いましょう。
例文
・この舞台は、けれん味がある演出がラストシーンを盛り上げている。
・けれん味がない演出だからこそ、役者の演技力が際立っていた。
(3)マイナスの意味もあることに注意
前述の通り、「けれん味」は基本的に良い意味で使いますが、状況によってはマイナスの意味で受け取られてしまうことがあります。
「けれん味がある人」だと「すぐにごまかす人」、「けれん味のない人」だと「面白みのない人」のようにも表現できてしまい、伝え方を間違えるとどちらも相手を傷つけてしまいますよね。
「けれん味」は逆説的に相手を褒める言葉なので、ストレートに意味が伝わると相手を不快にさせてしまう可能性があります。使う場面や表現方法に十分気をつけましょう。
(4)正しい意味合いを伝えることが大切
「けれん味」を使って、自分の気持ちを素直に伝えるためには、マイナスの意味にならないようにプラスの言葉を付け加えるようにしましょう。
「けれん味のある演出がスパイスになって面白かった」「けれん味がないから心情をじっくり考察できた」といった表現なら、褒めていることが伝わりますよね。
「けれん味を使っているから褒めていることが分かる」といった考え方はやめて、きちんと相手が理解しやすい表現を心がけましょう。