好きを仕事にする「趣味キャリ」。ミクシィ新井真実さんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材・文:阿部真央(マイナビウーマン編集部)
撮影:大嶋千尋
1997年の創業以来、数々のコミュニケーションサービスを世に送り出してきた株式会社ミクシィ。
2000年代にはSNSの先駆けとしてブームを巻き起こし、その後も、スマホゲームの代表格として多くのファンを獲得する「モンスターストライク」(略してモンスト)など、誰もが一度は耳にしたことのあるデジタルエンターテインメントを次々と創出し続けてきた会社です。
今回お話を伺ったのは、そんな大人気のスマホゲーム「モンスト」において、グッズの商品企画やデザインを幅広く手掛けている新井真実さん。美大から新卒でミクシィに入社して以降、モンストを中心に会社全体のデザインを担当するメンバーの一人です。
随分楽しそうに自分が関わってきたプロジェクトの話をしてくれるので、理由を探っていった先の腑に落ちる一言「私にとって仕事は、ほぼ趣味みたいなものなので!」。
単にデザインと向き合う仕事が好きなのか、それともミクシィとの出会いがそうさせたのか……。仕事の延長線上で見出した、気になる新井さんの働き方とは?
入社のきっかけは「ミクシィからのアプローチ」
今思えば、思いがけない出会いでした。
デザイナーを目指して美大に通っていた当時、就活向けのポートフォリオサイトに自分の作品を登録したところ、それを見たミクシィの人事の方から声をかけてもらえたのがきっかけでした。
私も最初はSNSのイメージが先行していて、ミクシィがモンストの運営会社だとは知らなくて(笑)。
入社早々「やりたいことが叶う理想の部署」を発見!
入社早々の新卒研修で、商品企画をメインとする部署があることを知ったときは、いい意味でギャップでしたね。
そもそも ミクシィは、自社サービスとして多くのスマホアプリを提供するIT企業なので、自社でグッズを企画して制作まで行う部署を兼ね備えているのは、なかなか珍しいなと。まさに私のやりたいことが叶いそうな部署だと思いました。
まさに、理想の部署を見つけた感じですね。
そうなんです! 部署希望もすんなり通り、1年目はモンストの商品企画や制作に関わるデザインチームに配属されました。
なんてスムーズな第一歩! 最初は、どんな仕事を任されたんですか?
モンストの人気キャラクター・パンドラと、そのおとものキャラ・ぜつぼうくんのグッズ制作です。「ナノブロック パンドラ」と「もちもちクッション ぜつぼうくん」という商品を企画からデザインまで担当しました。
当時はそのキャラの立体のグッズはまだ少なくて、自分はもちろん、チームとしても新たな挑戦でした。
そんな大きなプロジェクトを1年目から! 初めてのグッズ制作で、苦労されたことも多かったのでは?
そうですね。メーカー探しに始まり、見積りやスケジュールの管理、そしてデザイン制作に至るまで、すべての業務を経験させてもらいました。
デザインにおいても、キャラクターの可愛らしさをどう表現すべきかとか、立体だからこそできる仕掛けはどうしようとか……。メーカー側とも何度も交渉を重ねましたね。とにかく試行錯誤する場面は、とても多かったと思います。
制作に 1から10まで関われるのは、自社デザイナーの魅力でしょうね。
はい! その分、商品への思い入れも一層強くなります。
ちなみに、初めて手掛けたグッズのぬいぐるみは、今でも売れ続けるヒット商品になっていて! こういったユーザーの反響が伝わってくるのも、仕事のやりがいになっています。
「仕事で好きなことを見出す」新井さんの働き方とは?
話を聞いていると、新井さんの仕事に対する愛情がとても伝わってきます。
デザインの仕事が好きなのは大前提なのですが……実は私、もともとアニメカルチャーが好きで、アニメグッズもよく見てるんですよ。そういったショップに企画の視察をかねて、個人的に買い物にも行ってます。
モンストでは、人気アニメなどとのコラボ施策があって、そのキャラクターのグッズを制作する機会もあるんです。そんな中、好きなアニメとのコラボの話が舞い込んできたんですよ!
なんと! それはテンション上がりますね!
それはもうすごい上がりようでした(笑)。普段から社内でよく同僚と話していたおかげか「この担当は、新井さんご指名で」と言ってもらえて。その時は「生きてて良かった〜!」って心から思いましたね。
それ以上に、新井さんへの信頼が社内であったからこそだったんでしょうね。
いつもチームで動くプロジェクトばかりなので、普段からメンバー同士のコミュニケーションも、しっかり取れている環境ではありますね。その時は、今まで頑張ってきて良かったなと思いました!
いつも以上に、デザインにも気合いが入ったのでは?
グッズは全部で65商品くらいあったのですが、すべて一人で担当させてもらいました。いつもデザインパターンをいくつか提案するのですが、そのときは気合いが入りすぎて、提案数も多めになっちゃって(笑)。
その後、発売されたグッズは、初日で最速完売したアイテムもありました! こんな風に目に見える形で、結果に結びついたのも、ものすごく嬉しかったです。
仕事で趣味にもどっぷり浸れて、しかも結果も残せたなんて、それこそサイコーでしたね!
もはや仕事は、私にとってほぼ趣味みたいなものですね。
好きなジャンルも多いし、仕事を通してアニメのグッズやエンタメを追いかけているので。毎回仕事では、それが十分に活かせられていると実感しています。
お話しぶりから、日々仕事で充実しているのが伝わってきます! 最後にデザイナーとして、今後のさらなる目標はありますか?
常に頭にあるのは、自分のデザインでユーザーの生活をより豊かにしたいということ。現在はグッズ制作の他に、今はコロナ禍でオンラインベースの開催ですが、リアルイベントに関わるビジュアルデザインもやらせてもらっていて。今後も幅広いジャンルの仕事に挑戦していけたらと思っています。
個人的には、引き続き仕事も趣味も深堀りしながら、楽しく働いていきたいですね。
※この記事は2021年07月16日に公開されたものです