朝イチのWeb会議に寝起きで出席する後輩。どう注意する?
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「朝イチのWeb会議に寝起きで出席する後輩への注意の仕方」について、ライターのトイアンナさんがアドバイス。
朝イチのWeb会議に寝起きで出席する後輩がいます……。
私の職場では毎朝朝礼があります。在宅ワークの日はWeb会議で参加するのですが、後輩社員が明らかに寝起きの姿で会議に参加するのです。
在宅だからスーツに着替えろとはもちろん言いませんが、仕事をしているのですからある程度身だしなみを整えて会議に出るべきだと私は思います。
私の考えは間違っているのでしょうか? それに、こういうことを注意すると「パワハラ」とか「考えが古い」とか言われてしまうのではないかと怖くて注意ができません。どうしたら良いのでしょうか。
こんにちは、トイアンナです。
朝礼をZoomでやるとは、新しい文化と古い文化が混ざり合った感じで、とても粋な社風になりましたね。
朝礼は慣れると便利だなと感じますが、いらないと思うタイプにとっては、兵隊が点呼で無理やり起こされるような理不尽さを感じるイベントです。そして、相談者さんの後輩は明らかに後者でしょう。
朝礼の意義を納得していないと態度変容は無理
ときに、相談者さんご自身は朝礼の意義って何だと思いますか? 社内の情報共有が筆頭にきて、あとは「これが社風だし」となんとなく受け入れていませんか?
理由が「これが社風だし」だと、必ず後輩に腹落ちしない人が出てきます。「それって、いらなくないですか?」「大事にしないとだめですか?」という疑問が、湧いてくるのは当然のことです。
相談者さんが取るべき行動は、後輩が理解できる形で、朝礼ってそもそも何のためにあるのか、を説得することでしょう。
朝礼の主な意義は「結束と習慣づけ」
100年以上栄える会社の特徴を挙げた『ビジョナリー・カンパニー』という本には、長続きする会社には一見すると合理性のない、社歌などの習慣がある、と書いてあります。
同じ習慣を身につけさせ、同じ社内の専門用語で話し、同じ地域に住むことで、連帯感が強まるのです。
そして朝礼も、社員同士を結束させ「私たちはこの会社の重要なメンバーだ」と認識させるための儀式と捉えれば、分からなくもありません。となれば、連帯感を強めるためにも、他の社員と同じ服装をすることも大事な要素となるわけです。
……なんて説明をされたら、「何のために朝礼なんてそもそもあるんすか?」と思っている後輩だって「なるほど……」と頷いてくれるかもしれません。
注意する時は「相手の納得」を目標にしよう
今回は朝礼が事例となっていましたが、指導では「相手が指導したことへ、どれほど納得してくれるか」が大事なポイントとなります。ただ注意しただけでは、あなたが嫌われて終わるからです。
もし、頭ごなしに叱りたくなったら……。「常識でしょ」「会社でやっているんだから」と、自分の中でも実は腹落ちしていないルールを押しつけていないか、考えてみてください。そして、その一見理不尽なルールがなぜあるか、考えてみてください。
もしかすると、あなた自身も会社のことを、もっと好きになれるかもしれません。
Point.
・部下・後輩へ指導する時「相手が納得していない」と態度は変わりません
・朝礼など一見無意味な習慣にも立派な目的があります
・注意する時は相手をどう納得させるかを、言葉にしてみてください
(文:トイアンナ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2021年04月27日に公開されたものです