それ日本語で良くない? 横文字を多用する上司との接し方
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「横文字を多用する上司との接し方がわからない」とのお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
横文字を多用する上司。どう接する?
むやみやたらに横文字を使ってくる上司がいます。話していると、わからない単語があったり、それ日本語で良くないかと感じてしまったりして、会話の内容が全く頭に入ってきません。業界柄ある程度は仕方ないのかも知れませんが、どうしても気になってしまうのです。こういう上司にはどう接するのが正解なのでしょうか。
それ日本語で良くないか……分かります(笑)。
その昔、「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載で、社会人の使う独特な表現が「オトナ語」と呼ばれ話題になり、ちょっとしたブームになったのを思い出しました。
調べたら、注目されたのは2003年。そんなに昔だったっけ? と驚くと同時に、18年たった今もオトナ語は絶滅するどころか、むしろ定着しているということに気付かされました。
それすなわち、使うことにメリットを感じている人が少なからずいる、ということですよね。言葉が定着するのには理由がありますから。意識高い系と言われる横文字しかり、です。
私自身は、仕事柄、誰でも理解できる表現を求められることが多いため、あまりそういう言葉を使いません。そこで、エンタメ系企業勤務の友人に、「職場で横文字使う?」と聞いてみました。
「あ~、『それ誰マター?』とか『ターゲットにリーチするには』とか言う人は普通にいるね。『それ、誰の担当?』『ターゲットに届けるには』でいいじゃん! て思う(笑)」と友人。
一方で、こうも言っていました。「『これフィックス(確定)してますか?』とかは自分も使っちゃうかも。自分の周辺や業界内で流通している記号には、合わせた方が楽な部分もあるから」と。
つまり、共通言語を使うことでスムーズに仕事が進むこともある、と。
あなたが上司に困惑しているのは、スムーズに仕事を進めるためではなく、「むやみやたらに」上司が横文字を使うからですよね。
ただ、「なんだよ、お前も誰マターって言えよ」と強要されているわけではないので、上司の横文字は脳内で翻訳しつつ、自分は自分なりの表現を使う、くらいが良いのではないでしょうか。
思うに、横文字を使うと、「自分、仕事してるな」という感覚になれるんですよね(笑)。バリバリ仕事をしている気分になれるというか、仕事ができる人間の気分になれるというか。
……だからモヤモヤするんです! 実際は大して仕事してないんです! とあなたは思うかもしれませんが(笑)、言葉で仕事モードに切り替えることができ、それによって本人が気分良く仕事できているのであれば、一概に悪いことではないとも言えるんですよね。
そう考えると、広い心で受け止める鷹揚さも必要かもしれません。
横文字を全く使わないけどいつもイライラしている上司と、横文字を多用するけど常に上機嫌な上司なら、後者の方が良くないですか?
いや結構横暴な時ありますよ……ということなら、そんな時は「アグリーできない! 全くもってアグリーできない!」などと心の中で叫んだり友人に愚痴ったりすれば、言っているうちに、まぁいっかと思えてきそうな気がしませんか。
それも横文字多用スタイルの効果かもしれません(笑)。
Point.
・共通言語を使うことで仕事がスムーズに進むこともある
・だが無理に自分も使う必要はない
・横文字を使うことで仕事モードに切り替えられるという利点もある
・本人が気分良く仕事できているなら、まぁいっかと受け止める鷹揚さも必要
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2021年03月09日に公開されたものです