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「もういやだ」と感じている人へ。気持ちが疲れた時の解消方法

笹氣健治(心理カウンセラー)

疲れた気持ちを解消する方法

「もういやだ」と感じる理由や背景を理解できたところで、いよいよ疲れた気持ちを解消するための対処法の説明に移りたいと思います。

充電が切れそうな状態では、あまり難しいことができませんので、簡単にできる3つの方法をご紹介します。

(1)休んでエネルギー補充

もうすぐ充電が切れそうなスマホと同様に、今すぐ充電して精神的エネルギーを補充しましょう。

そのためには、とにかく休むことが一番。今頑張っていることから少し距離を置き、気持ちを切り替えて頭の中をリフレッシュする時間をつくりましょう。

日中であれば30分くらい昼寝をする、夜ならバスタブで20~30分の半身浴をする、アロマをたいて寝る、といったように、まずは体をしっかり休めることで、精神的エネルギーが補充されていきます。

ポイントは、副交感神経を優位な状態にしてリラックスすること。

逆に良くないのは、スマホを使うことです。スマホの画面を見ていると、光の刺激によって交感神経が優位となり、リラックスできなくなります。

そのため、SNSや動画を見たり、ゲームをしたりするのは、精神的に疲れている時は極力控えた方がいいでしょう。

気分転換としてスマホを操作するのは悪くないのですが、睡眠の質に悪影響を与えないよう、できるだけ短い時間にとどめるようにしておきましょう。

(2)内在する怒りの解消

「もういやだ」と感じるくらいうまくいっていないわけですから、そんな現状に対して、自分でも気付いていないほど大きな怒りの感情を抱え込んでいる可能性があります。

苦しさに耐えることに加えて、怒りが爆発しないように押さえ込むことで、精神的なエネルギーを消費します。

そこで、休んでエネルギー補充するだけではなく、内在する怒りの解消にも取り組む必要があります。

怒りの解消に有効なのは、感情を発散すること。

多少大きな声を出していい空間があるなら、「いい加減にしてよ!」「ふざけないで!」といった、飲み込んできた言葉を吐き出すといいでしょう。大声を出せないなら、クッションなどの柔らかいものを叩くのもいいです。

くれぐれもけがをしたり周りの物を壊したりしないような冷静さは残しながら、やってみてください。

こうやって感情を体の外に吐き出したら、冒頭の部分でも説明した、軽い瞑想をします。

体をリラックスさせた状態で、目を閉じて、ゆっくり大きく深呼吸をします。すると、どんどん気持ちがラクになっていきます。そして、次のように唱えてください。

「私には、この状況を乗り越える力がある」
「私には、最適な判断ができる力がある」
「私には、自分で決める力がある」

これらの言葉をじっくり噛みしめながら、自分の中の強さ、勇気、賢さに感謝してください。

この取り組みによって、自分の精神的エネルギーが充電されてきていることに気付くかもしれません。そうしたら、その力強い感覚を十分に味わってください。

(3)期待のキャンセル

次が最後のステップです。

現状がうまくいってないと思うのは、言い換えると、現状が自分の期待通りになっていない、ということです。

期待が悪いと言っているわけではありません。期待に執着していると苦しむ時がある、ということに気付いてほしいのです。

もし期待を手放すことができれば、これからは、もう少しラクに生きられるようになります。

そこで最後は、期待を手放す取り組みです。

まずは、次のように自問自答してみましょう。

「私は、誰に、どのような期待を持っているのだろうか?」
「その相手は、私の期待通りに行動してくれるものなのだろうか?」
「私が持っている期待は、私の都合から作り上げたものであって、その相手にもまた、その人なりの都合があるのではないだろうか?」

これらの問いの答えを考えると、自分の期待は必ずしも正しいとは限らないと気付くはずです。

そうしたら、次のように自己宣言してください。

「私は、私の期待をキャンセルします」

今この瞬間に自分が持っている期待は、今の自分が見ている範囲での期待です。

長い人生を考えると、良いことも悪いこともあります。今は悪いと思ったことも、後に振り返ってみると、「あの出来事があったから、私は成長できた」と思えたりします。

起きることは、全て必要なことである。全ては、うまくいくようになっている。

この言葉を胸に刻みながら、今の自分に何ができるか、何をすべきかを考えて、行動していきましょう。自分自身にはその力があることを信じながら。

次ページ:期待をキャンセルするとラクに生きられる

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