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誤用が多い「頭が上がらない」の本来の意味は? 使い方や例文を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「頭が上がらない」と「頭が下がる」の違い

「頭が上がらない」と「頭が下がる」は、どちらも言葉自体の印象が似ているために混同されがちですが、意味が異なります。

両者の違いが分かるよう、まずは「頭が下がる」の意味を確認しましょう。

「頭が下がる」は「敬服する、感心させられる」という意味

「頭が下がる」には次のような意味があります。

頭が下がる
敬服する。感心させられる。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

以上のように、相手を尊敬したり、相手のしたことに感心させられたりと、自然と頭が下がってしまいそうな時に使います。

例えば「誰に対しても笑顔で接するあの人には、頭が下がる」などと言います。

「頭が上がらない」は対等に振る舞えないこと、「頭が下がる」は尊敬すること

前述したことからも分かるように、「頭が下がる」には、“相手に敬服する”という意味はあっても、「頭が上がらない」に含まれる“対等に振る舞えない”という意味はありません。

両者の違いをまとめると、「相手に引け目を感じて、対等に振る舞えない」という意味が「頭が上がらない」、「相手に対して敬服する、尊敬する」という意味を持つのが「頭が下がる」という言葉です。

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