すり合わせるには? カップルで「金銭感覚の違い」が生まれる理由
働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちがお悩み回答形式で紹介します。今回の回答者は、人気コラムニストのラブホの上野さん。
今回のお悩み「男性が『理解できない!』と思うお金の使い方は?」
ボーナスが入る度、ハイブランドのアイテムを自分へのご褒美に買っている私。今年は「某ブランドの時計(約30万円)を買うつもり!」と彼氏に話したところ、そんな無駄遣いやめろと一蹴されてしまいました……。正直、何にお金を使おうと自分の勝手だと思うのですが、男性はどんなお金の使い方を「理解できない!」と感じるのかが気になります。ハイブランドを買うってそんなにダメなお金の使い方ですか? また、彼との金銭感覚をすり合わせるにはどうしたらいいのでしょうか。
「何を買おうが私の勝手!」で本当にOK?
ご質問誠に有難う御座います。
自分のお金で何を買おうがそれは本人の勝手で御座います。ブランド物を買おうが、海外旅行に行こうが、整形手術をしようが何の問題も御座いません。
ですので、ご質問者様が仰る通り「何にお金を使おうが自分の勝手」というのはまさにその通りなので御座いますが、その考えをする上で2点だけ心に刻んで頂きたいことが御座います。
カップルで守りたい2つのお金ルール
1つ目は、「何にお金を使おうが自分の勝手」なのであれば、相手にも同じ姿勢であるべきということ。つまりご質問者様がお金の使い方でとやかく言われたくないのであれば、彼のお金の使い方についてもまたとやかく言うべきでは御座いません。
彼氏様が飲み屋で1本100万円のワインを飲もうが、車の改造に100万円を突っ込もうが、ギャンブルに100万円突っ込もうが、とやかく言うべきではないのです。
残念ながら「彼のためを思って言っている」という理屈は通用致しません。彼氏様だってご質問者様に「ブランド物は無駄」と言った時には「彼女のためを思って」そう言っていたことでしょう。
2つ目は、使い方は自由であっても、それが理解されるとは限らないということ。
彼氏様がご質問者様のお金の使い方についてとやかく言うのは私もどうかと思いますが、ご質問者様が要求していいのは「とやかく言わないこと」までなので御座います。それが理解されるかどうかは全く別の問題として考えるべきでしょう。
「金銭感覚の違い」が生まれる理由
日本における離婚理由の不動の1位は「性格の不一致」で御座いますが、これは「金銭感覚の不一致」と言っても過言ではないと思います。
何にお金を使い、何にお金を使わないのか。人間の性格をこれほどまでに如実に表すことは他に御座いません。
それでは人間の金銭感覚は一体どのように差が生まれているのでしょうか。
そもそも人間は何かを得るためにお金を使うのですが、この何かを突き詰めると以下11個に分類することが可能で御座います。
お金の11個の用途
1.物質:物を集めることに使うお金。コレクターや買い物中毒など。金銭感覚が異なると、非常に揉めやすい項目。
2.快楽:楽をすること、気持ち良くなることに使うお金。ギャンブルや趣味など。こちらも揉めやすいものが多い。
3.安心:健康と安心のために使うお金。男女で非常に差が出やすい。
4.住居:生活環境にかけるお金。インテリアや家具など。重視しても限度があるのでそこまで揉めない。比較的理解されやすい。
5.時間:時間短縮にかけるお金。「都心に住む」「良い交通機関を使う」「時短家具を買う」など。時間短縮を嫌う人は少ないので揉めない。比較的理解されやすい。
6.投資:自己研鑽や投資にかけるお金。多くの場合、結果的にお金自体が増えるのでそこまで揉めない。
7.交際:人間関係にかけるお金。重視してもそこまで大金にならないので揉めない。
8.名誉:見栄やプライドにかけるお金。重視する人がそこまでいないのでお金をかける人も少ない。ゆえに揉めにくい。
9.経験:経験値にかけるお金。そこまで大金にならない上に、こちらは重視しない人が少ないので揉めにくい。また比較的理解されやすい。
10.生存:生命維持に必要なお金。重視しない人は存在しないので揉めない。
11.子ども:子どもに使うお金。一致しないと物すごく揉めるものの、基本的には多くの人が重視するのであまり揉めない。
この11個の用途に関して、それぞれの重要度が人によって異なります。その差こそが金銭感覚の違いと言えます。
恋人間で揉めやすい「物質用途」と「快楽用途」
相談者様が購入を考えていたハイブランドの時計は、おそらく「物質用途」もしくは「快楽用途」に分類されることでしょう。
物質用途とは「物を集める」ために使われるお金のことで御座います。
最も分かりやすいのがコレクター。フィギュアや切手などを集めるためにお金を使う男性は物質用途に分類されますし、使いもしないブランド品や化粧品を買い漁る女性も物質用途を重視していると言えるでしょう。
物質用途は基本的に他者から理解されることが御座いません。
また、快楽用途とはその名の通り快楽を得るために使われるお金のことで御座います。
例えば歩いて帰る距離をタクシーで帰るなどはその際たる例でしょう。また「おいしい物を食べる」「綺麗な服を着る」なども快楽用途に分類されます。
快楽用途は基本的に快感刺激を得るために使われるお金なので、無駄遣いに見えやすいのが最大の問題でしょう。
したがって、「高価なブランド品を買いたい」というあなたのお金の使い方は、どちらに分類されるにせよ“彼氏に理解されにくい用途”であるのは事実です。
とはいえ、誰にでも物質用途や快楽用途での買い物はあるので、あなたにとってのブランド品が彼氏にとっての何に相当するのかをうまく説明できれば、理解を促すことができるかもしれません。
恋人間の金銭感覚をすり合わせる方法
最後に、恋人と金銭感覚をすり合わせていくためのコツを紹介いたします。
大切なのは「相手が“どんな用途で”お金を使っているのか」を理解することでしょう。
例えば男性が競馬にお金を使っていたとします。
しかし一口に「競馬にお金を使う」と言っても、その状況によって用途は異なるでしょう。増やしたいなら投資、楽しみたいなら快楽、付き合いなら交際用途なので御座います。
ですので、相手の金銭感覚について何か説得する際には、まず相手がどの用途でお金を使っているのかを考えてみるといいでしょう。
説得する時の注意点
例えば競馬をしまくっている彼氏様に対して「競馬なんてお金が増えるわけがないから無駄」と説得したとしましょう。
しかしそれでは説得はできません。何故ならば大抵の方は競馬を「投資用途」ではなく「快楽用途」で行っているのです。したがって、「別に競馬でお金を増やそうとは思っていない、楽しいからやっている」という回答でおそらく一蹴されてしまいます。
この場合、「競馬が楽しいのは分かるけど、お金を使い過ぎてしまうのが気になるから減らして欲しい」という快楽用途に寄り添った言い方でなくては説得ができないのです。
相手の用途に理解を示し合おう
まずは相手の用途を理解して、その用途に理解を示してあげることが大切なので御座います。
金銭感覚は「何を買っているか」ではなく「11個の用途のどれを満たそうとしているのか」で見るべきでしょう。皆様から見れば「無駄」にしか見えない使い方も、相手からすれば間違いなく先ほどの11個のどれかに該当するのでございます。
話し合いがしっかりと出来る相手であれば、先ほどの11個の用途を見せて、お互いのお金の使い方がどれに該当するかを一緒に考えてみましょう。あなたが“ブランドの時計を買う用途”に対して理解が得られるかもしれません。
令和のマネーハック05
金銭感覚をすり合わせるには「何を買うか」ではなく「どんな用途で買うか」に目を向けよう!
(文:ラブホの上野さん、イラスト:itabamoe)
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※この記事は2020年12月21日に公開されたものです