「ご無沙汰しております」はどう使う? 「お久しぶりです」との違いや使い方・類語を解説
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の違い
「ご無沙汰しております」とほとんど同じ意味で「お久しぶりです」もよく使われる表現です。
まずは「久しぶり」の意味を確認してみましょう。
久しぶり
前にそのことがあってから長い時間が経過していること。しばらくぶりである。
(『大辞林 第三版』三省堂)
このことから、「ご無沙汰しております」とほぼ同じニュアンスであることが分かります。
「お久しぶりです」の構成としては、「お」(接頭語)+「久しぶり」+「です」(「だ」の丁寧語)です。
目上の人に対して「お久しぶりです」は避ける
「お久しぶりです」は、「ご無沙汰しております」と比べるとカジュアルな印象を与える言葉なので、友人や同僚などの同等の関係、また後輩や部下へのあいさつに使用し、目上の人へのあいさつには避けるようにします。
「ご無沙汰しております」はしばらく連絡や訪問をすることができなかったことへのお詫びの気持ちが含まれるのに対して、「お久しぶりです」は「会えてうれしい」という気持ちが含まれる表現です。
まとめると、「ご無沙汰しております」は、目上の人にも使える、お詫びの気持ちが含まれる敬意を込めた表現。
一方「お久しぶりです」は、目上の人への使用は避け、会えた喜びを含むカジュアルな表現であるといえるでしょう。
「ご無沙汰しております」と言われたらどう返事をする?
相手から「ご無沙汰しております」と言われた場合、こちらからの返事にも同じように使うことができます。
その場合には、「こちらこそ、ご無沙汰しております」と「こちらこそ」を付け加えると流れがスムーズですね。
もしあいさつだけでは違和感があると感じる場合には、その後に「いかがお過ごしでいらっしゃいますか?」などと近況を尋ねる一言を添えると心遣いが伝わるでしょう。
また、目上の方から「久しぶりだね」と声を掛けられた際には、「ご無沙汰しております」と謙譲表現で返事をします。
特に久しぶりに連絡を受けた場合、相手はこちらがどのような反応を示すかが気掛かりだと思いますので、できるだけ早く(基本は24時間以内)返事をすることも心掛けたいですね。
対面の場合での返事
・「こちらこそ、ご無沙汰しており失礼いたしました。お変わりございませんか?」
・「こちらこそ、ご無沙汰しており申し訳ございません。皆さま、お元気でいらっしゃいますか?」
文書やメールでの返事
・「こちらこそ、大変ご無沙汰しております。いかがお過ごしでいらっしゃいますか?」
・「こちらこそ、ご無沙汰しておりまして申し訳ございません。○○様におかれましては、お変わりござませんか?」
あいさつの言葉を知ってご無沙汰な人との交流に役立てて
「ご無沙汰しております」の意味や使い方、「お久しぶりです」の違いについて、ご理解いただけましたか?
使い方のニュアンスの違いを把握して、しばらく連絡をとっていなかった方とのコミュニケーションがスムーズに再開できるように、あいさつの言葉を上手に活用しましょう。
(大部美知子)
※画像はイメージです
※この記事は2020年10月28日に公開されたものです