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ビジネスで「差し支えなければ」はどう使う? 意味や使い方・言い換え表現を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「差し支えなければ」の言い換え表現

ビジネスシーンでは、「差し支えなければ」のように配慮を要する場面が多々あります。

同じ相手に続けて何度も「差し支えなければ」と繰り返せば、「またか」と受け止められることがあるかもしれません。

次に挙げる言葉も取り入れながら工夫して、円満なコミュニケーションを目指したいですね。

「ご都合がよろしければ」

「差し支えなければ」同様、相手の都合を尊重した言い回しです。

「都合」という直接的な言葉を使っているので、相手にとっても「差し支えなければ」よりさらに断りやすい打診の仕方です。

敬語表現なので、お客様や目上の人に対して使います。

同僚や目下の人には「都合がよかったら」と言い換えられます。

例文

・もしご都合がよろしければ、この後少しお茶でもご一緒しませんか?

「駄目元でお尋ねしますが」

「駄目で元元」の略。カタカナで「ダメモトで」という書き方もよく見かけます。

駄目で元元のつもりで尋ねていると感じた相手は、思い悩まず気軽に返事をしてくれるでしょう。

略語なので、公式な文書にはふさわしいとはいえませんが、知っている相手に対してメールなどで率直に尋ねたい場合に向いています。

例文

・来週の水曜日にそちらへ出張することになりました。駄目元でお尋ねしますが、少しお会いできませんか?

「ご面倒でなければ」

「差し支えなければ」は広い意味での障害を意味していますが、この場合は「面倒かどうか」と「手間や面倒」に焦点を当てています。

ちなみに無理な場合の答え方としては、「面倒ではありませんが、少々時間が厳しいので」など別の理由を添えましょう。

例文

ご面倒でなければ、本日弊社にお立ち寄りいただけませんか?

「差し支えなければ」と打診された時の答え方は?

このように配慮のある打診に対しては、答える側も「いいですよ」「できません」「無理です」など無造作な返事はふさわしくありません。

OKなら「喜んで」「もちろんです」NGなら「あいにく先約がありまして」「残念ですが」などと答えましょう。

ビジネスシーンでも使いやすい「差し支えなければ」

今回は「差し支えなければ」というクッション言葉について解説しました。

お願いする側にはお願いしやすく、お願いされた側にも無理な場合に断りやすくする「差し支えなければ」という言葉。

何かを依頼する、されることが多いビジネスシーンでは、重宝する表現だといえるでしょう。

意味や使い方を押さえて、ぜひ実践してみてくださいね。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2020年10月28日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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