自己満足ってダメ? その言葉の本当の意味とは
良心でしたことに「それ、自己満足では?」と言われた経験はないですか? そのつもりはなくても、自分の行為が偽善と思われていたら嫌ですよね。では、自己満足の意味や自己満足ではない行動との違いとは? コラムニストのラブホの上野さんが解説します。
誰かのために行動すると、なぜかこんな言葉を投げ掛けられる。
「それって自己満足じゃない?」「偽善者っぽいよね」。
これらの言葉は優しさを持ち合わせぬ心の冷たい人間が、優しい人間をバカにするために使う言葉で御座います。
自己満足の意味とは
自らの行為に対して「自己満足」と言われた時、「え? 自己満足って言われたけど、どういう意味?」なんて戸惑ってしまうかもしれません。
ここでおさらいすると、自己満足とは以下のような意味です。
じこ‐まんぞく【自己満足】
[名](スル)自分自身に、または自分の言動に、自分で満足すること。
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり、もし嫌みとして人に言われた場合、「誰かのためじゃなく、結局自分の気分が良くなるから行動してるんでしょ」というネガティブな意味なのです。
全ての行為は“自己満足”
自分で言うのは少々恥ずかしいのですが、私は電車やバスなどで積極的に席を譲るタイプの人間で御座います。
もちろん「ご年配や妊婦の方に座っていただきたい」という気持ちからなのですが、そもそも私はなぜそう思うのでしょうか。
この気持ちが生まれる原因を考えると、「そうした方が私は幸せだから」というものでしかありませんでした。
席を譲って喜んでもらえればうれしいですし、自己肯定感も満たせます。それに、仮にお礼の言葉が無かったとしても「良いことをした」という“自己満足”で自己肯定感を高めることができるでしょう。
そう、全ての行為は“自己満足”なので御座います。
ですので、もしも自己満足の優しさを偽善というのであれば、全ての優しさは偽善ということになるでしょう。
なのに「それは自己満足で偽善だよ」などと言う方は、自己満足ではない“本当の優しさ”なんてものがあると勘違いしている、精神的に未熟な方なのではないでしょうか。