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【No.6】仕事道具は一つだけ。OLと歌手、二足の草鞋を履くハイブリッド女子のバッグ

ameri

取材・文:ameri
撮影:洞澤佐智子
編集:井田愛莉寿/マイナビウーマン編集部

「仕事に使うものはデスク上で完結させるのが私のポリシーなんです。だから、バッグに入れている仕事道具はノート一つだけ。あとは全部、歌手活動やプライベートのものばかりです」

そう話してくれたのは、瑠惟夏(るいか)さん。OLとして広告代理店で働きながら、都内を中心にシンガーソングライターとしても活動する、28歳のハイブリッド女子だ。

「新卒で大手の広告代理店に入社したのですが、地元にいた頃から続けていた音楽で自己表現をしたいという気持ちが強くなって……。社会人3年目にフリーランスのライターになったタイミングで、歌手としての活動を始めました。今はまた、活動に理解のある広告代理店に勤めながら歌を続けています」

ハイブリッド女子が持つバッグの中身

平日の19時30分。OLとしての仕事を終えた彼女と新宿で合流した。今は基本的に在宅勤務で働いているのだそう。

ブラックでまとめたモードなコーディネートをまとう彼女の手元には、ブラックのレザーバッグ。

相棒バッグに込められたコンセプトとは?

「使っているバッグは、『TT.MAKING.SERVICE.』という小さなデザイン事務所が手がけているハンドメイドのもの。『きっとあなたの友人となるための製品があなたに見つけてもらうのを待っています』というコンセプトがいいなと思って選びました」

コンパクトなサイズ感ながら、実はA4書類がしっかり入る大容量なんだそう。

「つい最近、ずっと愛用していたバッグが壊れてしまって、ネットで探していてビビッときたのがこれです。ちょうど買った時に『#私たちのしごとバッグ』の取材の話をいただいて。きっとこのバッグは、これから自分の相棒になっていくんだろうなと」

持ち手の長さが2WAYなところがお気に入り。ファッションに合わせてバランスを見ながら調整しているとのこと。機能性とデザインのどちらも妥協していないところがさすがだ。

こだわりが詰まった瑠惟夏さんのバッグの中身

バッグの中には、彼女が大切にしている考え方も反映されている。

「集中すると他のことに対して雑になる癖があるので、『一つ一つ、相手の立場に立って考えるようにしなさい』と母から教えられていて。仕事と音楽をする上で一番大切にしているんです。だから、メッセージカードは常に持ち歩いています。仕事相手やお世話になった人に一言添えて渡せるように」

CDは名刺代わりに

そして、シンガーソングライターらしい持ち物を出してくれた。

「お酒を飲むのが好きなので、飲みの場で仲良くなった人が私の音楽に興味を持ってくれたら、名刺代わりにCDを渡すようにしています。フリーランス時代は、インタビュー相手にも渡していました」

今やオンラインでの音楽配信が主流になっている時代。それでもあえてCDにこだわっているという。

「やっぱり、オンラインよりもCDの方が、歌詞カードに盤にジャケットに……と、思いを込められる材料が多くて好きです。この2枚のジャケットを描いてもらっているのは、青木香織さんという日本画家の方。日本画は紙の質感も特徴的なので、プラスチックではなくザラっとした質感の紙を使うことで原画に近づけています。歌だけではなく全て合わせて作品なんです」

しかも、ジャケットを描いているアーティストの青木香織さんは、SNS上でナンパした相手。

「繊細だけど挑戦的な作品を発信しているところに惹かれて、ツイッターで『描いてくれませんか?』と私から声をかけました」

歌詞用ノートと仕事用ノートの2冊を常備

そこには、歌だけではない総合的な作品作りにこだわる姿勢が見て取れた。そんな作品作りの元となっているのが、ノート。

「四六時中がインプットとアウトプットの時間。仕事のメモも歌詞も、思いついたらすぐに書き留めるようにしています。だから、ノートは必需品。前職の広告代理店で『それはなぜ?』と噛み砕く訓練をかなりやっていて、現職にも音楽活動にもかなり生きていますね。でも、歌詞のノートと仕事のノートは別。バッグには常にノートが2冊入っています」

歌詞は全て、自分の実生活が元になっているという。最近書いた歌詞についても聞いてみた。

「最近書いたのは『口無し』についての歌詞。他人の言葉にしか便乗できない人、文句を言う時だけ口を開く人のことを書きました。『自分の気持ちを伝えるために口があるのに、それに対して使わないのはどうして?』って」

ノートには、彼女ならではの世界観を形づくる基盤が、たっぷりと詰め込まれていた。

日常を彩る嗜好品は歌詞へと昇華

そして、気持ちを切り替えるためにあるものも持ち運んでいるそう。彼女が持つメイクポーチの中には、コスメとアクセサリーの他に加熱式たばこが入っている。

「最近、紙巻きたばこが吸えるライブハウスが限られてきたこともあり、加熱式たばこに切り替えました。昔から香りがいいものを愛用していて、今はPloom TECH(プルーム・テック)のストロベリーとマンゴーのMIXフレーバーがお気に入り。アロマたばこのような気持ちで吸っています。臭いはほとんどないし、デザインもかわいいいから好きなんです」

日常を切り取る歌詞が得意な彼女。たばこはもちろん、歌詞にも反映されている。

「たばこは、仕事の合間のリフレッシュにも使っているし、歌詞にも出てくるほど私の日常と密接に関わっているもの。煙を見てボーッとしながら詞を考えることもあります。視覚的にも匂いも味も、全体的に気分転換になるのでなくてはならない存在です」

意思とこだわりが詰まったしごとバッグ

仕事のアイテムはノート一つだけ。

プライベートをたくさん詰め込んだバッグには、独自の世界観が反映されていた。

媚びず、自分の好きなことを突き詰める姿勢、それが彼女の魅力であり、周りを惹きつける理由なのだろう。ブラックのレザーバッグには、広告ウーマンとして、シンガーとして、自分の考えやこだわりを大切にする意志がにじみ出ていた。

※この記事は2020年09月28日に公開されたものです

ameri

2016年より執筆をはじめ、主に美容・恋愛・ウエディングについて書いています。美容とコーヒーとチョコレートをこよなく愛するフリーライター。コスメと触れ合うこと、旅行、カフェ巡りが趣味です。百貨店のコスメフロアによく出没する特徴あり。

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