2020年どう変わる?「つみたてNISA」をわかりやすく解説!
2018年1月にスタートした「つみたてNISA(積立ニーサ)」。金融庁の肝いりで始まったNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)のひとつで、長期間かけてコツコツ投資できる仕組みが注目されています。
このつみたてNISA、2020年度税制改正大綱で、非課税で積み立てられる期限を延長すると決定しました。
今回は、つみたてNISAの仕組みと変更点について、マネー初心者でもわかるように紹介します。
つみたてNISAとは、おトクに資産形成できる制度
つみたてNISAは、投資をして得られた売却益(譲渡益)や分配金の運用益に対して、非課税になる制度です。
非課税となる期間は、対象となる投資商品を購入した年から最長20年間となっており、始められるのは2018年1月~2037年12月末までです。
また、購入の方法が定期かつ継続的方法による、積み立て投資に限られていることも特徴のひとつです。
日本国内にお住まいの20歳以上の方であれば、どなたでも「つみたてNISA」を利用できます。
証券会社や銀行、郵便局などから取引をする金融機関を1つ選び、ひとりにつき1つの口座の申込・開設することで積み立てを始められます(つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択します)。
ただし、いくらでも投資できるということではなく、毎年40万円までしか利用できないという決まりがあります。
つみたてNISAを始めるメリット
つみたてNISAの対象となる投資商品は、金融庁が厳しい目で選んだ一部の投資商品に限定されています。
投資初心者にとって、選びやすさは重要なポイント。公募株式投資信託、ETFのうち法令上の基準を全て満たした商品で、手数料が安いこと、毎月分配型ではないことなど、少額からコツコツ続ける積立投資に適したラインナップが揃っています。
また、毎月決まった日に、決まった金額の投資商品を購入するので、仕事や家事で忙しくても自動的に積み立てできること、プロに運用を任せることで手間をかけずに投資ができることも魅力です。
そして、一般的に投資をすると売買益や配当金など利益に対し20.315%の税金がかかるところ、つみたてNISAでは税金はゼロ。枠をすべて使えば最大800万円(40万円×20年間)の、投資から受け取る利益に対し税金がかからないという非課税のメリットがあります。
非課税のため、手間のかかる確定申告をする必要もありません。
つまり、つみたてNISAは投資の入門編として初心者にも始めやすい制度といえるでしょう。
しかし、つみたてNISAは2037年までの制度とされているので、対象ファンドの購入を行うことができるのも2037年まで。つみたてNISAを使った投資可能額は年を経るごとに1年で最大40万円減っていきます。
もし、2018年から投資を始めていれば20年間の非課税で最大800万円を積み立てられるのに対し、2037年につみたてNISAを始めた人は、トータルでたった40万円しか投資ができないことに。
これでは老後の備えにはほど遠く、非課税のメリットもわずかしか得られない残念な状況になっていました。
2020年からの変更で、いつ始めても非課税枠は最大800万円に
今後、公的年金だけでは生活が苦しくなることは目に見えています。そこで、若い人にも老後の資産形成を促す狙いもあり、いつ始めても20年間で最大800万円の非課税投資額を使えるように制度を変更することとなりました。
金融庁が発表したNISA口座の利用状況調査 (2019年6月末時点)によると、つみたてNISAの口座数のうち、20代が15.7%、30代で25.0%、40代では25.9%で、20~40代の世代が、全体の約66.6%を占めています。
これからコツコツと貯めていきたい若い層の方にとっては、使い勝手がよくなって長期運用が可能になったことは望ましいといえるでしょう。
それでは、つみたてNISAのデメリットと注意点を確認しておきましょう。
※この記事は2020年08月06日に公開されたものです