もしも税金がなかったら、私たちの暮らしはどう変わる?
国民の三大義務のひとつに「納税の義務」があります。つまり「税金の納付はしなくてはならない」ということですが、税金って、身近なようで具体的に何に使われているかなどあまり意識しませんね。
今回は、税金が何に使われているのか、もし税金がなかったら私たちの暮らしがどう変わるのかを説明したいと思います。
税金は何に使われている?
税金の使いみちとして大きくは、「社会保障」、「公共事業」、「教育費」、「公共サービス」の4つがあります。
社会保障
社会保障とは、医療保険や介護保険、年金などのことです。
日本では国民皆保険として、会社員とその扶養者なら健康保険、自営業なら国民健康保険、75歳以上なら後期高齢者医療制度など、すべての人がなんらかの健康保険に加入しています。
また、国民皆年金として20歳以上60歳未満であれば国民(基礎)年金に、40歳以上であれば介護保険に加入しています。
私たちは制度ごとに決められた保険料を払っていますが、それだけでは健康保険も国民年金も介護保険も、膨大な給付をまかなえていません。保険料だけで足りない部分は税金が使われています。
公共事業
公共事業に対しても税金が使われています。
社会インフラの一つに「水道」がありますが、その上下水道施設の整備などに税金が使われています。
また、道路や橋、公園や港、空港など、多くの人が利用する建物や設備にも、税金が投入されていて、一般の人たちが便利に、安心して、安全に利用できるように、税金を使って建設や整備を行っています。
教育費
公立学校の建設費用に始まって建物の維持管理、教職員の人件費、教科書や実験器具、飼っている動物の餌の費用に至るまで、税金が使われています。
私立学校に対しては、「補助金」というかたちで、税金による負担をしています。
また、宇宙開発や科学技術の研究の分野でも、税金が投入されています。
公共サービス
その他公共サービスとして、警察や消防、通常のごみの収集などは無料ですね。つまり税金でまかなわれているということです。また、市役所・公民館や図書館など、公共施設でのサービスも有料の部分以上にかかる費用は、税金が使われています。
税金がなかったらどうなる?
もし税金がなかったら、私たちの暮らしはどうなるのでしょうか。身近な公共サービスで考えてみましょう。
先ほど代表的なサービスを伝えましたが、もし税金がなかったら無料のサービスは有料に、一部負担しているものでも全額がサービスを受けた人の負担になります。
たとえば、病院でかかる費用や救急車を依頼する費用が全額自己負担だとしたら、収入の低い人は費用を払えなくて、生きていくことができなくなる可能性もあります。
また、警察が民間会社になって有料だとしたら、高い料金を払って依頼してくれる人の仕事ばかり優先してしまうかもしれません。そうなると治安もなにもあったものではありませんね。
※この記事は2020年08月05日に公開されたものです