考えすぎる性格をやめたい。特徴や心理・改善方法とは?
ついつい考えすぎてしまう性格の人、いませんか? 考えるのは悪くないけれど、考えすぎるのが癖になるのはいいのでしょうか? 考えすぎる自分がストレスな人、考えすぎるのをやめたい、改善したい人のために、心理カウンセラーの小日向るり子さんにアドバイスをもらいました。
会社の人や友達と話しているときに「考えすぎだよ!」と指摘されたことはありませんか?
また、考えはじめると思考がどんどんネガティブな方向にいってしまい、この考えすぎる性格をどうにかしたい! と思っている方も多いと思います。
今回はこの「考えすぎる人」を深堀りし、特徴や改善方法などを考察していきたいと思います。
考えすぎる人の特徴・あるある【恋愛編】
それではまず、考えすぎる人の特徴を「恋愛」と「仕事」2つの側面から見ていきましょう。
(1)疑り深い
これは付き合っている場合に顕著に表れます。
彼と会っていないときに「彼の誕生日はどうやって祝おう」など目的があって彼のことを考える場合はよいのですが、それ以外で目の前にいない彼のことを考え出すと、必ず「今何をしているのだろう」と不安になります。
考えすぎる人はその不安が肥大化し「他の女の子と会っているのではないか→会っているに違いない→SNSをチェック→電話してみよう」などどんどん疑り深くなります。
(2)気になる人を取られてしまう
これは片思いのケース。
告白する前に告白の言葉やシチュエーションをあれこれ考えすぎ、そうしている間にライバルに取られてしまうパターンになりがちです。
(3)結婚に踏み切れない
結婚は相手との相性だけでなく家と家の結びつきという側面もあるためすべてが完璧な状況になることはなかなかありません。
しかし、すべての不安を消せないと前に進めないのが考えすぎる人の特徴です。そのためお付き合いしている人がいてもなかなか結婚に踏み切れません。
(4)ネガティブになって自滅しがち
あれこれと考えているうちにネガティブな感情でいっぱいになり、そんな恋愛が苦しくなって好きなのに自ら別れを切りだしてしまいます。
考えすぎる人の特徴・あるある【仕事編】
続いては、仕事における特徴を見ていきましょう。
(1)仕事が遅い
資料作成が終わった! と思って読み返すと言い回しが気になる、そこを修正するとフォントにメリハリをつけたほうがよい気がする……など「よりよいもの」を考えだしてきりがなくなりがちです。
そのため周りから仕事が遅い人だと評価されてしまうことも。
(2)報告が長い
自分が考えたことをすべて説明したい欲求があるため、業務報告などが長くなりがちです。
逆に「適当に省略して」と言われてもどこを省略してよいかを考えすぎてしまい、今度は本人が混乱してしまうこともあります。
(3)完璧に仕上げる
前述したように、考えすぎる性格にはネガティブな側面もありますが、逆から見ると「仕事を完璧に仕上げる」という長所でもあります。
深くじっくり考えて納得のいく仕事をしますので、物を作り上げたり新しいものを生み出すことが好きな人は仕事を高く評価されることも多いです。
あなたの「考えすぎ度」を診断でチェック!
なぜ? 考えすぎる人の原因と心理
考えすぎる人はどうして、考えすぎてしまうのでしょうか。続いては考えすぎる人が考えすぎてしまう原因と心理に迫ってみたいと思います。
(1)悲観主義者(ペシミスト)
悲観主義者とは、物事を悲観的に考える性質の人のこと。
対義語として楽観主義者(オプティミスト)がありますが、概して悲観主義者は物事を突き詰めて考え、楽観主義者は思いついたら即行動、といった刹那思考です。
(2)完璧主義
すべてを完璧に仕上げないと精神的に落ち着かないのが完璧主義者の思考の特徴です。
それは物事を多面的に捉えられるという長所もあるのですが、多面性をひとつひとつ検証するため、その結果考えすぎで思考がループしてしまうことがあります。
完璧主義とは、妥協やミスを許さず完璧を求める人によく使われる言葉です。この診断では仕事に対する自分の完璧主義度をチェックします。
(3)予期不安が強い
予期不安とは未来に対する不安のこと。
予期不安が強いと行動する前に心が不安だらけになり、結局行動できません。
(4)安易な言動で大きな失敗をした過去がある
過去に安易に考えたり深く考えなかったために大きな失敗をした過去があると、それが心の傷(トラウマ)となり、極端な慎重派になってしまうことがあります。
(5)締め付け気味に育てられた
幼少期、お菓子が好きでスーパーに入ったとたんお菓子コーナーに走った経験はありませんか? 子供は好奇心が旺盛なのです。
しかし、幼少期にそうした好奇心を禁止されることが多い環境で育つと「行動する前に考える」という癖がつき、これが繊細な気質と絡まった場合に考えすぎる人格が形成されます。
考えすぎる性格を改善する方法は?
考えすぎる性格は悪い側面ばかりではないことがおわかりいただけたと思います。でも、もう少し楽観的に考えられたらいいのに、と思っている方もいますよね。
ここからは考えすぎる性格を改善するためのいくつかのヒントをお伝えしたいと思います。
(1)まず手を動かす
頭の中だけで考えず、まず手を動かすことを意識してください。
例えば仕事であれば、メモ帳に書き出してみる、恋愛であれば今不安に思っていることを紙に書いてみる、などです。
身体を動かすと血行がよくなりますので結果思考も冴えてきます。
(2)考える時間に期限を決める
考えすぎる性格の人は深く考えること自体が嫌いではありません。ですので徹底的に思考の中に沈むことはストレス解消にもなります。
ただ、その時間に制限をつけることは大切。今日一日はじっくり考えるけど明日はリセットする! といった感じです。
メリハリをつけないでダラダラと考え続けると逆にストレスが溜まってしまいます。
(3)運動をする
深く考えるときは左脳を使います。一方、運動や芸術(絵をかいたり物を作ったりすること)は右脳を使います。
脳はバランスよく使うことで疲労が軽減されるといわれてます。したがって、できるだけ運動や物作りなど右脳を使う趣味を見つけてみてください。
石橋をたたいたら渡ってみよう
考えすぎる人の性格は「石橋をたたいて渡る」ということわざに代表されます。
もちろん石橋のように固いものであってもたたいてみることは悪いことではありません。しかし、石橋をたたきすぎて壊したり、石橋をたたいたあげく結局渡らなかったら意味がありませんよね。
あなたはどちらのタイプですか? 石橋はたたいたなら渡ることが原則です。ぜひ覚えておいてくださいね!
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2019年11月14日に公開されたものです