お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

気持ちよく退職するには? 引き止められたときの対処法

水谷育恵(特定社会保険労務士)

退職の引き止められた時の対処法

辞める意思が固いのであれば、できるだけスムーズに辞められるように努めましょう。対応を誤ると、退職時期をズルズルと引き延ばされたり、辞めるまでの間会社に居づらくなったりする可能性があります。以下の対処法を参考にしてみてください。

退職を引き止められたときの上手な対応

情に訴えられたとき

「あなたがいないと業務が回らない」と労働者に罪悪感を抱かせたり、「今まで育てた恩を仇で返すのか」などと言われたりした場合、どちらの場合でも感情的にならってはいけません。「転職の意思は変わらない」ことを伝え、引継ぎ業務を淡々とこなしましょう。後任が決まらない場合には、引継ぎマニュアルを作成し、自身が退職した後の後任ができるだけ困らないように配慮しておくといいですね。

退職日を遅らせてほしいと言われたとき

「後任が決まるまで」と言われ、退職者の転職先が決まっていないとそのままズルズル引き延ばされてしまいがち。「〇月末に退職します」など、具体的な期限を伝えるようにしましょう。ただし、繁忙期などには本当に後任が決まらない場合や業務に差し支えることもあるかもしれません。退職まで余裕をもって計画を立てられるように、退職の意思表示をするようにしましょう。また、会社に就業規則がある場合は、それに従って退職時期を伝えることが望ましいです。

退職を引き止められたときのNG対応

待遇改善の交渉をする

ただ退職意思を撤回させることが目的の待遇改善には、安易にのらない方がよいでしょう。その上司が退職者の待遇を決定する裁量を持っているとは限りません。会社からの待遇改善に応じる場合には、本当に実行されることなのか、その後も働き続けることができる環境なのかをしっかり見極めてください。

引き止めの話を全く聞かない

引き止めを行う上司の話を一切聞かず、自身の主張のみを通そうとする姿勢は無用なトラブルを招きます。退職することが決まっていても、少なくとも数週間は引継ぎ業務などで勤務するので、反感を買うような態度は自身のストレスになるだけ。上司の話を聞いた上で、退職の意思が変わらないことを伝えるようにしてください。

条件の不満を退職理由にする

給与や勤務地、労働環境などの条件を理由に退職を考えている人は、退職の意思を伝える前に、改善の余地がないか会社に相談しましょう。その上でなお退職の意思が固い場合、このような話を改めて持ち出すのはあまりオススメしません。退職する際に不満を伝えたいと思う気持ちはよくわかりますが、「その部分を改善するから退職しないでほしい」と言われ、スムーズに退職できない可能性が高くなります。引き止められる理由をわざわざ提示する必要なないでしょう。

次ページ:【番外編】強引な引き止められ方をしたなら……

SHARE