やりがい喪失で肌荒れが止まらない! 限界アパレル販売員 #美容迷子のお守りコスメ
働く女性にとって、メイクやスキンケアは欠かせない習慣。その一方で、たくさんの葛藤や不安を抱えながら“美容迷子”に陥っている人は多いもの。そんな迷える女性のお悩みに、美容ライターの長田杏奈さんがコスメで回答。毎日自信を持って働くための「お守りコスメ」を提案します。
【今回の美容迷子】都内で働くアパレル販売員
ファッション好きが高じて飛び込んだアパレル業界だけど、いつのまにか目の前の業務を淡々とこなすのに手一杯になって、やりがいを見失いがちに。綺麗な身なりで接客しなきゃいけないのに、ストレスで肌荒れやむくみがひどいし、最近では身体もついていかなくなってつらいです……。(モンちゃん/27歳/アパレル販売員)
売り上げのために、やりがいを諦めて
もともと引っ込み思案で人見知りな性格だったというモンちゃん。学生時代にファッション業界を覗いてみる気持ちでアパレル販売のバイトをはじめたところ、接客業の魅力にハマったそう。「奥手な私が、いろいろな背景を持っているお客さんのニーズを引き出して、似合う服を見つけるサポートができたときに、このうえない喜びを感じます」。
「人に関わる仕事が天職」と語るモンちゃんが、異業種への転職を考えるようになったのは、昨年の秋に店長が変わったことがきっかけでした。ノルマに厳しい鬼店長に悩まされているのかと思いきや、現実はその反対。「店長は超いい人で、無意味にポジティブ。売り上げが悪くてもすべて外的要因や運のせいにして、根拠なく『大丈夫』を繰り返すばかり。私語も多くて、お客さんがいるのに雑談している姿にイラッとさせられます」。もともとの人手不足に加え、お気楽な戦力外店長のせいで徐々に売り上げが下がり「結果の出せない店」化。責任感の強いモンちゃんは、お客さんにじっくり向き合う暇もなく、淡々と効率よく売ることでフォローに努めます。
頼りない店長のもと、止まらない“食いしばり”
職場環境が変わったのと同時に、肌荒れとむくみに悩みはじめたモンちゃん。特に、頬の赤く炎症を起こした吹き出物はつらそうです。気になるのか、無意識に頬を触る癖がついているようです。雑菌がついた手で触ると、余計に悪化しちゃうよー!
さらに「ずっと痛いんです」と見せてくれた舌には、縁にギザギザとした歯形がついていました。「内科も歯科も耳鼻咽喉科も行ったんですけど、どうやら無意識的に歯を食いしばりすぎているみたいなんです。そのせいで、顔もむくんでしまって」。身ぎれいにしてお客さんの前に立ちたい思いが叶わず、くじけそうになる気持ちに体調の悪さが拍車をかけます。「遅番と早番があって生活が不規則なうえに、夜遅くまで品出しで力仕事をすることもしばしば。仕事の満足感が減るなかで、身体も動かなくなってきて、もう限界。無理だなーって……」。
初めての一人暮らしとコスト削減チャーハン
肌は心の鏡。ご本人も分析しているように、肌荒れやむくみの原因にはストレスが大きく関係しているようです。でも、それだけ? よくよく話を聞いてみると、去年の春から一人暮らしをはじめたというモンちゃんの、かなり心配な食生活が浮き彫りになってきました。「朝はコーヒーだけのときが多く、食べるとしてもプレーンのコーンフレークのみ。昼は手作りの“コスト削減チャーハン”を持って行っています。具は、チャーハンの素、卵、ご飯。夜は、実家から送られてきたインスタントのポタージュスープと魚肉ソーセージが定番。もともと料理は得意じゃないし、おいしいかどうかにあまり興味がないんです」。肌荒れや体調不良も納得の食生活。美肌をつくるタンパク質が不足しているし、ビタミンもミネラルも足りていない。これは、もう少しなんとかしないと……。
まずは、“コスト削減チャーハン”の具に野菜を一品プラスするところからはじめてみましょうか。苦手な料理も「ポトフなら作れます」と言うので、休日にたくさん作り小分けに冷凍してストックすることを緊急提案しました。さらに、お風呂で実用書を読む習慣があると聞いたので、スープ作家・有賀薫さんの『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう 1、2人分からすぐ作れる毎日レシピ』という本を推薦することに。料理が苦手で忙しい人でも簡単に作れて栄養がとれるスープのレシピが載っているし、即席スープに冷凍ほうれん草を追加するなどの抜け道も用意されているので、きっと味方になってくれるはず!
好きなタイプは「お金を大事にできる人!」
モンちゃんが毎日“コスト削減チャーハン”を食べるのは、少しでもお金を節約して貯金にまわすためなのだと言います。「私、お金が大好きなんです。この世界は、何をするにもお金を払わなきゃいけない。すごいお金持ちにはなれなくても、好きなことにお金がかけられる生活がしたい。毎月、投資信託と積み立て預金で資産が増えていくのを見るのが生きがいです」。
そんな彼女がお金の価値を痛感したのは、まだ幼いころのこと。「我が家は両親の仲が悪くて……。お嬢様育ちで金銭感覚が甘い母に変わって、父が家計を管理していたんですね。母が身綺麗にしたいと願っても、おこづかい制だからいちいち父におうかがいを立てなきゃならなくて。『いつもキレイでいたいなら、お金が大事なんだ!』と子ども心に刷り込まれました。だから結婚するんだったら、金銭感覚が合う人がいい。身の丈に合わないものを買いたがったり、食べたがったりする人とはうまくいかないですね。どこからかお金がわいてくるような、楽天的な金銭感覚を持っている人は苦手。今の彼は、私の価値観をわかってくれて金銭管理もしっかりしているし、がんばって稼いでいると思います(笑)」。
そんなモンちゃんの夢は「土地ごと家を買う」こと。「大きくなくても、自分の書斎兼図書館みたいな部屋があって、そこで書き物をしたいですね。書くのは日記とかちょっとした絵とかでいいんですけど、静かに座ってぼんやり書いてみたい。私、貯めたお金でやすらぎを買いたいんです」。
ポイントメイク至上主義で、スキンケアには興味なし
甘めのミニスカートに辛口のミリタリートップスを合わせ、ミックスコーデがお似合いのモンちゃん。バサバサのまつ毛に鮮やかなリップやチークが印象的で、大人ドーリーを基本にモードなスパイスを合わせるメイクが得意な模様。ポーチを見せてもらうと、リップとチークはデパートコスメで揃え、ポイントメイクには投資を惜しまない様子が伝わってきます。
その一方で、乾燥肌で肌荒れに悩んでいるというわりには、スキンケアには無頓着。「メイクはクレンジングオイルで全部落としていて、洗顔は生協で買った米ぬか入りのさっぱりタイプのもの。銘柄はわからないですね……。お風呂上がりに、コスパのいい化粧水と乳液、もらったまつ毛美容液を惰性で塗っています。肌の調子が悪いからがんばらなきゃという発想はなくて、美容液を試してみようとか思い浮かばないんです」。
未来のために、今を切り詰めすぎてない?
自分には何が似合って何が好きなのかを知り尽くし、価値観も目的意識もはっきりしているモンちゃん。笑顔が素敵で、自分のことを一生懸命話してくれるまっすぐな彼女に好感を持ちました。でも、老婆心で説教臭いことを言わせてもらいますね。職場の実績のために歯を食いしばり、自分のやりがいを犠牲にする。未来の楽しみに投資するために、自分の身体や暮らしをおざなりにする。今の楽しみを先送りにしてがんばりすぎて、身も心も肌もカラカラになって悲鳴をあげていませんか? カラカラなまま我慢して、どうなるかわからない未来を待つのはしんどくないですか? 私はそんなモンちゃんを見るのがつらいし、心配でたまりません。
仕事に関しては、店長というポストの人がいるんだから、ちゃんと責任を背負ってもらえばいいのです。ダベる店長や士気の低い同僚にイライラしながらフォローにまわるより、困っているお客さんにモンちゃんなりの接客を思いっきりやってみたら? お客さんそっちのけで雑談している人にはそのうちクレームがくるだろうし、やる気のない人の尻拭いをする筋合いなんてない。いち店員という立場を利用してあえて全体を見ず、その場に応じて毎回やりがいが得られるほうの選択をすればいいんじゃないかな。目の前のひとりに、自分が納得できる真心の接客をする。今のやりがいをきちんと積み重ねて才能が磨かれた先に、未来につながるキャリアのヒントや出会いがきっとあるはずです。
食に興味がないのは仕方ないけど、現状の食生活のままでは「夢の書斎」にたどりつく前に身体を壊してしまうよ。がんばって日々を生きる自分の身体にも心にも、ちゃんと栄養を与えてください。貯金のペースは少しゆったりしちゃうかもしれないけれど、未来は今を積み重ねた先にしかない。今の自分を未来のための踏み台や道具にしないよう、割り切りすぎないように気をつけて。目先の楽しみに費やすお金は無駄使いに見えるかもしれないけど、自分の心身を満たして潤わせるものにお金を使うことは、人生の彩りや味わいを豊かにしてくれます。自分の心や感覚に「今、何食べたい?」「今、どんな気分?」と問いかける練習をしてみてください。
責任感が強く努力家なモンちゃんが、肩の力をゆるめて歯を食いしばらずに過ごせるよう願いを込めて。悩みの種の肌荒れから解放されるきっかけになるようなお守りコスメ、はりきっておすすめいたしましょう。
こわばった心身をほどき、リラックスに誘うプチアロマ
我慢を重ねイライラを募らせているモンちゃんに、いちばん必要なのはリラックス。職場で休憩時間に塗れるような、手軽なアロマがあるととうれしいですね。いくつかアロマアイテムを持ち込んだなかで、「落ち着く」とモンちゃんがくつろいだ表情を見せてくれたのが、エストニア生まれのブレンドオイル。小さくて持ち運びが便利なうえに、デザイン性とコスパにもすぐれているのがいかにもモンちゃん好みですね。休憩時間や眠る前に、外箱に描かれたイラストの箇所になじませて、深呼吸。食いしばりにくい、リラックスモードに切り替えて。
濃厚なポイントメイクもするんと落とす人気リムーバー
乾燥肌が気になるというわりに、妙に洗浄力が強いアイテムを使っているモンちゃん。理由を聞くと、「ウォータープルーフのアイライナーやマスカラを落とすためにクレンジングオイルを使っています。オイルのべたつきが気になるので、洗顔はさっぱりタイプにしています」とのこと。そこで、濃いアイメイクは専用のリムーバーで落とし、クレンジングや洗顔フォームは肌全体の状態を基準に「乾燥肌の潤いを守って洗うもの」を選ぶことを提案します。「そういう発想はなかった」と素直に聞き入れるモンちゃんであった……。
潤いを残してメイクを落とす、W洗顔不要のクレンジングミルク
炎症を起こしているモンちゃんの肌。洗浄力の高いオイルクレンジングよりも、潤いを守りながらメイクを落とすクレンジングミルクがオススメです。チャントアチャームのクレンジングミルクは、マイルドな感触や天然エッセンシャルオイルの香りが心地よく、癒し度高め。W洗顔不要なので、時短&コスパの面でも納得してもらえるはず! このしっとり感に慣れない場合は、週に1〜2回、べたつきが気になる日やメイクが濃いめの日にオイルを使ってもOKです。
【これもオススメ!】引き算メイクの友。失敗知らずのニュアンスチーク
バサバサまつ毛のドーリーなアイメイクに、鮮やかなリップ。さらにチークも赤やピンクというモンちゃんのメイク。さりげないニュアンス系チークをひとつ持っていれば、より洗練された大人っぽい印象になり、合わせる服の幅も広がるはず。今は頬が荒れて赤みが出ているので、あえて赤みを足さないほうが肌荒れも目立ちません。頬骨に沿って入れるとさりげないシェーディング効果でシュッとした小顔に。気になるむくみもカバーできます。
アリとキリギリスでいえば、アリ。そして、キリギリスが許せないタイプのモンちゃん。もう少しだけ力を抜いて、今この瞬間の自分をちょっとでも甘やかしてあげてくださいね。夢の書斎はまだないかもしれないけど、静かな部屋で日記をしたため、手すさびに絵を描くことなら今日からでもできるはず。楽しみを先送りにしすぎず、ご飯をちゃんと食べること。以上!
(長田杏奈)
※コスメ画像は編集部撮影。そのほかの画像はイメージです
※この記事は2018年06月06日に公開されたものです