【○○な男#03】「今、いちばん強い男」山﨑賢人ロングインタビュー
今もっとも旬な男の素顔に迫る連載「今、いちばん○○な男」。今回は、11月3日(金)公開の映画『氷菓』で「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」という省エネ主義をモットーとする高校生・折木奉太郎役を演じた山﨑賢人さん。その素顔はどんな「男」なのでしょうか? 映画のお話も伺いつつ、山﨑さんの仕事観・恋愛観を覗いてみました。
「この仕事を続けていこう」それから演技が楽しくなった。
――映画『氷菓』では省エネ主義をモットーとする高校生・折木奉太郎を演じられていますが、ご自身と共通する部分はありましたか?
僕も奉太郎みたいに省エネ主義なときもあるし、めっちゃがんばるときもあります。特に仕事はがんばらなきゃいけないなって。でも、プライベートはできるだけ疲れたくないというか……省エネですね。
――奉太郎は「灰色の高校生活を望んでいる」高校生ですが、山﨑さん自身はどんな高校生だったんですか?
うーん、正直なところ、あまり楽しくなかったです。中3でサッカーをやめてから、高校では部活もやってなかったし、高校行きながら仕事して……。今考えると、あんまり学校が好きじゃなかったかもしれないですね。校則とか、決まりがガチガチな感じが。今は逆に「学校行きたいな」と思いますけど。
――じゃあ、山﨑さんの高校生活を客観的に見ると、意外と奉太郎に近い?
そうかもしれないですね。高1から今の仕事をはじめたので、学校になかなか行けなくて。で、その間にクラスではグループができたりしていて。親友もいなかったし、今思うと闇の高校時代だったかも。問題を起こさず、とりあえず単位とって、みたいな。でもそんな中、夢中になってがんばっていたのは、サッカーと仕事ですね。
――高校1年生のころから、お仕事の楽しさを感じていたんですか?
仕事をはじめたばかりのころは、そんなに楽しいとは思ってなくて。仕事を仕事と意識してなかったぐらいなので。仕事がおもしろくなってきたのは、高校を卒業するタイミングぐらいからですね。
――それは何かきっかけがあったんですか?
就職するか進学するかっていうタイミングじゃないですか、そのころって。だからかな。「この仕事を続けていこう」と決めてから、演技するのが楽しくなったんです。
――『氷菓』でも山﨑さんの演技が光っていましたね。千反田える役の広瀬アリスさんとの共演で、印象的なエピソードはありましたか?
過去に共演したことはあるけど、今回初めてがっつり絡んだんです。すごくサバサバしていて、マンガ好きで、気をつかわずに話せるので楽です。今回、アリスもすごく悩んでいたと思うんですけど、実際本番で演技するときには全然それを見せないで、まっすぐ千反田さんを演じていて。僕もそれに対して、ちゃんと受けてやろうと思えました。
自分を奮い立たせる、山﨑賢人の強さ。でもたまには、弱くもなる。
――続いて山﨑さんの人生観について聞かせてください。“人生のモットー”はありますか?
うーん……「昨日の水は飲まない」。ペットボトルの。菌がすごいって聞いたので。
――ペットボトル! たしかに大事ですが、それって山﨑さんの人生のモットーですか?
あ、モットーじゃないですね(笑)。最近モットーにしていることは「思い立ったら即行動しよう」。いろいろ理由を考えているうちにやらなくなったりしちゃいそうなので、やらなきゃいけないことが5個あったら、1からすぐに片づける。たとえば「朝起きる」とか。朝目覚めて「なんで早く起きなきゃいけないんだろう……」とか考えているうちにまた寝ちゃうので、朝起きたら(勢いよく飛び起きるジェスチャーを交え)とにかく起きる! 強制的に起きて、顔も洗っちゃって。
――いちいち考えていたら止まっちゃいますもんね。
そうなんですよ。まだ読んでない台本があったとしたら、「今晩でも読めるし……」と思う前に読みはじめる! ……そんな感じです。
――なるほど。なんというか、山﨑さんの回答の端々から“芯の強さ”を感じます。恋愛でも、好きな女性を強気にリードしていくタイプですか?
そんなにリードしていくようなタイプではないと思います。あ、でも、どこのお店に行くかということに関してはわりと積極的になるかもしれないですね。
――もし、その好きな女性に脈がなさそうでも、アタックできますか?
アタックできますね。だって、自分からいかなかったら後悔するじゃないですか。
――脈がないのにアタックするって、なかなかできないですよ! 強いですね。
いや、僕そんなことないですよ。つきあう女性にも、あまり強がらずに、弱みを見せるタイプかも。
山﨑賢人の素顔は「今、いちばん強い男」
現在、ドラマの撮影で忙しい中、『氷菓』や自分自身について話してくれた山﨑さん。仕事観や恋愛観から“芯の強さ”が感じられましたが、それを本人に伝えると「そんなことない。自分は弱いところもある」との返答が。でも、自分の弱みを見せられる人こそが、謙虚で、本当の意味での“強さ”を持っている。そんな山﨑さんは「今、いちばん強い男」と言えるのではないでしょうか。
山﨑賢人(やまざきけんと)プロフィール
1994年9月7日生まれ。東京都出身。2010年、俳優デビューし、翌年『管制塔』で映画初主演を果たす。『orange ? オレンジ -』『ヒロイン失格』で第39回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作は、ドラマ『連続テレビ小説 まれ』(NHK)『デスノート』(日本テレビ系)、映画『オオカミ少女と黒王子』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』『斉木楠雄のΨ難』など。11月3日に主演映画『氷菓』が公開。2018年には『羊と鋼の森』の公開を控えている。現在、TBS日曜劇場『陸王』に出演中。
(編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部、取材・文:落合由希、撮影:為広麻里)
※この記事は2017年11月02日に公開されたものです