
【マネーレッスン】知ったかぶりは恥ずかしい! 「確定拠出年金」について
確定拠出年金をうまく運用していくには
編集部 勤務先で企業型の確定拠出年金を導入していると、社員は必ず加入しなければならないのでしょうか?
風呂内 はい、原則強制です。とはいえ、個人型の場合は掛け金を自己負担しますが、企業型は会社が掛け金を負担してくれていますので、身銭を切る必要はありません。ちなみに、会社が負担してくれている掛け金に上乗せして、個人の拠出もできる「マッチング拠出」という制度もあります。これができるかどうかは企業ごとに定められていますので、確定拠出年金を手厚くしたい場合は、自分の会社で認められているかを確認しましょう。
編集部 なるほど。では、企業型の場合、具体的にどのように運用していくのでしょうか。
風呂内 会社ごとに提携している保険会社や証券会社などの金融機関からリストアップされた商品の中から、加入者自身が選ぶ形になります。商品には定期預金のようなものから投資信託までさまざまあり、運用する割合なども各人が決めなければなりません。
編集部 うまく運用するコツなどあれば教えてください。
風呂内 一般的な資産運用の考え方と同じです。年齢が若いときには多少のリスクを負う商品を選んで、年齢を重ねるごとに安定型の商品にシフトしていくのが王道でしょう。運用成績は自分でチェックできるので、できれば少なくとも1年に1度は運用の割合を見直すことをおすすめします。
●うまく運用するコツ
・年齢が若いときには多少のリスクを負う商品を選んで、年齢を重ねるごとに安定型の商品にシフトしていく
・少なくとも1年に1度は運用の割合を見直すこと
風呂内 また、あきりんさんは投資もしたいと考えているようですが、それならまずは税の優遇を受けられる確定拠出年金の運用に力を入れてから、投資に目を向けたほうがいいと思います。
編集部 確かにそうですね。投資の勉強にもなりそうです。あきりんさんのように確定拠出年金を始めたい場合はどうしたらいいのでしょうか?
風呂内 勤務先が企業型確定拠出年金を導入しているかどうかを確認しましょう。導入している場合は、さらに個人で掛け金が上乗せできる「マッチング拠出」ができるかどうかも確認するのがいいですね。導入していない場合は、個人型確定拠出年金に加入するかどうかを検討してみてはどうでしょうか。
●確定拠出年金を始めたい場合
・勤務先が企業型確定拠出年金を導入しているかどうかを確認
・導入していたら個人で掛け金が上乗せできる「マッチング拠出」ができるかどうかも確認
・導入していない場合は、個人型確定拠出年金に加入するかどうかを検討
あきりんさんの家計簿チェック
編集部 最後に、家計簿チェックもお願いします。
風呂内 月々の収支も赤字になっていませんし、東京でひとり暮らしをしながら毎月2万円を財形貯蓄に回せていますので、がんばっているなという印象です。もう少し貯蓄をしたいのであれば、交際費をあと5,000円下げられるのが理想ですね。
◆今回のおさらい
運用次第で老後資金に大きな差が! 投資の勉強もかねて見直そう
決まった額の掛け金(=拠出額)を加入者自身が運用し、その結果によって老後の受給額が決まる「確定拠出年金」。税制上のメリットが大きいため、うまく運用して老後に備えたいものです。上手に運用するコツは、年齢が若いときには多少のリスクを負う商品を選んで、年齢を重ねるごとに安定型の商品にシフトしていくこと。また、1年に1度は商品の見直しをしをすることも大事です。投資の勉強にもなるので、個人投資をする前に、まずは自分が加入しているものをしっかり見直しましょう。
(ヨダヒロコ/六識)
※この記事は2016年04月27日に公開されたものです