
【マネーレッスン】「マイナス金利」は身近な問題なの!? 働く女性が覚えておくべきこと
マイナス金利の現在、どうやって財産を守る?
編集部 マイナス金利によって住宅ローン金利が下がるというメリットもあるんですね。ただ、こけこここさんは実家暮らしですから、あまり関係がなさそうです。どちらかというと、超低金利の普通預金や定期預金にこのまま預け続けるのではなく、何らかの金融商品に乗り換えて、資産を増やすことに興味があるようです。今後は、純金積み立てをはじめる予定だそうですが……。
風呂内 金はインフレに強いと言われていますので、物価が上がれば金の価値も上がることが期待できます。つまり、逆もしかり。当然、リスクがあります。儲けることだけを考えて純金積み立てを行うのであれば、おすすめはしません。資産運用をする際は、“儲けることを狙う”ことよりも“リスクを分散させる”ことに重きを置きましょう。資産のすべてを純金積み立てだけに頼るのではなく、ちがう値動きをするものと合わせて運用したいものです。
編集部 ひとつの金融商品だけでなく、複数の金融商品に資産を分散させたほうがリスクを減らせ、結果的に資産を増やせる可能性が高くなるわけですね。具体的には、どんな選択肢がありますか?
風呂内 ひとつは、変動10年の個人向け国債。金利の動きに応じて適用利率が変わりますし、購入から1年以上経過すれば途中解約もでき、かつ元本も保証されているので、初心者向けです。次に、貯蓄型の養老保険・終身保険と、個人年金保険も、銀行預金の代わりになりえます。それぞれ保険料が年間8万円の範囲内であれば、生命保険料控除の対象となり、少なくとも税金が年間4,800円ずつ減額されますよ。
また、決まった百貨店で年間13万円以上の買い物をしている人であれば、百貨店の積み立てサービスを利用するのも一案です。毎月1万円ずつ積み立てていくと、1年後に1万円プラスされた13万円分のお買い物券やプリペイドカードがもらえます。単純に計算すると、年率15%強の金融商品に該当します。
編集部 自分のお金の使い方なども踏まえて、金融商品を選びたいですね。
●マイナス金利の今オススメの金融商品
・変動10年の個人向け国債……購入から1年以上経過すれば途中解約もでき、かつ元本も保証されているので、初心者向け
・貯蓄型の養老保険・終身保険……銀行預金の代わりに。保険料が年間8万円の範囲内なら節税効果も得られる
・個人年金保険……銀行預金の代わりに。保険料が年間8万円の範囲内なら節税効果も得られる
・百貨店の積み立てサービス……毎月1万円ずつ積み立てていくと、1年後にプラス1万円の13万円分のお買い物券やプリペイドカードがもらえる。有効期限がない場合は多いが、平均的に年間13万円以上特定の百貨店で買い物する人にオススメ
こけこここさんの家計簿チェック
編集部 こけこここさんは、月々の支出もさらに節約したいそうです。彼女の家計簿で見直せそうなポイントがあれば教えてください。
風呂内 非常に優秀な家計簿で、文句のつけようがありません。習い事が2万7,560円と突出していますが、こだわり出費のようですので、現状維持でかまいません。それ以外で節約したいのであれば、保険料をもう少し抑えてもいいかもしれませんね。貯蓄型の保険に入っているのであれば、養老保険or終身保険と、個人年金保険をそれぞれ年間8万円以内に抑えてはいかがでしょう(平成23年12月31日以前に加入している保険の場合は、生命保険料控除の控除額が年間10万円までです。また、古い保険には適用利率が高いものもあるため慎重に検討しましょう)。月々の保険料は、合計1万3000円くらいがベターです。もし掛け捨てで2万円を支払っているなら、かけすぎです。未婚の女性であれば、月の保険料1,000円ほどの定期保険でも十分な気がします。
◆今回のおさらい
・マイナス金利に焦る必要はなし。資産を運用したい人はリスク分散を心がけて
今年導入されたマイナス金利は、日銀と各金融機関の間に適用されるため、直ちに私たちの預金がマイナスになるという心配はありません。ただし、マイナス金利によって銀行預金の利率が下がったり、ATMの時間外手数料の幅が広がる可能性があることは心に留めておきましょう。一方で、住宅ローンを借りる人には好機。既に借りている人は借り換えなどを検討しても。銀行に預けるだけでなく資産運用したい人は、しっかりリスク分散を。預金は残しつつも、個人向け国債を購入したり、貯蓄型保険への加入で税金面での優遇を受けたりするのもひとつ。百貨店をよく使う人は百貨店の積み立てサービスを利用するのもいいでしょう。
(ヨダヒロコ/六識)
※この記事は2016年03月23日に公開されたものです