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大人女子の新★遊びスポット「狂言ラウンジ」に行ってきました!

「パーティー感覚で“狂言”を楽しんでいただく」をコンセプトに、「狂言」と「お芝居」がコラボレーション。開演の前にはお酒やフードを楽しめるラウンジタイムがあるなど、初心者でも狂言が楽しめる、大人の遊びが今、人気を集めているようです。新しいおでかけスポットとして注目されている「狂言ラウンジ」をご紹介します。

音楽×お酒×狂言! 新感覚の娯楽空間「狂言ラウンジ」

渋谷駅西口より徒歩5分ほどの場所にそびえるセルリアンタワー東急ホテルの地下2階にある「能楽堂」。先日19日(金)にそこで行われた狂言ラウンジにマイナビウーマン編集部が潜入してきました。なんとこの日は狂言師が一生のうちに1回演じるか、演じないかといわれる秘曲「花子(はなご)」が演目。そのため、座席数を上回るお客さんがあつまり大盛況! 開演前のラウンジでは、老舗料亭「金田中」のフードに舌鼓を打つ人や、お酒を片手にこれから始まる狂言に花を咲かせる人で賑わっていました。

能楽堂入り口付近のラウンジにはスタンディング・バーが設置※狂言ラウンジはワンドリンクつき。二杯目からは有料。

能楽堂入り口付近のラウンジにはスタンディング・バーが設置※狂言ラウンジはワンドリンクつき。二杯目からは有料。

老舗料亭「金田中」のおつまみも提供

老舗料亭「金田中」のおつまみも提供

ラウンジスペースには着物姿のDJによる演奏も!

ラウンジスペースには着物姿のDJによる演奏も!

開演時間になり、いよいよ狂言の始まり! ……と思いきや、男性二人組みによる、コント仕立ての前説が入ります。このように同イベントでは狂言初心者でも楽しめるよう工夫されている点が、若い人にうけている理由の1つとなっています。

解説によると、狂言は現存する最古の演劇だそうで、その歴史はなんと650年にものぼるそう。さらに驚くべきことに、当時の言葉を今でも使用して上演を続けているのだとか。同じ古典芸能である歌舞伎は一部、人気アニメとコラボレーションするなど変化をしていますが、オリジナルにとことんこだわる狂言では、当時の武士たちが聞いていたそのまんまの言葉、内容を体験できます。

秘曲「花子(はなご)」は不倫の話!

「花子(はなご)」を演じた演者3人

「花子(はなご)」を演じた演者3人

この日上演されたのは、全部で180曲あるなかでも3つしか存在しない「秘曲」と呼ばれる演目「花子」。通常の演目は20~30分の上演時間のものが多いですが、「花子」は1時間の長丁場となるため、演者の緊張が伝わり会場はとても張りつめていました。

前説で、不倫相手である「花子」に会うため、男が妻をだまして会いにいくというあらすじを聞いていたので、ドロドロした人間ドラマが繰り広げられるのかと思いきや、実際はとっても笑えるコメディでした。観客の笑いをとった場面の1つに、「男」が花子に会いに行くため一晩だけ世話役である「太郎冠者(たろうかじゃ)」に身代わりを頼むシーンがあるのですが、浮気の協力を必死に頼む男と、ばれた時の「山の神(妻)」を恐れてなかなか首を立てに振らない太郎冠者のやり取りは、今も昔も変わらない人間のサガをコミカルに描いていました。

上演後挨拶をする大蔵さん

上演後挨拶をする大蔵さん

上演のあとにはバックヤードツアーへ!

今回、国内外のオプショナルツアーをてがけるベルトラを通して参加したため、チケット特典のひとつである、上演の後のバックヤードツアーにも行ってきました。なかなか一般人が見ることができない舞台裏では、演者さんの控え室をはじめ、揚幕、切戸口などが見学できました。

舞台関係者が舞台裏を解説

舞台関係者が舞台裏を解説

現在も手動で行っているという舞台の揚幕(裏側)

現在も手動で行っているという舞台の揚幕(裏側)

おもにシテ(主役)の後見、囃子方(囃子を奏する役)の後見、地謡(謡の合唱隊)の出入りに使われる切戸口

おもにシテ(主役)の後見、囃子方(囃子を奏する役)の後見、地謡(謡の合唱隊)の出入りに使われる切戸口

狂言師「大蔵基誠」さんにインタビュー!

「狂言ラウンジ」をつくられた大蔵基誠さんにインタビュー

「狂言ラウンジ」をつくられた大蔵基誠さんにインタビュー

主役をつとめ、若い世代への狂言普及を目指して「狂言ラウンジ」をつくった「大蔵基誠」さんからマイナビウーマン読者にむけてメッセージをいただきました。

「かしこまったカタチで気負って観るのではなく、普段のデートのような感覚で、『好きな男性と一緒に日本の伝統文化を楽しむ』感じで見にきていただければ。オススメの演目は次回(4月21日)上演予定の「梟(ふくろう)」です!」(大蔵さん)

まとめ

狂言独特の「身のこなし」や「しゃべり方」に戸惑いつつも、すぐに愛らしいキャラクターや世界観に引き込まれてしまうこと間違いなしの狂言鑑賞。「時代を超えても変わらない人間のサガ」に、おもわず一緒に鑑賞している彼との会話も弾んじゃうかも!? 普通のデートじゃ飽き足らなくなったカップルは、ぜひ「狂言デート」をしてみてはいかがでしょうか?

(取材・文:梅津千晶/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2016年02月26日に公開されたものです

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