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さらに進化する炊飯器―「電気炊飯器」あるある

日本人の主食といえば、やっぱりごはん! 最近は土鍋やホーロー鍋でお米を炊くという、ちょっとこだわり派の人も増えてきましたよね。しかし忙しい人にとっては、炊飯器の存在はかなりありがたいはずです。今回は、そんな炊飯器の歴史をご紹介したいと思います。

炊飯器登場以前は……

今でこそ家にあって当たり前、ともいえる炊飯器ですが、炊飯器が世の中に登場するまでは火を使って炊くのが当たり前でした。昔ながらのかまどを使ったり、鍋を使ったりして炊いたわけですが、いずれにしても火の管理が重要。

今だったら、タイマーやガスコンロによる自動炊き機能などがあるので、さほど苦にならないと思いますが、当時の主婦はお鍋の様子や時計とにらめっこしながらごはんを炊いていたわけです。

昭和初期に軍隊で利用されるなど、電気炊飯器の原型といえるものは古くから存在していましたが、一般家庭向けに実用化されるには、それから何年もの月日がかかったのです。

生活を変えた自動式電気炊飯器

その後も各メーカーによる試行錯誤が繰り返され、初めて登場した自動式電気炊飯器は、1955年に東芝から発売されたものでした。これは二重がま間接炊きという方法を採用したもので、外釜に水を入れ、その蒸発で炊き上がりを検知し、自動的にスイッチが切れるというもの。

今わたしたちが使っている炊飯器とはだいぶ使用方法が異なるようですね。

そしてこの「自動式」の登場は、主婦の皆さんの生活に大きな影響を与えました。火加減の管理をしなくて済むのは、忙しい主婦にとって大きなメリットだったことでしょう。さらに、後にタイマーが登場したことで、早起きをしてごはんを炊いて……という生活だったのが、寝ている間に炊き上げられるようになったのです。

空いた時間は、ほかの家事や自分の時間とすることもできるなんて、きっと嬉しかったに違いありません。

しかし同時に、男性からは批判の声もあったとか。当時は「女性は家にいるもの」という考えが根強かったということですね。

さらに進化する炊飯器

当初の炊飯器は、炊くことはできても保温機能がついていなかったため、炊き上がりはおひつなどに移す必要がありました。しかしこれも1967年、三菱電機が保温機能付きの炊飯器を発売したことにより解消。当時は保温機能がついたものを「保温釜」と呼んでいたようですが、いまやそんな呼び方さえ消えてしまいました。

現在ではそれらの基本的な機能はもちろん、ごはんの種類による炊き分けや炊飯以外の調理機能を持つなど、高機能であることが当たり前になりました。しかし、炊飯器の黎明(れいめい)期とも呼べるこの時代があったからこそ、おいしいごはんが手軽に食べられる……たまには、そんなことに思いをはせてみてもいいのかもしれません。

※この記事は2014年10月30日に公開されたものです

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