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日本と比べてどうなの!? ヨーロッパの働く女性の実態「結婚・妊娠」「バカンス」「人間関係」

マダムリリー

会議「ヨーロッパの働く女性は幸せな人が多そう」という漠然としたイメージを持っている方も少なくないと思います。有給休暇が多く残業が少ないヨーロッパの労働環境の良さはよく知られていますが、実際はどんな面が日本に比べてメリットで、どんなデメリットがあるのでしょうか。そこで今回は、ヨーロッパの働く女性事情を日本と比較してみました。
 
メリット1.結婚・出産しても仕事が続けられる

ヨーロッパ女性にとっての労働環境における最大のメリットは、結婚・出産後も変わらず仕事が続けられるという点です。ヨーロッパでは働く女性の環境整備が進んでおり、例えばフランスでは育児休暇を男性にも認めていたり、子どもの人数に応じた家族手当の支給や片親手当、家事代行格安派遣などのサービスも充実しています。政府の定める所定の研修を受けて認可される「アシスタント・マテルネル(ベビーシッター、保育ママ)」が25万人存在し、その利用者には国からの補助があります。
このように法や制度が充実しているからこそ、子どもを理由に仕事を諦めたり、仕事を理由に子どもを諦めるという発想がヨーロッパ女性にはありません。女性がどう自分の人生を生きたいかと考えたときに、結婚も出産も仕事も自分の好きなようにできる社会のしくみがヨーロッパにはあり、生涯働きたい女性にとっては大きなメリットです。
 
メリット2.バカンス

ヨーロッパは長期休暇(バカンス)を認めている国が多いです。日本の祝日とは違い、ヨーロッパの休暇は25日前後でまとまった休みがとれます。日本の祝日のように1年に分散して休みがあると、休みがあっても休んだ気がしないという人も多いです。反対にヨーロッパのようにまとまった休みがあると、仕事に集中すべき時期と休む時期のメリハリができるので仕事の効率は良くなり、精神的にもリフレッシュ出来てまさに一石二鳥です。
バカンスを利用して海外をバックパッカーで廻ったり、短期留学するなど、自己投資の時間にあてている女性もいます。

メリット3.ワークライフバランスを重視

日本人は働き者とよく言われますが、実際にも朝から晩までよく働き、仕事が生活の中心となっている人も少なくありません。しかし、ヨーロッパ人は仕事は“生活”の一要素だという捉え方をしません。しなくてはならない“仕事”よりも優先すべき“生活”があるという価値観が一般的となっているので、就業時間が過ぎればそそくさと帰るのが普通です。残業をすることもありますが、「絶対に必要なときだけ」に限られます。
ヨーロッパの働く女性たちは帰宅後、夜の7時ごろから地域の習い事に参加したり、映画を観に行ったりして、家族や友人との時間をゆっくり過ごします。何となく帰りづらい日本の職場の雰囲気とは違い、個人のプライベートを大切にする価値観が浸透している社会はとても働きやすい環境です。

メリット4.職場の付き合いがない

日本の職場環境と大きく違う点の一つに、上司や同僚との付き合い方があります。ヨーロッパの職場での付き合いはいい意味で、とてもドライ。仕事場での人間関係はあくまでもビジネスの関係だと割り切っている人が多く、プライベートと仕事をキッチリと分けて考えます。仕事の後の飲み会や接待に付き合わされることも基本的にはありません。
ヨーロッパ人は人間関係の充実を職場ではなくプライベートの時間にするべきものと考えています。職場での人間関係が煩わしいと思う人には、ヨーロッパのドライな職場環境はメリットだと言えるでしょう。

デメリット1.専業主婦は肩身が狭い

ヨーロッパの女性は結婚してママになっても仕事をしている人が多い……という事実は、裏を返すと専業主婦が非常に少なく、社会に認められにくいということです。そのため、時間があるのに働きに出ない既婚女性は「なぜ働かないのか?」と問い詰められることも多く、肩身の狭い思いをします。
これは、ヨーロッパの多くの国で「女性が働く権利」を女性たちの起こした市民運動で勝ち取ってきたという歴史があるからです。せっかく働く権利があるのになぜ家にいるのか?、女性も男性と同じように自分らしく生き、社会とつながる権利がある……というのが彼女たちの言い分です。
しかしなかには、仕事はせずに子育てや家庭に集中したいという願望のある女性がいるのも事実です。専業主婦願望がある女性にとってはヨーロッパ社会は生きにくい環境なのかもしれません。

デメリット2.雇用者の負担が大きい

労働者の権利が手厚く守られているヨーロッパ。休みはキッチリと取れ、定時に帰宅でき、滅多なことでは解雇されない欧州の労働環境は夢のようです。しかし、その分のしわ寄せが全て雇用者や管理職にいってしまっているというのも事実。部下が終わらせられなかった仕事を管理職がし、不真面目な社員がいても日本のように切り捨てることはできません。ヨーロッパでは仕事は偉くなればなるほど仕事量が増えるので、給料の額と職場での地位がちょうどいい塩梅になればそれ以上の出世を望まないという人も多いです。

デメリット3.ストライキの弊害

労働者が権利を主張するのが当たり前のヨーロッパではストライキが日常茶飯事です。ストライキのおかげで労働者の権利が守られているという側面もありますが、通勤電車が運休になるなど生活で不便なことも多いです。ストライキを起こせば誰かに迷惑がかかるという考え方はなく、個人の権利を優先します。頻繁にあるストライキは個人主義社会がゆえの弊害とも言えます。

(マダムリリー)

※この記事は2014年10月26日に公開されたものです

マダムリリー

http://www.madameriri.com/

フランスをはじめとする「世界のおもしろい!」と「日本の不思議!」を発掘するサイトです。

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