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水川あさみ×木村文乃、時に敵にも味方にもなる、女同士の関係をリアルに語る!

学校中の人気者で太陽のような存在の“響子”と、ひっそりと物静かな“今日子”。名前の響きは同じだけれど、まったく性格のちがう同級生だった2人を描く傑作ミステリー『太陽の坐る場所』(辻村深月 著)が映画化されました。高校卒業から10年、それぞれの道を歩む2人の“キョウコ”を演じたのは水川あさみさんと木村文乃さん。クラスメートや男子生徒といった周囲との関係から生まれた葛藤が、月日を経ても影を落とす物語の中で、リアルな女性像を演じています。

「私が演じる響子は、高校時代から何も成長してない人。まわりにいた子たちとか、好きだった彼のことにすごくとらわれていて、そこから抜け出したいけど、抜け出そうともしていないし。大人なようで、とっても子どもな人だと思うんです。だから、演じていて悲しいなと思いました。もっと楽に生きたらいいのに、いろいろ思い悩んでいるけど、もっとシンプルなことなんだよ、と思ったりしました」(水川さん)

「逆に、私が演じる今日子は、そういうものに関与されずに自分が思った通りに生きている人です。今日子の目線から見ると、なんでそんな入り組んでいってしまうんだろう、と不思議ではありますよね。でも、響子はある種すごく純粋な人だと思うんです。祭り上げられたから太陽になって、落とされたから暗いところに引きこもって、好きだから引きずって。今日子のほうは、要領よくやれてしまうし、そういう努力をすることもたぶん、苦労にならないと思うんです。純粋に生きることができない分、自分にはない部分が響子にある、とずっと思っていたんでしょうね」(木村さん)

高校時代も、成人して社会人になってからも、互いを妬む感情や、いわゆるマウンティングによるパワーバランスの駆け引きは、見ていて苦しいほどリアルに描かれていて、女性なら誰が見ても胸が痛くなるはず。お2人に女同士のマウンティングについて聞いてみました。

「学生時代、何をしたいとか、何が好きとか、それがある人をすごいうらやましく思って過ごしてきたけど、大人になってから逆にやめました。うらやましく思っていてもプラスになることがあんまりないんですよね」(木村さん)

「私は文乃ちゃんとは逆で、ほんとに好きなこと、好きなことの中でももっと好きなことしかやりたくない人だから、極端なんですよね。ゼロか100しかないような性格だから。そんなふうに思うことはあまりないんです。まわりの人間関係で何かしら感じ取れる部分もあったりしますけど、そう感じた時点で、私は別にどっちでもよくなっちゃう。巻き込まれないようにするというか」(水川さん)

女同士は仲がよくても、ちょっとしたほころびがきっかけで、関係が悪くなってしまうことはあるもの。そんな風に女友だちとうまくいかなくなったときはどう対処しますか?

「そのほころびが、ちょっとでもよくなる見込みがあるなら一緒にいてもいいとは思うんですよ。だけど、どう打っても響かないような人だとしたら、私は別にそばにいる必要はないかなと思います。もちろん努力はしますけど、無理矢理修正させる必要性はないかもしれない」(水川さん)

「すごい仲がいいからって、四六時中仲よくしてなきゃいけないわけじゃないと思います。体調とか気分によって、ひと言が刺さるときもあるし、薬になるときもあるし。短期的な部分で見ないで、いまがこうなだけなんだというふうに、好きな人だったら思うかな」(木村さん)

実は一緒のシーンが少なくて、撮影時はともに過ごす時間は少なかったにも関わらず、互いの話に耳を傾け、楽しそうに笑う2人の息はぴったり。

「私には水川さんが太陽に見えるから、そばにいて、一緒に元気になる」と木村さんが言うと、「ほんとに?」と水川さん。「うん。元気になる」と木村さんが答えると、水川さんは「私は落ち着きますね」と言います。ひとつひとつの問いに対して、返ってくる答えはそれぞれちがうけれど、そのちがいを認め合っている。そんな自然体がとても素敵な2人でした。

●太陽の坐る場所
10月4日(土)全国ロードショー
http://taiyo-movie.jp

(冨永由紀)

※この記事は2014年10月03日に公開されたものです

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