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クレジットカードのサインレス(署名なし)は、上限額がないって本当?

誰もが1枚は持っているクレジットカード。コンビニやスーパーでも使え、ポイントも貯まるので上手に活用しているひとも多いだろう。

レストランでは署名を求められるのに、スーパーだとサインレスで使えるのはなぜか? 「少額だから」なんて話も耳にするが、じつのところ基準はなく、カード会社とお店が相談し、サインレスにするか、上限はいくらまでかが決まる。

もし双方合意のうえなら、レストランでも宝石店でもサインレス決済が可能なのだ。

「伝票にサイン」は、本人確認のため

クレジットカードが誕生したのは1950年で、それから10年後の1960年に日本初のクレジットカードが登場した。大手クレジットカード会社の調査によると、2012年度の日本での保有状況は、

・保有率 … 87%

・平均保有枚数 … 1人あたり3.5枚

・平均携帯枚数 … 1人あたり2.2枚

で、月平均5.3回、4.9万円が利用されている。電気や水道などの公共料金も支払える地域が増え、銀行引き落としから切り替えたひとも多いだろう。

プリペイドカードと異なり、「そのひと」に発行されるため、クレジットカードはたとえ家族でも本人以外は利用できない。そのため一般社団法人・日本クレジット協会では、1996年から業界ルールとして、

利用者

・必ずカードの裏に署名(サイン)する

・近親者であっても、本人以外は利用できない

店舗

・署名のないカードは、利用できない

・売上票のサインと、カード裏のサインを照合する

・会員以外の利用は認めない

と定めている。買い物をしたりレストランで食事をした際にサインを求められるのは、カードと売り上げ票のサインを照合し、同じかを調べる「本人確認」のためで、これが基本形だ。つまり、サインレス決済はあとから生まれた方法で、ルールと照らし合わせると、ある意味で反則ともいえる方法なのだ。

サインレス決済はリスクも大きい

サインレス決済はなぜ誕生したのか? ひとえに利用者の利便性をはかるためで、サインするテマ、支払い時間の短縮が目的だ。

スーパーやコンビニでは提携カードで支払うと、5%オフやポイント2倍などの特典がつくことがある。利用率が上がるのでカード会社としても喜ばしい話だが、時分どきのスーパーではレジに長蛇の列ができるのがお約束だ。

その際に一件ずつ署名を求めていては、待つ客のイライラ感もアップする。もとよりお釣りの要らないカード決済だけに、サインレス化でさらにスピードアップを図っているのだ。

署名のないサインレス決済では、どうやって本人確認するのか? 残念ながらチェックのしようがないので、紛失/盗難カードによる不正利用も発生しやすい。

多くのカード会社では、第三者が不正に利用した場合、その料金は保険でまかなわれるようになっている。つまり、サインレス決済で不正利用されると、カード会社は大損することになる。また、購入した商品を転売して現金化するなど、別の被害も引き起こしてしまう。

そこでサインレスで決済できる上限額を1~3万円程度に定めたり、食料品や日用品などの転売しにくい商品に限定されているのが現状だ。

ただし、もとより例外的な方法なので、上限額も品物もカード会社とお店しだいで決まる。貴金属店でサインレス化も可能だろうが、不正利用がおこなわれると店もカード会社も大ダメージを受けるので、サインレス化しないだけの話だ。

まとめ

・クレジットカードで支払う際は、「署名」するのが原則

・カード裏にも署名が必要なのは、伝票と見比べて本人確認するため

・サインレス決済は、かなり例外的な存在

・第三者に不正利用された場合、保険が適用されるカードも多い

本人確認できないネット通販も、サインレス決済同様に危険がつきまとう。

財布を落としたり盗難にあったら、速攻でクレジット会社に連絡しよう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年09月15日に公開されたものです

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