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【女の嘆き】怒りをまき散らす先輩がストレス→「自分が抱えている価値観を見直してみよう」

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

客先からの電話を切れば舌打ちをする。オフィスの中で上司と言い合いをする。会議室から出てくると物に八つ当たりをする。PC作業にも書類整理にも、ブツブツと文句を言い続ける……。常に怒りをまき散らしている先輩の扱いに、正直なところ困っている。そんな人はいませんか?

この話、なんだか怒りをまき散らす先輩が悪者のようですが、実はそうとも限りません。相手との関係でストレスを感じるときに、ぜひ見直してほしいのは自分が握りしめている“価値観”。以下の3つの例で、どのような価値観が、どのようなストレス状況を引き起こしているかを見ていきましょう。

価値観A「怒りは危険なものだから抑えなければならない」
→自分が怒りを必死で抑えている(正しいことをしている)のに、先輩はどんどん表現している(間違ったことをしている)。その様子を見て苦々しい気持ちになってしまう。

価値観B「怒りは相手を傷つけるために使うものである」
→怒りをまき散らす先輩を攻撃的な人格だと批判する気持ちや、まるで自分が攻撃されているような被害者的な気持ちが生じて、疲れ果ててしまう。

価値観C「嫌なものや、つらいことから逃げてはいけない」
→先輩が怒りをまき散らしている状況を嫌だと思っているが、その場から離れることを自分に許可していないため、緊張感や不快感を募らせてしまう。

つまり、自分の価値観(考え方)が自分を追い込んでいる可能性もあるということ。一般的に、自分を苦しめてしまう価値観の大部分は、親や先生など子ども時代に接した大人から学んで取り入れたものだと言われています。でも、大人になって自己責任で行動できるようになった自分には、もはやそぐわない古い価値観もあるのです。「なんだか妙にストレス……」というときは、必要に応じて古い価値観を見直し、今の自分に合うように書き換えるのも一手。次の項目では、上記のA~Cの価値観をどのように見直していけばよいかをお伝えします。

<女の嘆きへの処方箋>
●価値観Aの見直し例→「怒りは適切に対処すれば安全なものである」
自分の怒りの封印を解くと、先輩に対するネガティブな気もちも軽減するはず。怒りを封印するきっかけの多くは、かつて誰かの強い怒りを浴びて怖い思いをした、もしくは自分の怒りが暴発して孤立したというような体験です。つまり、そのときからずっと、心のどこかで怒りを怖がっているということ。しかし、怒りは適切に対処すればコントロール可能なものですし、我慢に我慢を重ねて思いもよらないタイミングで爆発するよりは、むしろ小出しにするほうが安全です。理性的に気もちや要望を伝えるアサーションという方法もありますので、勉強してみてもいいでしょう。

●価値観Bの見直し例→「自分を守るために必要な怒りもある」
怒りは、はじめから突発的で攻撃的な感情としてわいてくるわけではありません。怒りを感じる前の段階では、「怖さ」「みじめさ」「寂しさ」「報われなさ」などのショックを感じていることが多いもの。このような状況下で、自分を守るための怒りが発生することがあります。このような怒りの表現は、自分に害を与える相手への「NO」のサインとして有効ですし、困難な局面を一時的に乗り切るためのパワーの源にもなり得るのです。

このような考え方をすると、他人の怒りにも理由があることがわかり、やみくもに巻き込まれることが少なくなります。「先輩は、なにやら大変な状況にあるらしい」と客観的なスタンスでいればいいのです。

●価値観Cの見直し例→「嫌なもの、つらいものと距離をとってもよい」
「困難から逃げずに、努力や忍耐で乗り切るべきだ」という価値観は高潔なものですが、人を追い詰めてしまう側面もあります。どんなときも逃げてはいけないのではなく、危険な場所や人、または不毛な状況からは、自分の安全や健康を保つために逃げてもいいのです。

つまり、あなたが嫌だと思うのなら、怒っている先輩から離れた場所へ退避してもいいということ。基本的に自分の感情はセルフコントロールするのが大人のたしなみですから、先輩の機嫌が直るまで付き合ってあげたり、ひたすらデスクで嵐が過ぎるのを待ったりする必要はありません。さっとトイレに行く、飲み物を買いに行くなどして席をはずしてもOK。または、先輩に注目せず誰かを食事に誘う、別の話題を振るなど、自分のペースを取り戻せる方法を試してみて。

いかがでしょうか。紹介したのは、ほんの一例ですので、自分に合った価値観の見直しを試してみてくださいね。

※画像は本文と関係ありません

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2014年08月28日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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