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言うほど猫が出てこないドラマ『やっぱり猫が好き』は今見てもやっぱりおもしろい!

猫こんにちは。テレビレビュアーの光里です。
今回は、昔の懐かしいテレビ番組をピックアップしたいと思います!

近ごろ猫の写真や動画など、人気ですよね。私も昔、長年猫を飼っていたこともあって、つい画像を見てしまいます。そこで、そんな人にぜひチェックしてほしいドラマが! それは、1988年から約3年ほど放送されていた『やっぱり猫が好き』。

……なーんて、ダジャレ的な発想でピックアップしてしまいましたが(汗)、猫が好きでなくてもオススメです(だって、猫は冒頭のアニメとエンディング、ドラマの中でちょこっとしか出てこないので)。コメディが好きな人、何気なく見ていて「ふふふ……(笑)」と笑いたい人はぜひ見てほしいドラマ。

ドラマのスタイルは、アメリカのドラマ『フルハウス』や『フレンズ』、『アルフ』のようなシチュエーション・コメディ。『やっぱり猫が好き』の場合は、長女・かや乃(もたいまさこ)、三女・きみえ(小林聡美)の住んでいるマンションを舞台に、そこへ頻繁に出入りする次女・レイ子(室井滋)を混ぜた恩田三姉妹が繰り広げるちょっとシュールだけどクスッとするストーリーが展開されます。

●見どころ1:三姉妹のキャラが濃すぎる!

かや乃は、何の仕事をしているのか最終話まで不明(!)でしたが、しっかり者の堅物……なはずなのに、あるときは教習所の教官にキレて家で大暴れしたり、またあるときは得意のロシアンダンスを突然披露したり……けっこうお茶目。
そして、レイ子はとにかく自分が得することをしようとしてそれがいつも裏目に出るタイプ。売れない女優だからか、商売しようと大量に取り寄せたキムチの置き場に困って2人の住むマンションに持ち込むもののハエを大量発生させたり……。でも、登場すると場の空気がパァっと明るくなるので、なんだか憎めない人物です。
きみえは、本編途中までテレビの制作会社に勤務。多忙だからか、かや乃に甘え、レイ子とは些細なことで言い合いになることが多い印象。しかも、レイ子に謝るときにわざと「ごめんください」と言ってみたり、末っ子らしい意地を張ることも! けど、桜田淳子とか幸田シャーミンとかその時代に合った得意のものまねを披露したり、レイ子と一緒に突如「マツケンサンバ」みたいなダンスを踊ってみたり、とてもチャーミング!
……というのが三姉妹のキャラですが、ひと言で言ってみんな「濃い」! けど、そこがこのドラマの魅力です。

●見どころ2:三姉妹の誰かに感情移入して見てみるのも◯!

そんなキャラの濃い3人ですが、そのうちの誰かに感情移入して見るとかなり楽しいかも。私はレイ子にどっぷりでした。自分が得しようとするといつも裏目に出る『サザエさん』で言うところのカツオみたいな部分ももちろん好きなんですが、そこではなく突然、みんながわからないような変なことを言ったり、アドリブで言ってそうなセリフの視点が若干マニアックなところにひとりツボに入っていたのです。それで調べてみたら演じている室井滋さんも私と同じO型のひとりっ子! 前から好きでしたがもっともっと好きになりました、室井さんが(レ、レイ子じゃないんだ……)。

●見どころ3:バブル時代を彷彿とさせる服装

メインで放送していたのは1990年前後の作品なので、3人の服装が肩パット入りジャケットだったり、ボディコンっぽいタイトなスーツだったり、真っ赤な服とか……とにかくバブル時代のニオイがプンプンなところも、演じている今のお三方とギャップがあって私はおもしろく感じました。そうそう。ソバージュをかけていたり、前髪のトサカとか……「本当にそういう時代あったんだなー」とシミジミ感じる衣装&メイクが満載です。

ちなみに、今回のために1988年から放送していた深夜時代の作品を収録したDVD『やっぱり猫が好き』と、1990年からゴールデンタイムに放送していたものを収録したDVD『新・やっぱり猫が好き』の計108話を全部見たのですが、その中でも個人的にグッときた回を勝手にご紹介!

「一緒に寝ようよ」

それぞれの事情で3人一緒にリビングで雑魚寝することに。そのとき寝入ったきみえが突然、時代劇調の寝言を言い出し、おもしろいから録音しようと言い出すレイ子。録音しようとしたら黙ってしまったので、かや乃が「近藤さん」、「桂さん」、「西郷さん」と話しかけたら、きみえが、幕末の志士ではなく、近藤正臣、桂三枝(現・桂文枝)、西郷輝彦の真似をする……というストーリー。ものまねがものすごく似ているわけではないのですが、堂々とやっているところを味わっていただきたいです!

「すばらしい日曜日」

優雅な日曜を過ごしている3人。でも上の階の布団が恩田家のベランダに落ちてきたことで、さあ大変! 落とした本人から取りに行くと電話が来たものの、うっかり1Fまで布団を落とし、取りに行ったらカバーにベッタリ油の跡が。シミを取ろうと慌ててカバーを外したら布を破いてしまうし、シミ取り液で濡れたカバーを早く乾かすためにガスコンロを使ったらレース部分が破けてしまうし、挙句にアイロンをかけたらアイロンの跡が! ……というコントでありがちな流れが本当におかしくて、ゲラゲラ笑いたいときにぜひ!

ほかにも、よくそこからそのオチに! と思う「首つった部屋とお猿日記」とか、おバカな設定とおバカなオチの「はまぐりぺぺちゃん」も最高です!

さて、あまりにも作品を一度に見すぎて、エンディングで流れるRCサクセッションの歌う「サン・トワ・マミー」が気づくと頭の中で繰り返し流れています。ドラマの余韻を感じますが、これって本当は失恋ソングですよね? サン・トワ・マミ~♪

※写真と本文は関係ありません

<著者プロフィール>
光里(ひかり)/テレビレビュアー。といいつつ、ドラマ、バラエティ番組以外に映画もウォッチングし、新旧問わずおもしろい作品を探し続けているライター。幼稚園児ながら、『にこにこぷん』よりも『夕やけニャンニャン』のほうが好きだった過去を持つ、アラサー女子。

※この記事は2014年07月17日に公開されたものです

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