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皆に当てはまることをあなただけに当たってるように言う「バーナム効果」―騙される人、騙されない人

様々な情報が溢れている今、それを取捨選択する能力が求められていますが、あなたはこの能力に自信がありますか? 自分が信じている情報も、実は誰かに「信じ込まされている」だけなのかも……! 意外と怖い、情報の「裏側」、バーナム効果について説明します。

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バーナム効果とは……

バーナム効果とは、心理学を利用した会話テクニックの一つ。誰にでもあてはまる事柄にも関わらず、あたかもその人だけに当てはまるように話すテクニックを言います。例えば、「あなたには積極的な一面がある一方で、一人のときには塞ぎ込むこともある」と言われると、「私のことだ!」と思う方も多いのではないでしょうか。

しかし「いつ何時でも積極的な人」など、存在しないはず。多くの人が「外側の自分」と「内側の自分」を持っており、「塞ぎ込むこともある」のは当たり前のことなのです。それにもかかわらず「自分の性格を言い当てられた!」と思ってしまう……この心理こそが、バーナム効果です。

占いでも活用!?

実はこのバーナム効果、現代日本においても、広く浸透しています。血液型占いは、まさにその典型。多くの人にあてはまる事実を血液型別に伝えるだけで、「自分は○○なんだ!」と思いこんでしまうのです。例えば「A型は几帳面で神経質」と言われていますが、「確かにそう!」と思う方もいれば「たまにはそういう面もあるな」と思う方もいるでしょう。

血液型別のコメントをシャッフルしても、「まさに自分のことだ」と感じる方の割合は、さほど変わらないというデータも報告されています。

暗示にかかりやすいのはこんな人!

適度に付き合う分には、占いも良いもの。しかしバーナム効果とは気付かず、ハマり過ぎるのは問題です。バーナム効果とは、いわゆる一つの暗示ですが、実は「ハマりやすいタイプ」が存在します。それはズバリ「自己肯定感の低い人」。

自分に自信がないために、周囲に流されがちで、「あなたはこう」と断定されると、「そうかも……」と受け入れてしまいます。結果的にそれに依存するケースも珍しくありません。バーナム効果で騙されないためには、自己肯定感を高めることも重要ですが、短期間でなんとかできる問題ではありません。

まずはバーナム効果の存在を頭に入れ、「これは本当に自分だけにあてはまっていることなのか」を冷静に見極めるクセをつけましょう。

意外に身近なバーナム効果は、良い方にも悪い方にも使える効果です。バーナム効果で騙されないように注意する一方で、周囲の人に対して、良い方向で実践してみてください。根拠がなくても「今日は顔色がいいみたい。いいことあった?」と伝えるだけで、相手をハッピーに出来ることでしょう。

※この記事は2014年07月17日に公開されたものです

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