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ここまでやる!?ノルウェーの人間寿司ダンスがすごい!「The Human Sushi」

衝撃! 人間寿司ダンスはノルウェー発だった

体にぴったり張り付いた全身レオタード姿で華麗に踊るダンサーたち。彼らが表現しているのは……。

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そう、日本が誇る食べ物、寿司。インターネットやテレビで、少し奇妙で、美しく、そしてユーモラスなこの動画を見たことがありませんか?

その名もThe Human Sushi(人間寿司)。この動画がノルウェーで作られたって、知っていましたか?

それでは、いったい誰が、何のためにこんな不思議な動画を作ったのでしょう。

スーパーや魚屋さんで、「NORGE」のマークがついた魚製品を目にしたことはありませんか? NORGE(ノルゲ)とは、ノルウェー語でノルウェーのこと。漁師と船とフィヨルドがモチーフとされているこのマークは、高い品質が認められたノルウェーシーフードにつけられています。

品質の高さが認められたノルウェーシーフードにつけられるNORGEマーク

ノルウェーシーフードの品質を審査しているのは、政府系組織であるノルウェー水産物審議会です。ノルウェー水産物審議会は、ノルウェーのシーフードを国内外でよりよく知ってもらうための活動をしています。

そんな、「固そうな」組織であるノルウェー水産物審議会が作ったのが、このThe Human Sushi(人間寿司)です。一度見たら忘れられない衝撃的なThe Human Sushiは瞬く間にブームを巻き起こし、世界中に広がりました。

制作に携わった、ノルウェー水産物審議会のランヒルド・ダーレ・ヘーンさんに話を聞いてみました。

―The Human Sushiが、日本でここまでヒットすると思いましたか?

いいえ、ここまで人気が出るとは予想していませんでした。The Human Sushiの動画は、ノルウェー国内市場をターゲットにして作られたものだったので、世界中からこんなに注目を集めるとは夢にも思いませんでした。

―寿司をモチーフにしているのに、ターゲットは日本じゃなかったんですね。

はい。ノルウェー国内の若い層をターゲットに制作しました。

―人間寿司のアイデアはどこから得たのですか?

今まで、家庭でも寿司を簡単に作れるということを広めるために、ノルウェー国内でさまざまなキャンペーンを行ってきました。より一層の注目を集めるために、なにか新しい要素を加えたいと思っていたんです。そこからアイデアが生まれ、動画の制作に至ったというわけです。

―インターネット上の動画には、どのくらいのアクセスがありましたか?

Youtube上では、およそ100万回再生されています。日本ではテレビでも取り上げられたので、かなり多くの方が番組を通じて動画をご覧になったと思います。

―日本のThe Human Sushiファンに一言!

ノルウェーサーモンを食べれば、インスピレーションがわいてくるはず! あなたも人間寿司ダンスを踊ってネットでシェアしてください。ハッシュコードは#humansushi #norwegiansalmonです!

ノルウェーサーモンを食べて人間寿司ダンスを!

ノルウェー国内でのマーケティングに向けて作られた動画が、遠く離れた日本で大ヒットしたとは、制作に携わった人たちもビックリの展開だったようですね。動画は3種類あり、2013年1月にYoutubeにアップされています。

ノルウェー国内で22万回の再生を目標としていたそうですが、ブームはノルウェー国内にとどまらず、世界中で100万回も再生されるという結果に。

実は、ノルウェーでも寿司は大変人気があります。大都市には必ず寿司レストランがありますし、スーパーの鮮魚コーナーではパック詰めの寿司が売られています。

ノルウェー水産物審議会がPRしているように、家庭で寿司を作る人も増えてきており、寿司に必要な材料や道具はどこでも手に入ります。

ノルウェーでも寿司は大人気

ノルウェーも日本も、豊富な水産資源に恵まれている点が共通しています。ノルウェーでは、日本に比べると食用にするシーフードの種類が少ないのですが、魚料理は頻繁に食卓に上ります。

日本でもおなじみのスモークサーモンや、gravlaks(グラヴラックス)と呼ばれる生のサーモンを塩漬けにしたものなど、ノルウェーでも火を通さない魚をよく食べます。そのため、寿司や刺身といった生魚にも抵抗がない人が多いようです。

ノルウェーのスーパーの鮮魚売り場

ノルウェーから日本へは、サーモン、トラウト、さば、ししゃもといったシーフードが輸出されています。ノルウェーの美しい海で育ったおいしいシーフードは、舌の肥えた日本人にも高く評価されています。

シーフードという共通項のあるノルウェーと日本。The Human Sushiが日本人に大ウケしたのも、当然と言えるかもしれませんね。

(文・御供理恵)

著者プロフィール

御供理恵(みともりえ) 東京学芸大学大学院心理学講座修了。ノルウェー人の夫の転勤に伴い、オランダ、ルーマニア、韓国と引越しを重ねる。2010年からは北極圏の町、ノルウェー・アルタ在住。難民受け入れセンターでソーシャルワーカーとして働きながら、ライターとして雑誌・インターネット・テレビなどを通じ、日本に向けてノルウェーから情報発信している。

【webサイト】http://www.arcticrainbow.com/

【facebook】https://www.facebook.com/ArcticRainbow

※この記事は2014年06月02日に公開されたものです

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