専門家に聞く!「数百万円で買える!」という一戸建て物件、ぶっちゃけどうなの?「コスパは悪くないがカスタマイズは難しい」
よく「建物だけなら数百万、土地込みでも1,000万円」といった、超激安の一戸建て物件のコマーシャルや広告を見ることがあります。確かに安いのですが、何か落とし穴やウラがあったりしないのでしょうか? 中堅不動産ディベロッパーの営業マンに、そうした格安一戸建て物件のメリットやデメリットを聞いてみました。
【不動産業者に聞く!家賃はどこまで踏み倒すことができる?】
他の部分で意外とお金がかかる格安一戸建て……
――数百万円の予算で建てられるものや、土地込みでも1,000万円いかないような格安の一戸建てがありますが、あれってどうなのでしょうか? やはり同業者から見ても「安い」と思える金額なのでしょうか?
営業マン 確かにものすごく安いですね。値段のわりにはそんなに悪くないものだと思います。
――同じ業界の人間から見ても、安いと思えるのですか。安いことはうれしいことですが、デメリットもありますよね?
営業マン 当然それはあります。まずは、「全く口出しができない」ことですね。ああいった格安の物件は、設備・仕様や設計プランが決まっていることがほとんどです。決められたものを決められた形にしかしないので、応用が利きません。
――例えば、備え付けの棚の位置をちょっと変えたい、なんてのも無理なのでしょうか?
営業マン 基本的には追加でお金を払えば可能です。あと、格安の一戸建てはあくまで「建物の値段」「建物と土地だけの値段」なので、庭や駐車場などの外構工事は別料金のものも多くあります。塀なども別だったりしますね。
それらの工事でかなり予算が大きくなることもありますよ。地盤が悪い土地の場合は地盤改良費も必要です。
――あくまで建物だけの値段ということなのですね。
営業マン 他には、給水管や下水管、ガス管を引き込む工事も別ということもあります。これも意外と予算が取られるものです。
――どれくらいの金額になるのでしょうか?
営業マン だいたい50-60万円ほど必要ですね。
――けっこうしますね……。
営業マン 建物の値段は安くても、他でけっこうお金がかかったりします。建物にこだわりがない場合はお得といえますが、こだわりのある方にはあまりお勧めはできませんね。網戸やシャッターが設備に入っていなかったり、サッシが結露防止ができるペアガラスではなく単板だったりするので、内容をしっかり確認することも大事です。
――なるほど。やはり安いだけじゃないのですね。
お話を伺ったところ、メリットはとにかく「安さ」の一言のようです。その代わり、「口出しができない」「別途工事に大きな予算がかかる可能性がある」といったデメリットもあるようです。自分の要望にマッチするならともなく、「安いから」と安易に考えるのは避けた方がよさそうですね。
(貫井康徳@dcp)
※この記事は2014年05月01日に公開されたものです