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天体望遠鏡ってどんな仕組みになっているの?

天体観測を始めるにあたって必需品となるのが天体望遠鏡。

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市販で売っている小型のものから、天文観測所に設置しているとても大型のものまで存在しますが、一体何がどう違うのでしょうか。

そこで今回は、構造の違いも交えながら、天体望遠鏡の仕組みについてご紹介したいと思います。

天体望遠鏡の仕組み

はじめに、天体望遠鏡をのぞいたときに天体などの対象物(像)が大きく見える仕組みを説明したいと思います。

皆さんは虫めがねを使ったことがありますか?

虫めがねで本や新聞を読むと文字が大きくなって見えますね。でも、この状態で遠くの景色をのぞいても、ピントが合わないためぼやけて見えるはずです。

それでは、手を伸ばして虫めがねを目から離してのぞいてみると、どのように見えるでしょう。
あまり試したことはないかもしれませんが、このようにすると虫めがねの先にある物は逆さまに見えます。

そして、この原理を組み合わせたのが天体望遠鏡の仕組みです。
まず、近くのレンズ(これを接眼レンズといいます)でその先の景色を拡大した後、ピントが合う位置(焦点)にもう1枚のレンズ(これを対物レンズといいます)を置いて目的の景色を逆さまにすることで、見たい景色が拡大されて見えるわけです。

そのため、多くの天体望遠鏡では、のぞいた先の天体が逆さまに見えることになります。

ちなみに、双眼鏡もこれと同じ原理を使っていますが、双眼鏡の場合は2枚のレンズの間にプリズムを入れて像が逆さまにならないようにしています。
望遠鏡でも同じようにして逆さまにならないようにすることができますが、たとえ逆さまに見えたとしても影響が少ないためそのままにしているケースが多いわけです。

天体望遠鏡の種類

天体望遠鏡には大きく分けて2種類の方式があります。
1つはレンズを利用した「屈折望遠鏡」、もう1つは凹面鏡などの反射鏡を利用した「反射望遠鏡」です。

先ほどご説明した原理をそのまま使ったものが屈折望遠鏡ですが、取り扱いがしやすくメンテナンスも楽なため、一般的に市販されている望遠鏡の多くはこれに該当します。
一般の人が手軽に天体観測をする場合には、この屈折式で何の問題もありません。

一方、反射望遠鏡とは、対物レンズの代わりに取り付けた凹面鏡で集めた光の像をレンズで拡大して見ることができるという仕組みになっています。
市販の天体望遠鏡の中にも、大きな筒の横からのぞくようになっているタイプのものがありますが、これが反射望遠鏡の一例です。

専門家が使っているのはどっち?

2種類の天体望遠鏡をご紹介してきましたが、天文学者などの専門家は、実は屈折望遠鏡をあまり使いません。
それはいったいなぜでしょう…。

最大の理由は、屈折望遠鏡は「色収差(いろしゅうさ)」の影響を受けやすいためです。
「色収差」とは、簡単に言えば、レンズで像を作るときに、光の波長の違いによって生まれる色ずれのことで、これが起こることによって、結果的に色が少し変わって見えたり、像が少しぼやけた感じで見えたりしてしまいます。

そのため、レンズの代わりに色収差の影響を受けない鏡を使った反射望遠鏡を使うわけです。
また、屈折望遠鏡と比べて、大型で高性能な割に安価だというメリットもあります。

とはいえ、デメリットが無いわけでもありません。
外気との温度差がある場合には、その影響を受けて像が揺れてしまうため、使いたいときには事前に外に出してしばらく温度に慣れさせる必要があります。そのため、手軽さという点では屈折望遠鏡に劣ります。

ただ、専門家にとっては取扱いの難しさよりも鮮明な映像を手に入れることの方が重要であるため、反射望遠鏡を使うケースが多いわけですね。

まとめ

ご紹介してきたとおり、天体望遠鏡には大きく分けて「屈折望遠鏡」と「反射望遠鏡」の2種類があります。
もし、これから天体観測をやってみようと思っている方がいれば、それぞれの特徴を踏まえて自分に合った一品を探してみてはいかがでしょうか。

(文/TERA)

著者紹介

小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

※この記事は2014年01月06日に公開されたものです

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