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雑学 生活

孫子の兵法あるある「戦わないで勝とう」「風林火山」

いわゆる「孫子の兵法」とは、兵法書『孫子』のことです。紀元前500年ぐらいに生きた「孫武」という人が書いたとされています。孫子は、兵法書の古典、名著とされ、世界中にその名が知られています。孫子がこれほど高く評価されるのは、それが単に戦争について述べただけではなく、処世術、政治や経営にまで深い考察がされているからだと思われます。

【論語あるある「切磋琢磨は論語が由来」「温故知新には続きがある」】

現在でも、「孫子の兵法に学ぶ○○」といった本や記事があるのは、その内容が普遍的なことを語っていることの証明でしょう。

■戦争は計画的に!

孫子は計13篇から成っていますが、その第一篇は「始計篇」という「戦争準備」について述べた章です。

その始計篇には以下のような文章があります。

●兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず。

戦争は国の一大事、まさに国民の生死、国の存亡に関わることである。慎重に検討しなければならない。

当たり前のことかもしれませんが、これを頭に持ってくるところに著者の深い知性がうかがえます。

■彼を知り己を知れば百戦危うからず

「敵について深く考察し、自分の評価を正しくできるのであれば、戦っても負けることなどない」という意味で、とても有名なフレーズですが、これは孫子の兵法の「謀攻篇」に出てきます。

この後がどう続くかご存じでしょうか。

●……彼を知らずして己を知れば一勝一敗。彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし。

と続きます。

「敵のことをよく知らず、自分を知っている状態なら、戦えば勝敗は分からない(五分五分だ)。敵のことをよく知らず、自分のことも分かっていないなら、戦えば必ず負ける」という意味ですね。

戦争のことのようですが、交渉事に臨むときなどにも、そのまま警句として使えます。何かを判断するときの指針として今でも有用なのが、孫子の兵法の素晴らしいところです。

■「風林火山」は孫子から引用して二つ省いた!?

風林火山というと、日本の戦国大名、武田信玄の旗指物として有名ですが、この風林火山は、もともと孫子から取られています。

孫子の「軍争篇」に、軍隊の行動に関する原則を述べた以下のような文章があるのです。

故其疾如風
其徐如林
侵掠如火
難知如陰
不動如山
動如雷霆

●……「故」は、前段に文章がありますので、そこからの続きで、「~ゆえに」と、この文章につながっています。

風のように速く移動し、
林のように静かで、
火のように激しく攻撃し、
陰のように察知されないようにし、
山のようにどっしりと構え、
雷のように動くのである。

ここから、風林火山を引用したのです。孫子の原文から「陰」と「雷」が省かれていますね。

ちなみに、武田信玄の「風林火山」に関しては、後代の創作ではないかと考える説があります。

■共通の敵に対すると団結できる!

「九地篇」にある有名な文章です。

●呉人と越人と相悪(にく)むも、その舟を同じくして済(わた)り、風に遇(あ)うに当たりては、その相救うや左右の手のごとし。

呉の国の人と、越の国の人がお互いに憎く思っていたとしても、同じ舟に乗っていて嵐に遭ったなら、左右の手のように協力してお互いに助け合うだろう。

より大きな共通の敵に対すると、憎み合っていても人は団結できる、という原則を述べています。「呉越同舟」という四字熟語は孫子から取られています。戦争の話ですが、人間心理についても同じ原則が通用するでしょう。

孫子の面白さは、このような「人間心理」についての考察とも取れるような至言に満ちている点なのです。

■戦わないで勝とう!

●百戦百勝は善の善なるものにあらず。
●戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。

これは「謀功篇」にある文章です。

百回戦って百回勝ってもそれがベストとはいえない。
戦わないで敵を屈服させるのがベストである。

というような意味ですが、これもまた含蓄のある言葉です。著者である孫武は、「戦争というのは莫大な費用が掛かるし、負けたら大変なことになる」と戦争のリスクについて孫子内で力説しています。

呉という国の将軍であった孫武は、戦争のリスク、そしてコストに熟知した人だったのでしょう。戦争のプロであるがゆえに、「戦わないで勝つのがベスト!」と思っていたに違いありません。

いかがだったでしょうか。

孫子の至言、金言を挙げていくときりがありませんが、孫子の面白さに気付いていただけたでしょうか。

もし興味を持ったなら、ぜひ一読してみてください。あなたの迷いを払ってくれる言葉に出会えるかもしれません。

(高橋モータース@dcp)

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