ゴールが近づくと、なぜペースアップするの?「欲求の強さは、目標に近づくほど強い」
スタート時はやる気満々だったのに、しばらくすると息切れしてペースダウン……。でもゴールが見えてきたら、再びやる気に火がついた! そんな経験はありませんか? 今回は、この「ゴールが近づくとペースアップする」不思議なカラクリについてご紹介しましょう。
【簡単に人をやる気にさせる方法「ゴールまでの距離を見せる」】
欲求の強さは、目標に近づくほど強くなる
心理学に、「目標勾配仮説」という用語があるのをご存じですか? 簡単に言うと、「目標に近づけば近づくほど、その目標に価値を感じるようになる」という考え方です。価値が高まると、人はなんとしてもやり遂げようとします。だから途中で「しんどい」「もう無理」と思っていても、目標達成まであと少しだと分かると、急に「よし、最後まで頑張ろう」と力が湧いてくるのです。
このことは、コーヒーを用いた身近な実験でも証明されています。あるカフェで、「コーヒーを10杯飲むと1杯無料」というサービスを提供し、お客さんがどんなペースでコーヒーを飲むかを調べたそうです。すると面白いことに、10杯目に近づくにつれ飲む間隔が短くなることが判明。「1杯無料にしたい」という欲求の強さが、目標達成に近づくほど強くなったことが実証されました。
ゴールが遠すぎると、失敗しやすい
何かを成し遂げようとするとき、具体的な目標を立てるのはとても良いことです。しかしゴールが遠すぎると、道半ばで「難しそうだから、やっぱりやめよう」と諦めてしまう可能性大。だから目標は、達成する姿をイメージできる範囲に定めるのがおすすめです。頑張れば「もう少しで達成できる」と思える目標を設定すれば、意識的にその価値を高めてゴールへ早く到達することができます。
小さな目標を積み重ねるのが、成功のカギ
ゴールが近づくと、ペースアップする。このカラクリを上手に利用すれば、勉強や仕事においても目標を達成しやすくなります。要は、イチかバチかの大きな目標に向かって気合だけで走りだすのではなく、実現可能な小さな目標をいくつも作り、達成を重ねていけばいいのです。例えば、いきなりゼロから「500万円貯めよう」と思っても、なかなか難しいもの。でもそれを100万円、10万円、1万円、と小さな目標に区切っていけば、グッとイメージしやすくなり、最終目標をクリアする可能性も高まります。
「目標を立てても、すぐ挫折する……」という方は、その目標を小さく区切って設定してみましょう。「あとちょっと!」というときにペースアップする力を利用すれば、今まで無理だと諦めていたところまでも、意外とスンナリ到達できるかもしれませんよ。
※この記事は2013年12月04日に公開されたものです