書き方一つで相手の意見を正反対に誘導する方法「フレーミング効果」

人の心を動かすためには、表現方法を工夫することが大切です。全く同じことを言っていても、少し表現を変えただけで商品の売れ行きがよくなったりするんですね。具体的にご説明します。
フレーミング効果
「フレーミング効果」というものがあります。これは、人がある事柄について判断するとき、内容は同じであってもその事柄に対する自分の認識(決定フレーム)によって結果が違ってくるというものです。
例えば、「あと2,000円しかない」という表現よりも、「まだ2,000円もある」という表現のほうが前向きに受け入れやすいですよね。このように、フレーミング効果について理論立てて解説したものを「プロスペクト理論」といいます。
プロスペクト理論と損失回避性
このプロスペクト理論の中で、人はどのように行動するかというのを分かりやすく示しているのが「損失回避性」です。
人の持つ本能である「できるだけ損はしたくない」という心理が、全く同じ内容の言葉であっても、より得に聞こえる方を選択するのです。
これを利用すれば、相手の気持ちを動かしやすくなります。例えば、果物を使ったジュースがあるとします。これを、「果物は半分だけで、あとは砂糖水です」と表現するよりも、「果汁が50%も含まれています」と表現したほうがおいしそうに感じますよね。
店頭に並ぶ商品をよく見てみると、そのような工夫がされている商品がとても多いことに気がつくはずです。
感応度逓減制
「感応度逓減」とは、利益の振れ幅が小さいときには人は一喜一憂するが、利益の振れ幅が大きくなると、それほど心を動かされないというものです。
例えば、家を買うときのことを想像してみてください。普段は100円、200円も惜しいと思う人でも、家という何千万もの金額が動く買い物をしたときには、オプションで何十万もポンと出してしまう人が多いのです。
それは、どうせ何千万ものお金を出すのだから、いまさら数十万をケチっても仕方ないだろうという心理からくるものです。住宅の営業マンは客のこの心理をよく熟知しているので、「ご一緒に浴室乾燥機もつけませんか?」などとうまくすすめてくるのです。
※この記事は2013年10月13日に公開されたものです