「体育の日は晴れやすい特異日」は俗説! 気象庁に聞いてみた
みなさんは「体育の日は晴れやすい」なんて話を聞いたことはありませんか? 晴れやすいから東京オリンピックの開幕日に決まった、なんてうわさもありますが、本当に体育の日は晴れやすいのでしょうか?
また、こうした晴れやすい、雨が降りやすいなど、特定の気候条件になる確率の高い日を「特異日」というそうです。しかし、本当に特異日はその気候になりやすいのでしょうか?
体育の日や、特異日について、気象庁天気相談所の岡田さんに質問してみました。
■特異日は俗説的なもの!
――特異日と呼ばれるものがありますが、これは科学的な根拠などはあるのでしょうか?
岡田さん いえ、科学的には認められていません。たとえば、体育の日であった10月10日はよく晴れる日といわれていますが、実際は雨の場合が多かったりします。単純に東京オリンピックの開会式が行われ、またその日が晴れていたことで、よく晴れるイメージ、または晴れの特異日のような扱いをされていたようです。
――ほかの特異日といわれている日についても、やはり意味はないのですか?
岡田さん 気象学的に意味はありませんので、気象庁でも正式なものであるという扱いはしていません。
――インターネット上では、偉い学者さんが研究をして導き出した、といった文言を見かけますが……。
岡田さん こうした特異日は、かなり昔からある、誰が言いだしたとも言えない俗説的なものです。インターネット上では間違った情報が公開されていたり、間違った情報に対する問い合わせなども多く、困惑することがあります。
――では、晴れの特異日といわれていても、ほとんど当てにならないのですね。
岡田さん 非常に主観的なものですし、全国どこでもその天気ではないですから。扱いとしては「ことわざ」に近いのかもしれません。昔の人の知恵のひとつなのでしょう。
ただ、ひとつの指針として参考にするのならいいと思います。11月3日は晴れの特異日といわれていますが、11月は実際に秋晴れの多い月です。
――おでかけの参考程度に考えるのがよさそうですね。
岡田さん 気象庁のホームページでは過去30年の天気状況を確認することができますから、ある特定の日の天気の傾向を知りたい場合は、そちらを参考にした方がいいかもしれません。
――やはり実際のデータを確認するのが一番でしょうね。
特異日というのは、昔からいわれている俗説的なもののようでした。参考にする程度にとどめておくのがいいのかもしれません。ただ、やはり体育の日は全国で多くのイベントが行われる日ですので、晴れてくれるとうれしいですよね。
(貫井康徳@dcp)
※この記事は2013年10月09日に公開されたものです