世界遺産「熊野古道」あるある!「熊野古道は全部で5つ」「初心者は中辺路」
皆さんは「熊野古道」(くまのこどう)という道を知っていますか?熊野古道とは、大阪府、奈良県、和歌山県、三重県にまたがる熊野三山に通ずる参詣道のことです。
2004年に世界遺産として登録された際に大きな注目を浴びたので、「名前だけは知っている」という人もいるでしょう。今回は、この世界遺産・熊野古道について紹介します。
多くの参拝者が歩いた熊野古道
熊野古道とは、先に述べたように熊野三山に通ずる参詣道の総称です。熊野三山というのは、
・熊野本宮大社
・熊野速玉大社
・熊野那智大社
という3つの神社の総称のことです。
ちなみに、サッカー日本代表のエンブレム(日本サッカー協会のシンボルマーク)に描かれている、ヤタガラス(三つ脚のカラス)は、熊野三山で神の使いとして信仰されています。
昔から多くの人が熊野三山に詣でるために、熊野古道を歩きました。あまりの人の多さに「蟻の熊野詣」なんて呼ばれたこともあったそうです。
さて、そんな多く参拝者が歩いてきた熊野古道は、
・紀伊路……渡辺津から田辺まで
・小辺路(こへち)……高野山から熊野三山
・中辺路(なかへち)……田辺から熊野三山
・大辺路(おおへち)……田辺から海岸線沿いに熊野三山
・伊勢路……伊勢神宮から熊野三山
という5つの道があります。
初心者は中辺路を中心としたコースを……
近年、熊野古道には参拝者だけでなく、ヒーリングスポットとして多くの観光客が訪れ、ウォーキングを楽しんでいます。道が5つもあるだけに、ウォーキングコースも短いものから長いもの、のんびり散策できるものからテクニカルなものまであります。
その中で、「熊野古道は初めて」という人にお薦めなのが、中辺路の発心門王子(ほっしんもんおうじ)から熊野本宮大社まで歩くコース。全長は約7キロほど。急勾配などもなく、歩きやすいコースなので、熊野古道の中でも人気の高いコースです。
また、このウォーキングコースを含む中辺路は、昔から多くの人が参詣のために歩いた道なので、全体的に歩きやすいです。遠くまで歩くのが厳しい人や、のんびりと緑を見ながら歩きたい人は中辺路を中心としたコースを歩くのがいいでしょう。
脚に自慢のある人や、雄大な景色が見たい、という人は、小雲取越(こぐもとりごえ)のコースというのはどうでしょう? 小雲取越は、小口という場所からスタート(バスで小口まで行けます)し、緩やかな勾配の山道を登るコースです。
このコースの一番の見どころは、途中にある「百間ぐら」(ひゃっけんぐら)という視界が開けた場所からの眺望。熊野の美しく雄大な山々をパノラマで楽しむことができます。小雲取越という名前のとおり、雲を越えた高さからの展望は最高です。
他にもいくつものウォーキングコースがありますが、中にはかなり難易度の高いコースもあるので、しっかりと事前情報を仕入れ、準備をして訪れましょう。
初夏の熊野古道は緑がいっぱいで、とても癒やされます。都会の喧騒から離れ、気分をリフレッシュさせたいという人は、一度訪れてみてはいかがでしょうか?
(貫井康徳@dcp)
熊野本宮観光協会
http://www.hongu.jp/
※この記事は2013年07月20日に公開されたものです