できなかった時の考え方「すっぱいブドウ」の心理的効果とは?
イソップ童話のすっぱいブドウは、人間心理を表現している
イソップ童話のすっぱいブドウの話はご存知だろうか。キツネが高い所にあるブドウが食べたくて何度か跳び上がる。しかし、届かない。そして最後には、「あのブドウはまだ青くて食べられないや」と言って去る。これには大きな心理的効果がある。
すっぱいブドウ効果とは?
人間は、くよくよしていると心理的負担が多い。したがって、過ぎたこと、ダメだったことをいつまでもくよくよしながら悶々とするよりも、新しいことに目を向けるほうが精神衛生上よい、という場合が多い。もちろん、大天才や偉人が一つのことにこだわりにこだわる、というシチュエーションは別。あくまでも私たち一般人の話。
精神衛生上よい、すっぱいブドウ
気分転換をするという意味でのすっぱいブドウ効果は絶大。例えば失恋、あるいは就職や受験で自分の希望が叶わなかった場合、それにこだわり続けるよりは、次の段階へ進んだ方が精神衛生上よい、ということは想像しやすいだろう。
失恋時に「あの人とはご縁がなかったんだね」というのが究極のすっぱいブドウ効果。あるいは「あの会社とはご縁がなかったんだけど、結果として今の仕事につけてラッキーでした」と思えるというのがいい。
少なくとも、絶えず過去ダメだったことを引き合いに出してコンプレックスにさいなまれることは避けたいもの。
「塞翁が馬」という言葉があり、落馬して足を骨折していたため、軍役に取られなくて命拾いしたという中国の故事。何が自分によいことをもたらしてくれるかは分からないもの。過ぎたことにくよくよするよりも、現時点でどうするかを考えたり、未来のことを考えた方が自分のためになる場合が多い。
あなたにとってのすっぱいブドウとは?
(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)
著者プロフィール
コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。 http://www.miyamacg.com/ お問合せ先:info@miyamacg.com
執筆協力:石井公一(いしいきみかず 中小企業診断士)
※この記事は2013年07月05日に公開されたものです