当日も翌日以降も考えた4つのビューティレッスン
メイクやスキンケアについての話を聞かせてくれたのは、パーソナルスタイリストの橋本ワコさん。彼女いわく、山メイクの基本は、TPOをわきまえることと紫外線対策を普段の生活以上に意識するということ。ひと手間を加えるだけで与える印象も肌へのダメージも確実に変わるそうです。そのためには、当日だけでなく前後のケアも大切ということで、肌にも評価にも負の遺産を残さないために行いたい4つのビューティレッスンを紹介します。
LESSON1前日も当日朝もとにかく保湿を念入りに!
アウトドアでもっとも気になる肌ダメージいえば、日焼け。しかし、ただ日焼け止めを塗ればいいというわけではく、大事なのは保湿です。水分が足りない肌は、日焼けのしやすい状態になっているだけでなく、シミやシワを増やす可能性も高く老化を進行させます。普段のケアはもちろんですが、野外で紫外線を長時間浴びるときは、前日や当日のメイク前など、なるべく直前にパックをするなどして特に念入りに保湿することを心がけましょう。
パックは保湿成分入りを選び、手で包み込み浸透しやすく
パックは、保湿をうたうものを選びましょう。念入りケアを心がけるため、大容量パックでまとめ売りしているものより、1枚で数百円ぐらいのレベルのものがオススメです。また、パックをしている間は、額やほおを両手で包み込み、成分を浸透しやすくすること。
さらに、パック後(パックが前日の場合は、当日朝のスキンケア)は、化粧水、乳液、美容液できちんと整えること。このとき、それぞれを塗る前に液体を手であたため、肌の温度に近づけることで浸透力がアップします。最後に手のひらで、顔全体をパックするように包み込むことも大切です。
出発をする忙しい朝、面倒に感じるかもしれませんが、手抜くことが40-50代になったときの悲惨な状態の肌を生みますよ。
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LESSON2低地より紫外線が高い山ではUVケアが重要
自然の中にいると、心地のいい風に日差しがやわらいで紫外線対策について怠慢になりがち。しかし、たとえば、山などの場合、標高1000mくらいの低山で紫外線が10%アップするといわれています。紫外線には、皮膚がんや目の病気を引き起こす可能性があるほか、体内の免疫力を低下させることがあります。
さらに、気になるのは最近話題の“光老化”。紫外線の本当のおそろしさは、浴びた直後に赤くなったり、黒くなったりすることではなく、ダメージが蓄積されていくということ。光老化は、浴びる紫外線の強さと時間に比例しており、自然老化に比べてシミ、シワ、たるみが著しく出るといわれています。まずは、きちんと紫外線対策をしてためない努力をしましょう。
ケアの基本である日焼け止めの選びかたは?
紫外線には、A波、B波、C波があり、C波はオゾン層に吸収されて地上に届きません。防ぎたいのは、シミ、シワ、たるみの原因になるA波とシミ、そばかす、炎症の原因になるB波です。保湿を徹底したうえで、日焼け止めを使って対策をしましょう。
日焼け止めは、顔用と体用などの塗る部分や使うシーンによって使い分けることをオススメします。また、日焼け止めには、よく「SPF00PA+」などと書かれていますが、SPFがB波、PAがA波についての表示です。一般的に日焼け止めを選ぶときは、SPFを重視しがちですが、これは、B波によって斑点ができるのをどれぐらい伸ばせるかというもので、SPFの数値が高いからといって日焼けしないわけではありません。それよりもA波のほうが真皮まで届き、後のリペアがしづらいのでPA効果が高い(+の数が多い)ものを選びましょう。さらに、今年からPA表示が変更になり、最高レベルがPA+++からPA++++になりました。トレッキングやキャンプなど野外での時間が多いときは、SPF30-50、PA++-PA++++の範囲で選ぶといいですね。
~橋本さんオススメの日焼け止めを紹介~
ラメ効果で素肌美人に見せられる
化粧下地にも使えて伸びのいい日焼け止め液。保湿成分クインスシードエキス、ヒアルロン酸配合でうるおいもキープできるだけでなく、すっぴんでも明るさと透明感のあるつや肌に見せてくれます。「LJモイストシマーUV」(SPF30、PA++)4,200円/
体用にもOKのウォータープルーフ
3種の植物エキス皮脂によるUVダメージ防御成分、ブライトニング成分、保湿成分を配合したUVミルク。きしみ感や乾燥感のない美容液のようなつけ心地は、顔だけでなく体にぬっても気持ちいい。水や汗、皮脂にも強いウォータープルーフタイプ。「UV&WHITEモイスチャーミルク50+」(SPF50+、PA+++)3,675円/
効果的に塗るコツは?
ミルクやクリームを塗るときは、手の甲であたためてから使うとしっかり肌にフィットして汗崩れしにくくなります。できれば、商品説明に記載されている3倍の量を使うイメージで、右の図を参考にして、日焼けしやすいほおや鼻先には多めに、額はこめかみまで、耳のうしろ、あごの下にも忘れずにきちんと塗りましょう。まんべんなく均一に塗ることを心がけて。
また、塗り終わったら、保湿のときと同じように両手で包み込むように押さえて保湿をしましょう。
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LESSON3やりすぎは厳禁!アウトドアメイクの基本とは?
基本的にはナチュラルメイクにして、力を入れるならベースメイクです。日焼け止めを塗った後に、リキッドファンデーションとパウダー、日焼け止めスプレーを重ねましょう。厚塗りに感じるかもしれませんが、塗り重ねることは、物理的にも紫外線を防止します。日焼け止めやファンデーションを塗るごとに、スポンジで余分な油をとっていけば厚ぼったさはありませんよ。
また、アイメイクは、ウォータープルーフのマスカラ程度に。アイブロウやアイラインを書くなら、指でぼかして自然な感じにしましょう。チークや口紅は、成分によって日焼けを促してしまうことがあるので、SPFが入った色つきリップがオススメです。
野外でもキレイをキープするメイクの4ステップ
1.リキッドファンデーションを塗る
リキッドファンデーションを手であたため、肌の温度に近づけてからゴールデンデルタ地帯(眉の両端と鼻の下をつないだ三角エリア)を中心に塗ります。ファンデーションは、ウォータープルーフでSPF 入りのものが理想的です。
2.スポンジで余分な油を取る
その後、スポンジで顔全体を押さえて余分な油分を取り除くと、汗をかいてもおどろくほど崩れにくくなります。スポンジは、カスカスのものを選ぶとかえって肌にダメージを与えることもあるので、2個500円ぐらいの密度の高いものを選びましょう。
3.パウダーでテカリを抑える
次に、健康的な肌質に見せるために、肌の色に同化するルーセントタイプのパウダーを使います。パウダーには光をはね返す作用もありますが、つけすぎないこと。テカリを抑えるぐらいの量がポイントです。
4.念のための日焼け止めスプレー
仕上げに「日焼け止めスプレー」をふんわりスプレーします。かけた後は、手のひらでやさしく押さえて肌になじませるようにしましょう。
~橋本さんオススメの日焼け止めを紹介~
メイクの上から仕上げの1本
日焼け止めを塗りにくい背中や髪、メイクの上からでも使えるUVスプレー。無色透明で白浮きの心配はなく、べたつきもゴワつきもありません。ウォータープルーフなのにせっけんで洗い落としやすいのもポイントです。「サンカット 日焼け止め透明スプレー(ピュアシャボンの香り)」(SPF50+、PA+++)オープン価格/
かわいく見せつつ保護するリップ
スクワランなどの保湿成分を配合して乾燥しやすい唇を整えつつ、SPF配合で紫外線から守ってくれるリップ。のびのよい色つきテクスチャーは着け心地もよく、唇にほんのり色をつけてかわいらしくみせてくれます。「キールズ リップ バーム SPF15 30G」1,260円/
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LESSON4帰宅後は、しっかり肌を休めてたっぷり保湿を
実は、肌の表面は、魚のうろこのようになっています。アウトドアで紫外線を浴びて、汗をかいた肌は、このうろこがめくれている状態。そのため、クレンジングをする前に、うろこを元の状態に近づけましょう。オススメは、アトマイザーに水と化粧水を半分ずついれて顔にふきかける方法。1-2分放置しているだけで正常な状態に戻り、その後のクレンジングで乾燥しすぎる心配もありません。
また、当日は肌が繊細な状態になっているため、余計なケアはせず肌は休ませること。もし、日に焼けたり、ほてったりしている場合、もっとも有効なケアは、保湿です。翌日以降、肌の状態が落ち着いてきたら保湿をしますが、メラニンは72時間以内にケアするのが鉄則。3日以内に、EGF成分を配合した保湿・美白パックをして肌に潤いを与えましょう。水分やビタミンCをたっぷり補給するとさらにいいですね。
プロがお答え! 山メイクQ&A
Q
アウトドアで日焼け止めを塗り直すときのコツは?
A
日焼け止めは、2-3時間おきに塗り直すことで効果がアップします。しかし、野外でイチからメイクをし直すのは難しいですよね。そこで、オススメなのは、上記でも紹介しているスプレータイプの日焼け止め。1本で顔、体、頭の全身をUVケアでき、短時間で終わらせられます。余分な油を取ってからメイクの上から、首や耳のうしろなども忘れずスプレーしましょう。
ただし、風が強いときに使うと人や食事にかかってしまうこともあります。手に出してから塗るなど周囲への気遣いも忘れずに。
Q
汗をかいても眉を消さないメイク法はありますか?
A
ウォータープルーフタイプのアイブロウを使った上から、透明の眉毛用のマスカラを使うと消えにくいようにコーティングをしてくれます。100円ショップなどにも売っているので試してみてください。
Q
メイク直しにオススメのアイテムはありますか?
A
ベースメイクをする際にも紹介したスポンジです。メイク直しの際は、油とり紙では、必要な油も取ってしまうため、スポンジをティッシュで包んで、顔を抑えるようにして余分な汗と脂だけを取ります。その後に、パウダーと日焼け止めスプレーをしましょう。きちんと余分なものを取ることで、地殻変動のようなメイク崩れは防げます。
また、パンダ目になる心配などはある人は、リムーバーのついためんぼうをもっていきましょう。
Q
キャンプなどで泊まる場合は、どんなスキンケアアイテムをもっていけばいいの?
A
ただでさえ荷物が多いキャンプでは、コスメは最小限にしたいですよね。メイク落としは、ウォータープルーフ用のクレンジングシートを。化粧水や乳液、美容液は、小分けにしたり、すでに小分けされているサンプルなどを持っていきましょう。ファンデーションは、UV効果が高いものを持っていき、二度塗りをするようにするのも荷物を少なくするコツです。
お話をきかせてくれたのは…
橋本ワコさん
Waco styling主宰。パーソナルスタイリスト&メイクアップコンサルタント。上場企業での秘書経験を経て、現在は、パーソナルなファッションアドバイスやさん。メイクアップレッスンを提案したり、レッスンも実施している。自身もアウトドアやスポーツが大好きなのだそう。
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アウトドアなら、心の距離が確実に近づく!?
今回話を聞いたのは、アウトドアでの出会いをきっかけに交際、結婚へ至った数多くの男女を見てきた、アウトドア合コンを企画している「R’s outdoor」。アウトドア合コンは、ほかのお店などで行う合コンイベントに比べても仲良くなる率が高く、実際にイベント後の二次会への参加率やアドレス交換率は、ほぼ100%というからオドロキです。
なぜ、そこまで男女が仲良くなれるのでしょう。そこには、”野外での開放感”のほかに、笑ったり、おどろいたり、ハプニングを切り抜けたりなど、さまざまなことを共有できる一体感があるはず。まるで、子どもが一緒に遊ぶだけで知らない子とも仲良くなれるように男女も仲良くなれるのです。
また、空間の境界線がない野外では、人は無意識のうちに自分たちのテリトリーを作り、保とうとします。そのため、人との距離が心も含めて近づきやすいのかもしれません。
人気があるのはトレッキング、山での出会いは次に進みやすい?
キャンプ、バーベキューなど、アウトドアにもさまざまな種類がありますが、最近、男女ともに人気が高いのがトレッキングなどの簡単な山登り系なのだそう。「R’s outdoor」でも、参加募集をかけるとすぐに予約で埋まってしまうのだとか。
しかも、参加者は、山登りに興味があったり、これから趣味にしたいと考えている人が多いので、山や山グッズにまつわるネタが話題の糸口になったり、次のデートにつなげるための口実になるのだそう。
しかし、女性や人間として悪印象を与えては、つながるものもつながりません。アウトドアシーンで人気を集める女性について下にまとめてみました。
アウトドア恋愛見届け人に聞いたモテ山ガール七の掟
1.ファッション、メイクは、ほどよくカジュアルに
街では普通に見えるメイクも自然の中では、浮くので注意。ナチュラルメイクでネイルも抑えめ、周囲が汚さないか気を使うので白い洋服も避けましょう。ただし、カジュアルといっても生活感が出まくりなのはNG。
2.会話ベタは”明るく笑顔で元気よく”で切り抜ける
何といってもアウトドアシーンで人気を集めるのは、明るく、よく笑い、楽しそうにしている女性。バーベキューでは、よく食べ、よく飲むことも魅力になります。うまく話せない、会話に参加できないときも、とにかく明るい笑顔でいればよし!
3.出しゃばらず「手伝いましょうか?」がベスト
キャンプでのテント設営やバーベキューでの調理など、どこまで手を出すべきか迷いますよね。仕切りすぎるのもひかれるし、何もしないのもいかがなものでしょう。ベストは、働く男性に「手伝えることあるかな?」と声をかけるぐらいの積極性なのだとか。
4.気になる彼の保護者にはなるべからず
気になる彼のそばにいたいと思うのが恋心。しかし、彼も自由に動き回りたいアウトドアでは、ずっと隣りにいられてもひかれるだけ。飲み物や食事を取ってあげたり、かいがいしくお世話もしてもマイナスの印象しか与えません。
5.いろんな人に話かけて恋の種まきを
誰とでも明るく楽しく話している姿を意外と男性は好意的に見ています。1カ所にとどまるのではく、自分から動き回っていろんな人に声をかけましょう。特に男性がキュンとするのが、バーベキューで黙々と肉を焼いているときに、笑顔で乾杯をしにきてくれる女性。それだけで、結構意識してしまうみたいですよ。
6.女性同士で固まらず、話しかけられるスキをつくる
参加者全員が親しい友達の場合はさておき、基本的に男性は、女性の群れが苦手。話しやすいからといって、女性同士で固まっていると、チャンスを逃し続けることになりますよ。
7.開放的な気分でもNGフレーズに注意する
開放感があり、しかもお酒が入ると、つい余計なことを言ってしまいがち。たとえば、慣れない作業をする男性に対して「慣れてないですね」「ほかの人に代わってもらえば」というのは、相手を傷つけるだけ。また、登山中に息が切れている男性に「運動不足じゃないの?」と指摘したり、トレッキングが趣味という男性に「その割には、筋肉ないよね。体が丸いよね」と言うのも最悪です。
アウトドアで出会ったり、結ばれたカップルは、きっとその後も2人の共通の趣味にしていけるはず。結婚すれば夫婦で、子どもができれば家族でと、アウトドアが恋愛成就のきっかけとしてだけでなく、人生を通して大切な人との結びつきを強くしてくれる趣味になるといいですね。
お話をきかせてくれたのは…
R’s outdoor
現在、会員数約2万人を有するレクリエーション合コンサークル。バーべキューやウォーキング、トレッキングなどアウトドア系のイベント合コンをはじめ、フットサル、話題の心理ゲーム「人狼」イベントなども企画しています。
(執筆:浜田彩、イラスト:吉岡ゆうこ)