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ただ愛されたかった。その想いが最後にたどり着くのは……

この役を演じるって言わなければよかった
そう思うほど、精神的にきつかった

 

美しくなりたい。女性なら誰しもが抱く願望を、究極の形で突きつめた『モンスター』。原作は、『海賊とよばれた男』が2013年本屋大賞に選ばれた百田尚樹さんの同名小説。女の本質ばかりか、男の愚かさ、傲慢さまでも見据えた辛辣な物語は、女性を中心に圧倒的な支持を受け、30万部を突破するベストセラーとなりました。

しかし、脚本より先に原作を読んだという高岡さんは、「主人公に対してまったく共感できる点がなかった」そう。だからこそ、「むしろおもしろいなと思いました」とも。

「自分がけっして体験しえない人生がそこにある、ということが魅力的でしたね。読んでみて思ったのは、私が演じる美帆(和子)は、数奇な運命をたどった人だなぁということ。原作では、彼女が整形をしていく過程が細かく描かれていましたが、私自身は整形にそれほど興味があるわけではありませんでしたから、客観的に読み進んでいったように思います」

本作では、バケモノと呼ばれた高校時代から、非の打ちどころのない美しさで男を惑わす姿までをひとりで演じ切り、愛を求め続けた女の心の叫びをリアルに体現。特に醜い姿の特殊メイクは数時間にも及ぶほどで、あまりのバケモノぶりに、高岡さん自身「演じているときは、精神的にとてもきつかった」と言います。

「最初は和子が高校生だったころから撮りはじめたんですが、特殊メイクの完成図を見せてもらったときから『この役を演じるって、言わなければよかった』と思うくらい嫌でした。特殊メイクを担当する江川さんとは19歳からのお付き合いですが、思わず『これ、ひどすぎない!?』と言ってしまうくらい。あそこまでのメイクをすると、気持ちまでも暗くならざるをえなかったですね。和子の人生は、とてもつらく、屈折しているのですが、メイクをするだけで彼女の気持ちになってしまいましたね」

>>>美醜よりも自分の内面を見てほしい。だけど、……

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