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行動が理解不能!? 『ゆとり世代』の新人との上手な付き合い方

忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いのはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!

4月は新たな出会いの季節。新入社員が入社し、フレッシュな風がに入ることで、職場の雰囲気もガラリと変わりますよね。しかし、世代がちがえば価値観もちがうもの。「電話が鳴っていてもとらない」「忙しくても必ず定時に帰る」「周囲の空気を読まない」「上下関係にゆるい」など新人の態度にイライラしてしまうこともしばしば。でも、がみがみうるさい先輩にはなりたくないし、せっかく入った新人だからきちんと指導して成長もしてもらいたい。では、いわゆる『ゆとり世代』の新人とは、どんなふうに付き合っていけばいいの?

最近はみずから「私、『ゆとり世代』ですから」と、できない自分や調和をとらない自分を全面に出し、他者にある特定の印象を与えるために自己を操作する『印象操作』をしてくる人が増えています。印象操作の影響により「こういう子だからしょうがない」という意識が刷り込まれてしまうため、職場でのコミュニケーションが難しい相手として『ゆとり世代』は大きく取り上げられてしまいます。ただ、『ゆとり世代』と言ってもさまざまなタイプがあり、それぞれのタイプによって接し方もちがってきます。

まずは、積極性が低く、従順で真面目、何でもネットに答えがあると思っている、ネット依存タイプの新人。彼らは、頼まれた仕事は真面目に正確にやりますが、言われないと動かず、主体性、積極性に欠けています

「本当の自分のよさ」や「自分がやりたいこと」がまったくわかっていないため、大きな目標を持たせたり、期待している言葉をかけたりすると、彼らは負担を感じてしまいます。まずは彼らの目の前にあることをひとつずつクリアしていくことで仕事に充実感を持たせ、自分にしかできないものを見出せるような環境作りを一緒にしてあげることが大事です。そして、その積み重ねにより、小さな成長を自分で実感できるように働きかけてあげてください。

次に、『ゆとり世代』と言われることへ反発心があり、上昇志向の強い負けず嫌いタイプの新人。彼らは、マイナス評価を得たくないために等身大の自分以上に見せようとして、自己犠牲をはらい無理をしてしまう傾向があります

失敗に対しての恐怖心が強く、プライドも高いため、彼らは根本的に自信がありません。小さな失敗を積み重ね、心に抵抗力をつけさせることで、失敗に対しての過敏な面を和らげてあげる必要があります。失敗することが「みっともない」「格好悪い」という思い込みを捨てさせ、「新人だからこそ失敗してもいい」と伝えてあげてください。また、損得や他人の評価ばかりを気にしてしまう傾向があるため、長いスパンで焦らずに物事を見ることができるように指導してあげてみてください。

最後に、「がんばっても報われない」「仕事は生活のために仕方なく続けている」というプライベート優先タイプの新人。彼らは、自分の個性が大事で、ルールを守ることが苦手です。自分の意志を尊重したいという思いが強く、自分の主義主張を通そうとします。

こういったタイプには、職場の人間関係を面倒に感じ、人との繋がりの大切さや人に感謝されることを知らない人が多く、対人関係への抵抗感が強い傾向があります。何気ない日常の中で「ありがとう」「ごめんなさい」など心の通った会話をすることで、人と関わることに温かみを感じられるように接することが大切です。また、様子を見ながら何か夢中になれそうな仕事を与え、その取り組み方を認め、自信や信頼関係を深めることに繋げてみましょう。

また、間違ったことに対して直球で指摘をすると出社拒否をしてしまうこともあります。そのため「そういうやり方もあるんだね。こういうやり方もやってみたらどうかな?」と相手の意見を受け入れつつ、正解へと導くような工夫をしましょう。もちろんただ甘やかすのではなく本来やるべきことを伝える必要があります。はっきりこちらの意見は伝えますが、先に相手を受け入れることで反抗的な気持ちが和らぎます。ある程度の信頼関係ができてきたら反感覚悟で強く怒ってもいいかもしれません。基本的に、人間関係に抵抗感がある人は、本心では人と関わりたいと思っているんです。人と関わりたいけれど上手に関わることができないために逃げてしまっているのです。

フレッシュな新入社員だからこそ、関わり方ひとつで仕事も人間関係も円滑にすることができます。みなさんの愛情が伝わりお互いに過ごしやすい職場になると、より仕事の効率も上がりますよ。

『ゆとり世代』の新人との接し方
  • ネット依存タイプの新人には……
    大きな目標を掲げるのではなく、目の前にある仕事への充実感、達成感を感じさせる
  • 上昇志向の強い負けず嫌いタイプの新人には……
    失敗することへの恐怖心、抵抗感を無くす言葉をかける
  • プライベート優先タイプの新人には……
    「ありがとう」「ごめんなさい」など日常の会話を通してコミュニケーションをとる

心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)

幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。

※この記事は2013年03月26日に公開されたものです

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