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初めての一人暮らしにかかる費用は? 物件選びや引っ越しの「節約ポイント」

#令和のマネーハック

丸山晴美

高橋千里

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、丸山晴美さん。

今回のお悩み「一人暮らしを始めるための初期費用を貯めたい。目安はどれくらい?」

春から一人暮らしを始めたいと思っているのですが、引っ越しってどのくらい費用がかかるでしょうか? また、今まで実家暮らしだったので、毎月の生活費にどのくらいのお金が必要なのかイメージができていません。初期費用と生活費の目安を教えてください。(20代中盤/IT関連)

一人暮らしの物件選び。節約のポイントは?

まずは、一人暮らしの物件選びから。初期費用と家賃について見ていきましょう。

一人暮らしの家賃と初期費用

家賃は手取り月収の3割程度までが理想です。手取りが18万円だとすると、家賃6万円を目安にして物件を選びましょう。

初期費用は、関東の場合は物件価格に対して敷金1〜2カ月分、礼金1〜2カ月分、仲介手数料1カ月分が相場となっています。最大で家賃の5カ月分くらいの金額がかかると思っておいた方がいいでしょう。

例えば月の家賃が6万円の物件だと、敷金12万円(2カ月分)、礼金6万円(1カ月分)、仲介手数料6万円(1カ月分)に前家賃を合わせて、契約時に合計30万円を支払うことになります。

ほかにも、契約時に連帯保証人をつけず、賃貸保証会社を利用する場合、初年度分が家賃の0.5~1カ月がかかります。他にも鍵交換料として2〜3万円かかったりすることも。つまり、月6万円の部屋を借りる場合50万円ほどの予算を持っておくとよいでしょう。

お得な不動産屋・物件の選び方

「敷金・礼金0」を謳う物件もありますが、敷金は退去時の修繕・クリーニング費用(原状回復費用)にもなるので、敷金が設定されている方が安心です。礼金は、そのまま大家さんへお礼として支払うものなので、退去時に戻ってくることはありませんが、敷金は家賃の滞納分や借主に責任がある損傷の修理費などを差し引いて、残った敷金は戻ってくるものなので、あった方がよい費用と言えます。また、原状回復義務やその費用については後々トラブルになることもあるので、それらの費用が発生する基準をしっかり説明して契約書に記載してくれる不動産屋が安心ですし、借りる側があらかじめ確認しておくことも大切です。

結果として、同じ2カ月分の家賃を支払うのであれば、礼金0、敷金2カ月分がお得と言えるでしょう。

初期費用で節約しやすいのは、仲介手数料。物件や不動産屋にもよりますが、交渉次第で0.5カ月分にまで下げられる場合もありますし、中には仲介手数料がかからない物件もあります。

また、1〜3月は引っ越しシーズンで物件が流動的でゆっくりと探すことができないため、急ぎでなければ閑散期の7~8月、11~12月にゆっくりと選ぶのもおすすめ。特に7~8月は初期費用や家賃の交渉もしやすい時期と言えるでしょう。

ほかにも、家賃2カ月分が無料になるといったフリーレント物件もあるので、チェックしてみてください。その場合は他の物件よりも値段が高くはなっていないかもチェックしてみると、家賃に上乗せされているかどうかも見分けることができます。

引っ越しにかかるお金。節約のポイントは?

次に、引っ越しにかかるお金をチェックしていきましょう。

お得な引っ越し業者の選び方

初めての引っ越しなら荷物もそこまで多くはないと思うので、長距離かつ少量の荷物を安価で運ぶ「コンテナ便」がおすすめです。ただし、荷物の到着に時間がかかりやすいのと、すべての引っ越し業者で取り扱っているわけではないので、注意してください。

引っ越し先までの距離が短ければ、運送業者の「赤帽」もおすすめ。軽トラックに乗るものであれば、家財全てを素早く運んでくれます。無料で転居先まで軽トラックに同乗することもできるため、交通費の節約にもなります。ただし、荷物を運んでくれるのは玄関から玄関までで、ダンボールなど梱包資材も自分でスーパーやドラッグストア、コンビニなどからもらい、荷造りも全て自分でする必要があります。

友達に手伝ってもらうのもいいですが、床や壁にキズを付けて、原状回復義務が発生してしまったり、お礼にご飯をご馳走したりするなど、よけいにお金がかかることも。

お得な家具・家電の選び方

どういった物件を選ぶのかによっても、必要な家具・家電が変わってきます。一気にそろえるのではなく、まずは最低限の家具・家電や寝具からそろえましょう。

エアコンは物件についている場合があるので、冷蔵庫・照明・電子レンジ・洗濯機・炊飯器・掃除機くらいでしょうか。また、一人暮らし用の家電は数点セットでお得に売られていることもあるので、チェックしてみてください。

大きい家具・家電を購入したら、新居に直接届けてもらいましょう。配送に時間がかかることもあるので、引っ越し日に合わせて余裕を持って購入、配送予約をするのがベストです。また、引き渡しの基本は「玄関まで」です。組み立て済みの大型家具を玄関前に置かれて、中への搬入はできないと言われ、運ぶのに大変な思いをしたという話もあります。洗濯機や冷蔵庫などの大物の家電や1人では組み立てや搬入が困難な大型の家具は、有料でも設置・配線・組み立てまでお願いしましょう。

家具の組み立てもお金はかかりますが、1人で工具もままならない状態で組み立てるのは、なかなか骨の折れる作業です。特に大型の家具の場合、組み立てまでお願いすることで早く、綺麗に組み立ててもらえます。通販業者などではオプションサービスが付いているものを選ぶとよいでしょう。

毎月の生活費の相場と内訳は?

手取り収入が18万円だとすると、家賃6万円、生活費10万円、貯蓄2万円という振り分けがベスト

生活費の中では食費がメインです。できるだけお米を中心にした自炊をして、まとめてお肉を買ったら下味をつけて冷凍にするなど、自炊がラクになるテクニックを覚えるとよいでしょう。また職場には自作のお弁当やお茶を持っていくなどして節約すれば、3万円くらいに収められると思います。

そのほか、日用品代はコンタクトレンズを使用していないのであれば、シャンプーやトイレットペーパーなどで2,000円程度。公共料金は一人暮らしだと高くても1万〜1万5,000円。通信費は格安スマホにして数千円。部屋にWi-Fiがついているのであれば1,000円くらいで済むことも。ただし、部屋のWi-Fiによっては回線速度が出ないと言ったケースもあるので、場合によっては新たに違う業者と契約する場合もあるでしょう。

交際費・美容費・服飾美容費は、自分次第でいくらでも節約できます。最低限、食費・日用品費・公共料金・通信費は確保しておいて、趣味にかけるお金は優先順位を考えつつ、抑えていくようにしましょう。

令和のマネーハック92

一人暮らしの節約は不動産・物件選びから! お得に引っ越しをして、自分の収入に見合った節約生活を心がけましょう。

(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe

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