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節分とは? 豆まきのやり方や節分の食べ物も紹介

節分とは、立春・立夏・立秋・立冬の前日のこと。特に、立春前日の2/3頃を指す場合が多いです。本記事では、2月の節分について時期や由来、豆まきをする理由を解説。また、豆まきのやり方や豆まき以外にやること、地域で異なる節分の文化も紹介します。

節分には家で豆をまくイメージが強いですが、どうして豆をまくのでしょうか?

今回は、節分について時期や由来、豆まきをする理由を解説。また、豆まきのやり方や豆まき以外にやること、地域で異なる節分の文化も紹介します。

節分とは

節分は、季節の移り変わりを把握するために設けられた暦の1つ。立春・立夏・立秋・立冬の前日を意味し、特に立春の前日を指す場合が多いです。この記事では節分を立春の前日として説明を進めていきます。

節分はいつ?

節分は、毎年2月3日頃。立春は年によって変わるため、2月2日や2月4日になることもあります。

ちなみに、2023年の節分は2月3日(金)、2024年の節分は2月3日(土)です。

節分の由来

旧暦では春からが新年とされていたので、節分(=春分の前日)は今でいうところの大晦日にあたります。

昔は季節の分かれ目の中でも年の分かれ目に邪気が入りやすいと考えられており、邪気払いのために節分の行事が行われるようになったといわれています。

節分に豆をまく理由

節分と言えば豆まきを思い浮かべる人が多いでしょう。では、なぜ節分に豆をまくのでしょうか。理由には諸説ありますが、ここではその理由とされるもののうちいくつかを紹介します。

(1)中国の宮中行事が伝わったから

昔の中国では、大晦日に大儺(たいな)という邪気祓いの行事が行われていました。この風習は日本にも導入され、宮中で行われていたそうです。

時を経るうちに、鬼を払う役割の方相氏(ほうそうし)が鬼として扱われはじめ、今の節分のように鬼を追い出す行事になっていったと考えられています。

そして、いつのまにか豆をまく儀式が登場し、やがて庶民にまで広がりました。

(2)霊力があると信じられていたから

大豆には、魔除けなどの霊力があると信じられていました。

神社などでお米をまいているのを見たことがありませんか? これは散供(さんぐ)というお祓いで、お米の霊的な力をもって悪い霊を追い払おうとする儀式です。

豆をまくのにも散供と似たような意味合いがあり、まいた場所が清められると考えられていました。

(3)語呂合わせから

「魔(ま)を滅(めっ)する」「魔目(まめ=鬼の目)を滅ぼす」といった語呂合わせから、「豆(まめ)」をまくと良いとされてきた、という説も。

「魔目を滅ぼす」の語呂合わせについては、「毘沙門天のお告げに従い、人々が豆を炒って鬼の目に投げつけ、撃退した」という言い伝えがあります。

(4)中国の医書に記述があったから

中国の医書『神農本草経』に、「豆は鬼毒を消して痛みを和らげる」との記述があったことから、豆をまくようになったともいわれています。

当時、豆は疫病や風邪、厄落としなどに効果があるとされていたようです。

節分の豆まきのやり方

節分の豆まきには、邪気を払い、家の中を清めるための作法があるとされています。地域によって作法は異なりますが、ここでは豆まきのやり方の一例を紹介します。

(1)豆は「炒り豆」を使用する

豆を炒らずにまくと、豆から芽が出て良くないことが起こるといわれています。そのため、豆まきには炒り豆を用意しましょう。

スーパーなどで売っている節分用の豆は炒ってあるので、その炒り豆を使うのが簡単でおすすめです。

(2)豆は豆まき直前まで神棚に祭る

豆まき用の豆は、神棚に祭ると霊力がアップすると考えられています。そのため、豆まきの直前まで神棚に祭っておきましょう。神棚がない場合は、南の方角に置いてもOKです。

(3)豆は夜にまく

鬼が訪れるのは夜の時間帯だといわれているため、豆まきは夜に行いましょう。ただし、夜に豆をまくのが難しい場合は、昼に行っても構いません。

(4)家長が豆をまく

家長が豆をまくのが習わしとなっています。ただし、家内に年男や年女がいる場合、その人に任せるのも吉です。

(5)「鬼は外! 福は内!」と大きな声で唱える

鬼に聞こえるよう、大きな声で「鬼は外! 福は内!」と唱えましょう。

厄払いをするための作法としては、窓や玄関を開けて「鬼は外」で豆をまき、まきおわったら鬼が入ってこないようにすぐ閉めます。

「福は内」と唱える時は、奥の部屋から玄関に向かって豆をまくのが一般的です。

(6)まき終わったら年の数だけ豆を食べる

豆まきが終わったら、1年間無病息災でいられるように願いを込めて豆を食べましょう。

新しい年の厄を払う意味合いがあるため、満年齢より1つ多い数え年の数だけ豆を食べることが多いようです。

豆を食べきれない場合、福茶(梅干し、塩昆布、豆3粒を入れたお茶)にするのもおすすめです。

節分で豆まき以外に行うこと

「節分=豆まき」のイメージが強い人は多いでしょう。しかし、節分には他にも慣習があります。

(1)恵方巻きを食べる

恵方巻きを食べるのは関西発祥の風習といわれています。節分をお祝いし、商売繁盛を願って食べられていたようです。

恵方巻きの「恵方」とは、その年の福徳をつかさどる神様がいる方向のこと。恵方を向き、恵方巻きを切らずに1本丸ごと食べると、幸運を逃さず手に入れられると考えられています。

(2)魔除けに柊鰯(ひいらぎいわし)を飾る

「柊鰯(ひいらぎいわし)」とは、焼いた鰯の頭を柊の枝に刺したもの。「焼嗅(やいかがし)」「鰯柊」「柊刺し」などとも呼ばれます。

鬼は、鰯の生臭い臭いと柊のとげが苦手だと伝えられており、柊鰯を玄関に飾ることで邪気を追い払えるとされているのです。

ちなみに、鰯や柊に限らず、臭いの強い物やとげのある物は魔除けに良いといわれています。

(3)節分そばを食べる

12月31日の大晦日に年越しそばを食べるのと同じように、節分そばを食べることもあります。あまり知られていない風習ですが、昔は日本全国で行われていました。

今は節分そばの風習はあまりメジャーではなくなりましたが、まだ長野県や島根県を中心に節分そばが食べられています。

地域によって異なる節分の風習

節分の行事としては豆まきが全国的に浸透していますが、地域によっては豆まきの掛け声が異なったり、豆以外の物をまいたりすることもあるようです。地域によって節分の風習にどのような特徴があるのか、一部ではありますが紹介します。

(1)鬼を追い払うのではなく招き入れる

群馬県の鬼石地域では「福は内、鬼は内」が節分の掛け声となっています。

この地域には「鬼が投げた石で町ができた」という言い伝えがあり、「良い鬼もいる」という考えから、鬼を招き入れているのです。

また、紀伊半島・伊勢志摩半島では、昔地域を納めていた領主の名前が「九鬼(くき)」だったため、「鬼は外」と言えませんでした。そのため、節分では「鬼は内、福は内」と唱えるようになったといわれています。

(2)豆ではなく落花生をまく

北海道や東北、信越地方など雪の多い地域では、大豆ではなく落花生をまくケースがあります。雪が積もっているところに大豆をまくと見つけにくく掃除が大変ですが、殻に入ったままの落花生なら大きくてすぐに見つかるから、といわれています。

また、雪の多さに関係なく、九州や広島といった落花生の産地周辺では、生産量の多さから落花生を用いる場合が多いようです。

(3)けんちん汁を食べる

けんちん汁とは、根菜やこんにゃく、豆腐などを炒めてしょうゆベースの味をつけた汁物のこと。節分にけんちん汁を食べる習慣は、主に関東地方で見られます。

けんちん汁は、2月最初の午(うま)の日に行われる稲荷神社のお祭りで振る舞われており、同じく寒い時期の節分にも食べられるようになったようです。

(4)豆を使って天気を占う

豆を使って次の年の天気を占う地域もあります。これは岡山や佐渡などの風習で、まず豆を炉の灰の上に12個並べます。

それぞれの豆に1月、2月……と月を割り当て、「豆が白くなったら晴れ」「黒く焦げたら雨」「転がって落ちたら強風」といったように、天気を占います。

(5)こんにゃくを食べて体の中の邪気を追い払う

体の中の毒素を追い出す「砂おろし」という習慣が残っている地域も。

砂おろしとは四国地方に多く見られる風習で、節分にこんにゃくを食べること。節分は邪気を払うものなので、それと同じように体の中の悪いものを出すためにこんにゃくを食べるようになったようです。

(6)豆まきをしない

沖縄県は1945~1972年の間アメリカに統治されていたこともあり、本州と異なる文化が根づいています。節分についても本州と異なり、沖縄には豆まきの文化がほぼありません。

ただし、幼稚園や保育園などでは、日本の文化を学ぶために豆まきを行うところもあるようです。

節分の由来を知って春を迎えよう

今回は、節分の由来をはじめ、豆まきのやり方や地域別の風習などについて解説しました。節分の由来や各地の風習を知ることで、節分という行事を身近に感じられるようになったはず。

「季節を分ける」と書いて節分です。節分が過ぎると、春が訪れるといえるでしょう。節分の日には豆まきで邪気を払い、春を迎えてくださいね。

(律)

※画像はイメージです

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