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水沢アリーのアップデート論。夢をかなえるためにしたい“簡単な1ステップ”

【特集】この春、私をアップデート

ミクニシオリ

新年度が始まるこの季節、今年はようやくマスクもとれた本格的な新生活を過ごせそうな予感。そんな今、私たちができることって? 新しい趣味? 新調すべきアイテム? 幸せをつかむための開運?――マイナビウーマン編集部が読者にこの春に提案したい「私のアップデート術」をお届けします。

取材・文:ミクニシオリ
撮影:渡会春加
編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部

春、新生活の季節。別れを経て新たな人々、新たな環境と出会うこの季節は、環境や人間関係、そして自身の変化を受け入れるタイミングでもあります。また、コスメや服も春めいて、いつもとは違う自分になってみたい気分になることも。

でも……やっぱり、今の自分を変えるのって少し勇気のいること。もっとかわいく、もっとすてきな女性になりたいけど、私なんかがそんな夢見ていいの? そんな風にぼやいていたら、アプデ人生を満喫している水沢アリーさんがこんな助言をしてくれました。

「変化するのが怖いのは当たり前。だけど夢をかなえるためのコツは、変化した自分をポジティブに想像することだよ!」

まるでシンデレラのように、自分が愛せる自分に向かってアップデートを重ねていく水沢アリーさん。彼女のアプデ人生を掘り下げていたら「変化を恐れない自分のつくり方」や「OL的アプデ人生の楽しみ方」も見えてきました。

アップデートを公表して、自己肯定感が高まった

――水沢さんが初めてお顔をアップデート(整形)したのは、14歳の時でしたよね。その時の心境を教えてもらえますか?

私にとっては、生まれ持った自分の容姿をありのまま受け入れることが難しかったんです。あの時はまさに「新しい自分」になりたくて、ありのままを受け入れられない自分も肯定してあげたくて、一歩踏み出した時でした。

でも当時は「アップデートしちゃったら、前の自分には戻れないんだ」ということに、不安を感じることもあったので、皆さんの不安もすご〜くよく分かります。

――その不安って、どのように解消されていったんですか?

実際にアップデートしてみたら、自分の事を少し受け入れる事ができたんです。そして不安の先には、超えてみないと見えない新しいステージの世界があることを知りました。

うちは両親もすごく理解があって、私が毎日理想の二重を作るために、1時間近くかけてアイプチのプッシャーでまぶたを押している姿を見て「なぜそこまでするのか」と何度か問われました。

両親には「これは自分には譲れないポイントなの」ということを説明して、両親はそんな私を受け入れてくれて……。両親と壁打ちをしているうちに、私自身が自分の知らなかった部分に気がついて、自分の『好き』という気持ちを尊重してあげるようになりました。

――ご両親は「整形はダメ!」と頭ごなしに否定するのではなく「あなたはどうしたいのか」と問いただしてくれたんですね。

当時はまだ整形が当たり前の時代ではなかったので、私らしさを受け入れてくれた両親には感謝しています。

――最近では、アップデートを世間にも公表したことで話題になりましたよね。

公表するまでは「きっと叩かれる」って怯えていたし、言うのに勇気は必要でした。でも公表したことでさらに自分を受け入れられるようになったんです。

というのも、びっくりするくらい肯定的な意見が多かったんですよ。「勇気を持って告白してくれたんだね」という声が多くて、世間の人って事実を隠されていることに違和感があるのかもとも思いました。みんな自分が思ってるより優しいなと(笑)。

――アップデートは、勇気を持って公表した方が生きやすいと思いますか?

私の場合は言ったらすごくスッキリしました。友人も「そこ触れて良いんだ!」という感じで色々質問をしてくれるようになったり人に言いにくい相談をしてくれたり、より親密な関係を築ける機会が増えました。打ち明けたことで周りが良い意味で変わりましたね。

でも、言ったことでさらに人目が気になるタイプの人もいると思うので、一概にどっちの方が良いとは言いづらいですね。

――彼氏や旦那さんにどこまで伝えるべきかを悩んでいる話もよく聞きますよね。

私は親しくなりたい相手ほど言いますね。そこを一つ基準にしているというか(笑)。

人の美しい・良い部分を愛する事(好きになる事)って誰にとっても簡単じゃないですか。その人と親しい人になれるかどうかは、独特な部分とか短所に思えるところを、どう思い合えるかだと思うんです。それで離れていく様なら、早かれ遅かれ私とは合わないな……となると思うので、猫を被りすぎないように気をつけています。

ありのままを好きになってもらえるとすごくうれしいし、自己肯定感も上がります。それに、自分がさらけ出してみると、案外相手も弱い部分を見せてくれて、すぐに仲良くなれるんですよね。相手に好かれたいから言わないのだとしたら、その「好かれたい」という気持ちが自分をどんどん弱くしちゃうとも思います。

リスクヘッジだけじゃ、何も変わらない

――ちなみに、やってよかったアップデート、やらない方がよかったアップデートはありますか?

何が良くて何が良くないかは美的価値観次第なので一概には言えないのですが、私から言えるのは、トレンド的なデザインは時代によって変わってしまうので、トレンドとは別で自分にとっての理想を追求しながらアップデートすることが大切だということですね。

私の場合は、鼻のコンプレックスが無くなってから、自分のことがとっても好きになりました。だから、やってよかったのはコンプレックスだった鼻のアップデートかな♡

――女性はどうしてもトレンドが気になることも多いと思うので、自分の理想を追求するのは難しそうですね。

二重幅とか涙袋とか、時代が変わると流行が変わっていくものは、プチ整形で作るのもおすすめです。そうすれば元の自分に戻ることもできるので、トレンド顔は楽しみつつ自分の理想の設計図をしっかり追っていくバランスを保つのが大切じゃないかなあ。

変えたものを戻す方が大変なので、どう足し算するかは色々調べて、自分でたくさん考えてみるのがいいと思います! とにかく業者(医者)のリサーチですね!

――アップデートにはある意味リスクもつきものだと思うのですが、水沢さんはどのようにリスクと向き合っていますか?

私もリスクのことはよく考えるんですけど、リスクを取らないと変われないのかなとも思うんです。私自身、若い頃はリスクも何も考えていなくて、思いつきで芸能界にも入りました。つらいこともあったけど、だからこそ今の自分があるし、後悔はしていません。

でも、大人になるとどんどんリスクが怖くなるじゃないですか。リスクを見ないフリするのは難しいけど、私はやってみないと分からない世界があることも知ってる。

だから、頑張って挑戦する自分を選んでいます。そっちの方が本来の自分らしい、とも思っています。リスクを知りながらできる限りの防御策を練って、「えいっ」って敢えて飛び込むのが好きです。

――アップデートできるかどうかは、自分の勇気次第ということなんですね。

挑戦が失敗だったとしても、その時に自分に合わない事やノウハウを知ることができたことに大きな意味があると思います。その経験を生かしまくって成功と思えるまでやり続ける!(笑) アプデ情報は口コミでいっぱい載ってるけど、皮膚の厚さや顔の造形、整形の回数でそれぞれ結果は変わります。

なので自分の理想の大きな家を建てるつもりで、とにかく設計士(医者)の方と設計図を見せながら何回も擦り合わせをするんです。自分の皮膚の感じは、症例写真のどの人に近いのか?、「ここを細く」と言ってもどこまでの細さ・カーブで細くしていくつもりか? といったように、設計士と「これでもか!」とデザインの擦り合わせして、理想の設計図に近づけています。アートを作っているみたいで楽しいですよ(笑)。

「今の自分じゃヤダ!」そう思ったらアプデのタイミング!

――アップデートする前と、した後の自分を比べて、一番変わったことってなんだと思いますか?

一番変わったのは、“心のアップデートの大切さ”に気がついた事です。

アプデ前は見た目のアプデにしか興味が無かったのですが、外見を変えた事で自分を好きになる「心」をアプデしないと、外見が変わっても何も変わらない事に気がつきました。私は鏡を見た時に、心の中で自分に優しい言葉をかける練習を未だにしています。

それと、『好きな外見で生きてもっと自分の人生を楽しもう!』というマインドを周りにオープンにしてからは、身の周りにいるのはありのままの私を受け入れてくれる人だけになりました。

そういう人って私の個性を大事にしてくれるし、自分の個性も大事にしている人が多いんですよ。だから日々が刺激的だし周りの優しさ・思いやりへの感謝や尊敬も増えて、より自分の個性を満喫できるようになりました。

――ありのままの自分を好きになるって、当たり前のことのようで、少し難しいなとも感じます。

『ありのまま』を『生まれたままの自分』と捉えるなら、私はそれができない人間です。

私は、『自分を好きになれる自分に変えてしまう』人間。そんな自分こそが自分らしい、『ありのまま』の自分だと考えています。

何か美しいと思えない物や場所を美しくしたり、自分好みにデザインを変えたりすることが昔から好きなんです。

人の目線より“自分はどうありたいか?”を大切に、一般的な枠を超えてしまっても自分らしくいる、ありのままでいることをなるべく最優先して生きています。

――自分らしくいる、ありのままでいることにコツはありますか?

自分らしくいられる場所に、身を置いてあげること。『〜が好き』っていう気持ちや、自分らしさって才能だと思うので、生かさないまま死ぬなんて自分の才能に失礼だと思うんです。

なので、自分の身を個性の価値が最大化する場所に置いてあげるのは自分にしかできない大切な役割。そんな場所が見つけられないなら、好きな事が思いっきりできる場所を自分で作るんです!

とはいえ、生きている中で自分を通しにくいシチュエーションってありますよね。例えば、私は仕事の真面目なシチュエーションにいる時は、コスプレをしている気持ちなんですよ。そこでは、ビジネスマナーをちゃんとして、相手のやり方に腹立つ事なんてしょっちゅうだけど、相手の意見に合わせてみたりもする。でもそれはビジネスコスプレで、自分らしい自由で枠をはみ出しがちな本来の自分は別で待機してる(笑)。

ありのまま自分を表現してそれが生きる場所では自分らしさ爆発! という感じでしっかり自分を表現できる場所や機会を生活の中でいくつか持つようにしています。YouTubeもその一つです。それが、ありのままの自分を守ることにもつながっています。

――水沢さんの話を聞いていると、すごくポジティブで人生経験が豊富だと思うのですが、ありのままでいることは誰にでもできることなのでしょうか。

フォロワーさんたちにもよく「アリーちゃんだからできるんだよ」って言われるんですけど、私は絶対そんなことないと思うんです! 私はただ、いろんなことを自分に都合よく考えているだけなんです。

リスクを見据えて、挑戦しないのも一つの生き方。だけど「そんな自分でいいの?」って問いかけた時に「イヤだ!」って思ったら、それは変わるチャンスなんです。変化して自分の夢をかなえる方法は、今の自分でいい理由を探すのではなく、すてきに変わった時の自分を想像することなんです。

リスクを見据える人は「こうなったらどうしよう……」って考えていると思うのですが、「上手くいったらどうしよう?(どうなる?)」って考えると、そっちに引き寄せられる気がします。

――水沢さんにとって『アップデート』とは何かを教えてください。

昨日の自分より今日の自分の方が新しいし知ってることも多いから、“日々の変化”と“アップデート”は人間にとって当たり前で自然なことですよね。だから私にとってアップデートを続けることは『生きること』であり『アート』です。

「人生はアートだ!」と言った人がいますが、まさにそんな気分で(笑)。自分の人生を彩るために、自分の外見を自分好みにアップデートする。何も変わらないでいるのは、生きている上で不自然だし、とにかく自分好みに変化させる事が好きな私にはなくてはならない手段です。

私にとってのアップデートは、手をかけた以上その変化を自然の流れに任せ過ぎず、時代や自分好みの方向に合わせてデザインや変化の速度を調整して創り上げていくアート、そのアートで人生を楽しむ。アートなので、見た人の心の状態で見え方は変わると思っています。そう捉えると何を言われても傷つきにくいです(笑)。

――最後に、これから“アップデート”を考える読者にメッセージをお願いします!

自分の理想の方向へ踏み出すには、心の声を聞いてあげてください。そうならない(なれない)理由も言ってくると思いますが、それも自分の頭が作り出しているただの想像で言い訳です。

子どもの頃みたいに、「〜になりたい!」「〜になる!」っていう自分の気持ちをただ肯定してあげるだけで、一つアップデート完了です。

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