ダージリンはどんな紅茶? 味の特徴やおいしい飲み方を紹介
ダージリンは「紅茶のシャンパン」とも呼ばれており、日本人にとっても馴染みのある紅茶の1つです。今回は、そんなダージリンの時期による味の違いや、おいしい飲み方について詳しく説明します。特徴を理解することで、よりおいしくダージリンティーを楽しむことができますよ。
日本でも有名なダージリンは、ペットボトルの紅茶や、ティーバッグなどでも人気です。日頃から目にする機会は多いのではないでしょうか。
ダージリンは収穫の時期によって3種類に分けられており、その種類によっておすすめの飲み方も異なるなど、知れば知るほど奥深い紅茶です。
そこで今回は、ダージリンの特徴や他の紅茶との違い、おいしい飲み方を紹介します。この記事を読めば、ダージリンがもっと好きになるはずですよ。
「ダージリン」とは
紅茶の中でも日本人にとって馴染み深い「ダージリン」について解説していきます。
ダージリンは世界三大銘茶の1つに数えられる紅茶。収穫時期によって香りや味が異なります。
ダージリンの特徴
「紅茶のシャンパン」とも称される「ダージリン」は、インドの東ヒマラヤ山麓に位置するダージリン地方で収穫されます。
ダージリンの茶樹が植えられているのは、標高2,000mの高地から谷底に至る傾斜が急で険しい斜面です。昼と夜の寒暖差が、独特の香りや味わいを作り出しているといわれています。
時期によって味が違う
ダージリンの生産期は3~11月まで。収穫時期は3つに分けられており、各シーズンによって味も香りも異なっています。
3~4月:春摘み(ファーストフラッシュ)
3月から4月にかけて収穫される茶葉は「春摘み(ファーストフラッシュ)」と呼ばれています。
若葉のような香りとさわやかな渋み、淡いオレンジ色の水色(すいしょく)という特徴を持っています。茶葉本来の香りが楽しめる「ストレートティー」がおすすめです。
5~6月:夏摘み(セカンドフラッシュ)
5月から6月に収穫される茶葉は「夏摘み(セカンドフラッシュ)」と呼ばれます。夏の日差しをたっぷり浴びて育った夏摘みは、味・コク・香りが特に優れているという声も多い一品。
マスカットを口に含んだような「マスカット・フレーバー」と呼ばれるさわやかな香りをストレートティーで楽しむのがおすすめです。
10~11月:秋摘み(オータムナル)
10月から11月に収穫される茶葉は「秋摘み(オータムナル)」と呼ばれます。
冷たく乾いた秋の気候によって、成分が茶葉に凝縮され、甘いダージリンになります。しかし春摘み、夏摘みに比べるとやや渋みも感じられるため、「ミルクティー」で飲むのもおすすめです。
他の紅茶との違い
紅茶にはたくさんの種類があります。いくつかの種類は知っていても、「それぞれがどう違うのかは分からない」という人も少なくありません。
ここでは、数ある紅茶の中でも良く知られている「アールグレイ」と「アッサム」の、「ダージリン」との違いを説明していきます。
ダージリンとアールグレイの違い
ダージリンはインドのダージリン地方で収穫される茶葉であることから「ダージリン」と呼ばれています。
しかしアールグレイは、産地名が名称になった紅茶ではありません。「アールグレイ」は柑橘類の実であるベルガモットの香りを人工的につけた「フレーバーティー」の一種です。
茶葉の種類は問わないため、ダージリンの茶葉で作られた「アールグレイ・ティー」という商品もあります。
ダージリンとアッサムの違い
ダージリンとアッサムは、どちらもインドで収穫される茶葉ですが、収穫される地域や製法、味や風味、おすすめの飲み方などが異なります。
ダージリンは、ダージリン地方で収穫される茶葉の銘柄で茶樹の品種は中国種が多いです。
また、一般的に、茶葉本来の個性を引き出すオーソドックス製法で作られており、マスカット・フレーバーとも呼ばれる格別な香味があるため、ストレートティーで楽しむのがおすすめです。
一方アッサムは、栽培に最適な気候をもつインド北東部のアッサム地方で収穫^される紅茶。
多くは専用の機械を使ったCTC製法で作られており、適度な渋みと力強いコク、芳醇な香り^を持ち合わせているため、ミルクティーにするのがおすすめです。
ダージリンのおいしい飲み方
ダージリンのおいしい飲み方をご紹介します。以下の3つの方法を参考にして、好きな飲み方を見つけてみてください。
基本は「ストレートティー」がおすすめ
ダージリンには特有の香りがあるため、その香りを堪能できるストレートティーで飲むのがおすすめです。
春摘みでは、爽やかで若々しい風味とほど良い渋みを感じることができます。そして夏摘みでは、スッキリとした飲み心地と、マスカットフレーバーの爽やかな香りを楽しむことができるでしょう。
ストレートティーの入れ方
ダージリンは、蒸らす時間でも味が変化します。自分のお気に入りの時間を見つけてみましょう。
・3分間蒸らす場合:香りと甘みを強く感じる
・4分間蒸らす場合:香りとコクのバランスが良い味わいになる
・5分間蒸らす場合:しっかりとしたコクと渋みを感じる
また茶葉で入れる場合は、カップに注ぐ前にティーポットの中で紅茶を上下に混ぜ、濃さを均一にしましょう。混ぜすぎると渋みが出てしまうので、軽く1〜2回混ぜるのがおすすめです。
「ミルクティー」には秋摘みを選ぼう
ミルクティーにする場合は、秋摘みがおすすめです。秋摘みのダージリンは、凝縮された味と強い渋みがあるので、ミルクとの相性も抜群です。
ミルクティーの入れ方
ミルクティーにする場合は、ストレートティーで飲む時よりも蒸らす時間を少し長くしましょう。しかし、長く蒸らしすぎると、渋みが強くなってしまうので注意してください。
また、ミルクで紅茶の味が薄く感じる場合は、蒸らす時間で調節するのではなく、茶葉の量を増やして紅茶自体を濃くすることをおすすめします。
「レモンティー」にはアイスがおすすめ
ダージリンにレモンティーはあまりおすすめできません。
ダージリンの特徴である「マスカットフレーバー」が感じられなくなるだけでなく、レモンの酸味で渋みを強く感じやすくなってしまうからです。
それでもレモンティーとして楽しみたい場合は、アイスティーにするのがおすすめです。渋みを抑えた、さっぱりとした味わいとなります。
ダージリンを楽しもう
ダージリンは収穫する時期によって、異なる香りや味を楽しむことができる紅茶です。ストレートティーで香りを楽しんだり、ミルクティーにして渋みを味わったりと、さまざまな飲み方や入れ方を試してみましょう。
ぜひ自分のお気に入りのダージリンを探してみてください。
(髙橋めぐみ)
※画像はイメージです