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「価値観」の意味は? 恋愛や仕事での価値観の違いと対処法

秋カヲリ

価値観とは、「何にどういう価値を見出すか」という判断基準のこと。価値観の違いや押しつけは、恋愛や結婚、仕事においてトラブルにつながることもあります。今回は心理カウンセラーの秋カヲリさんに、価値観の違いへの対処法を紹介してもらいます。

「価値観が合わない」という理由で別れるカップルが多いように、価値観が違いすぎると恋人関係はもちろん、友達関係にもヒビが入ることがあります。

価値観の違いで大切な関係が壊れてしまわないように、どんな問題が起きるのか、どうすれば対処できるかなどを解説します。

「価値観」って何? なぜ違いが生まれるの?

まずは「価値観」という言葉が持つ意味を見ていきましょう。辞書には、以下のように記載されています。

かちかん【価値観】
物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断。
(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり価値観とは、その人が物事をどう感じるか、どう判断するかの物差しであるといえます。

「価値観」といっても恋愛観・結婚観・仕事観・人生観などさまざまな価値観があります。

恋愛観・結婚観なら「30歳までには結婚したい」、仕事観なら「効率よく働いて定時に帰る」、人生観なら「自分がやりたいことをやる」など。その価値観は、人によって全く違います。

何を良しとするかは、その人の生まれ育った環境や性格、趣味嗜好などによって違いますし、年齢やその時の状況、環境によっても変化します。

そのため、一概に「良い価値観」「悪い価値観」と判断できません。

ただ、価値観はその人の判断軸であり譲れないポイントにもなるので、あまりに価値観が違うとそれが「悪い価値観」でなくても不仲や別れにつながることがあります。

恋愛における価値観の違い

まずは、恋愛でよく生じる価値観の違いや、それが原因で起こる問題について紹介します。

連絡頻度についての価値観の違い

LINEなどでメッセージを送り合う頻度についての考えも、恋愛関係において大事な価値観になります。

よくあるのが、「一方はこまめな連絡を欲しがり、もう一方は必要な時だけ連絡する」というもの。

こういったすれ違いを防ぐには、お互いに求めるレベルを事前に確認して、連絡頻度についてもルールを決めておくと安心です。

お金の使い方についての価値観の違い

生活を共にしていない未婚のカップルでも、金銭感覚の違いがあるとデートの満足度が下がることがあります。

どちらかはある程度お金を使って特別な時間を楽しみたいと思っていても、片方は節約して今後に備えたいと考えていたら、相手のお金の使い方に対して不満を感じます。

また、どちらかが浪費家だった場合「これでは長く付き合っていくのが不安だ」「同じ家計で生活できない」と別れるカップルは少なくありません。

金銭感覚はそれぞれの収入によっても変わるので、円満な関係を築くにはお互いの懐事情も把握して、無理のない範囲で歩み寄る姿勢が求められます。

食生活についての価値観の違い

恋人とは一緒に食事をする機会が多く、同棲したり結婚したりすれば日常的に同じ食卓を囲むようになります。

食の好みや回数、食事スタイルなどの食生活における価値観が違うと、日々ストレスを感じるようになり、不仲につながることも。

どちらかが自宅で一緒に食事したいのに、どちらかは飲み会などの外食が好きだったり、食の好みが合わずなかなか同じメニューを食べられなかったり、また食事の時間帯がバラバラだったりと、さまざまなすれ違いパターンが考えられます。

相手の価値観を尊重しつつ、「この日は2人で食事をする」など無理のない範囲で一緒に食事を楽しめるような方法を考えてみましょう。

結婚についての価値観の違い

「何歳で結婚したいか」「子どもは欲しいか」などの結婚観の違いは、恋愛の大きなハードルになります。

たとえ恋愛観は合っていても、結婚観となると男女の違いが浮き彫りになることが多いです。

女性は出産のことも考えて結婚を急ぐ人もいますが、仕事で忙しい男性は結婚を急がないといったパターンは恋愛あるあるです。

結婚観の違いを受け入れるには、自分が何を優先したいか決めて取捨選択しなければなりません。ここでうまく歩み寄れるかどうかが、今後の2人の関係の分かれ目になります。

子育てについての価値観の違い

結婚観が合っていても、子育ての価値観が合わずにすれ違いの原因になることもあります。

特に子どもが就学する前までは育児の負担が大きいため、うまく分担ができないと2人の関係にひびが入るといったことも考えられます。

また、就学後もどんな子育てをしたいかによって育児の方法が変わるので、そこの価値観がズレていると不満が生まれる原因になります。

仕事における価値観の違い

恋愛に続いて、ビジネスの場面でよく生じる価値観の違いと、それが原因で起こる問題について解説します。

ワークライフバランスについての価値観の違い

職場では仕事優先の人からプライベート優先の人まで、さまざまな人が働いています。

同じチームで別の価値観を持っている人が働いていると「なんでまだ終わっていないのにこんなに早く帰るのか」「どうして何時間もの残業を強要するのか」など、お互いに不満を感じることもあるでしょう。

特に忙しい職場だと余裕がなくなり、トラブルが起きがちです。

同僚との距離感についての価値観の違い

同じ職場の同僚であっても、「あくまでビジネスにおける人間関係だ」と距離感を保つ人もいれば、チームメイトとして近しい距離で接したがる人もいます。

お互いに心地良いと感じる距離感が違う場合は、距離感が近すぎる、あるいは遠すぎると不快感を抱くこともあるかもしれません。

友達関係における価値観の違い

続いて、友達関係でよく生じる価値観の違いと、それが原因で起こる問題について紹介します。

時間や約束についての価値観の違い

会う約束をしても頻繁にドタキャンしたり、時間に遅れたりと、友達関係では真面目な人とルーズな人との価値観の違いが浮き彫りになります。

最初のうちは笑って許せても、何度も約束を破られるうちに信頼関係がなくなってしまい、疎遠になったり険悪になったりすることもあります。

友達関係では価値観の押しつけも起こりやすい

友達関係だとそれなりに距離感が近く、対等な立場で話すため、人によっては価値観を押しつけてしまうことがあります。

例えば「やっぱり女は35歳までに結婚しないとね」と結婚観を押しつけてきたり、「仕事優先でプライベートがおろかになるなんて不幸じゃない?」と仕事観を押しつけてきたり。

こうした価値観を一方的に強要されると、自分を否定されたように感じることもあるでしょう。

特に価値観の違いを受け入れられずに「それじゃダメだよ!」とダメ出しするような友達だと、ストレスがたまりがちです。

価値観が合わない人への対処法2つ

それでは、価値観の違いでぶつかったらどう対処したら良いでしょうか。ここからは、価値観の違う人へのおすすめの対処法を紹介します。

(1)価値観の違いを受け入れる

人によって価値観は違って当然なので、できれば「人は人、自分は自分」と考え、相手の価値観をいったん受け入れるのがベターです。

一緒に暮らしているなど、どうしても価値観をすり合わせなければならない場合は折衷案を探す必要があります。

しかし、お互いに干渉せずに行動できるようなら無理に価値観をすり合わせなくても問題ありません。

「私はこうするけど、あなたはそうするんだね」というように、相手の価値観を否定せずに受け入れれば、揉めることなくお互いを肯定できます。

(2)話し合って折衷案を探す

無理やり相手の価値観を変えようとするとけんかの原因になり、うまくいきません。まずは話し合ってお互いの価値観について知り、何を大切にしているかを知りましょう。

その上で自分の価値観についても話し、お互いに譲歩して折衷案を探してください。

「ここは譲れない」「これならできる」というように話し合っていけば、折り合いがつくことも多いです。

価値観の違いは優劣ではなくそれぞれの個性

価値観の違いはただの個性であり、優劣ではありません。自分と違う価値観だからといって否定せず、まずは「あなたはそうなんだね」と受け入れる姿勢を持つのが大切です。

最初は相手の価値観への抵抗があっても、きちんと話を聞けば納得できるポイントがあったり、参考になる考え方が潜んでいたりします。できれば会話してお互いの理解を深めましょう。

(秋カヲリ)

※画像はイメージです

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