「ネットイナゴ」の意味とは? 使い方や例文・類語、問題点を解説
インターネットでは、特殊な用語がネットスラングとして定着しやすいもの。SNSやネット掲示板なんJやTwitterなどで見かける「ネットイナゴ」も、ネットスラングの1つです。しかし、見ても正確な意味が分からないという人も多いでしょう。そこで今回は、「ネットイナゴ」の意味や例文などを解説します。
「ネットイナゴ」の言葉の意味自体は知らなくても、日常生活でネットイナゴを見かけた経験があるのではないでしょうかかもしれません。
炎上していると話題になっているブログや掲示板は、ネットイナゴの被害を受けているかもしれません。
今回はそんな「ネットイナゴ」という言葉について、意味や例文を紹介します。
「ネットイナゴ」とは?
まずは「ネットイナゴ」という言葉の意味から確認してみましょう。
言葉の意味を知れば、どんなものかすぐ頭に思い浮かぶはずです。
「ネットイナゴ」とは「集団で大量のコメントを書いて荒らすこと」
インターネット上のブログ記事や掲示板の書き込みに対して、大勢で大量のコメントを書き込む集団が「ネットイナゴ」です。
書き込みをされたブログや掲示板は「炎上」と呼ばれる状態に陥ります。
書き込みの内容は、事実無根のうそ・憶測・批判などさまざまです。投稿を消しても攻撃が終わるとは限りません。
「イナゴ」とは昆虫の「蝗(いなご)」のこと
ネットイナゴという言葉に含まれる「イナゴ」とは、昆虫の「蝗(いなご)」を表しています。
集団でコメントを書き込むさまが、イナゴが田畑の作物を食い荒らす「蝗害(こうがい)」を彷彿とさせることから、「ネットイナゴ」と名づけられたといわれています。
ネットイナゴには、特定のグループがあるわけではありません。ブログや掲示板にある不適切な表現に対する指摘や反論などから自然発生し、規模が拡大します。
数が増えてくると集団心理が働き、書き込みの内容が激化していくのが特徴です。
書き込まれているデマを真に受けて激しい怒りを覚え、攻撃的な書き込みをする人も少なくありません。その結果として、執拗に書き込みが繰り返されてしまうケースもが多々見られます。
「ネットイナゴ」という言葉が使える状況(例文)
不用意な発言が原因で悪意ある書き込みが続き、結果としてブログが閉鎖したという状況であれば、「ネットイナゴによってブログが閉鎖に追い込まれた」と表現できます。
ただし、ネットイナゴは世代を問わず広く浸透している言葉ではありません。そのため使っても相手に伝わらない可能性もあります。
分かりやすく伝えるためには、以下で紹介する類語などを使って言い換えると良いでしょう。
「ネットイナゴ」の類語
ネットイナゴとは、「ネット上で問題のある行為をする集団」ともいえますを意味する言葉です。
ここからは、ネットイナゴの類語を紹介します。
「ネットいじめ」
パソコンやスマートフォンなどを利用してインターネット上で行われるいじめが、「ネットいじめ」です。一般的にネットいじめは複数人で行われることが多く、単独ではありません。
ネットイナゴと違うのは、ネットいじめは同級生・同僚など、現実世界での関係者関わりかかわりがある相手から行われる傾向にあることです。
さらにネットいじめを見かけた第三者が加担して、状況を深刻化させる例もあります。
「荒らし」
ブログや掲示板などに、悪意ある第三者が書き込みをして妨害を行う行為が「荒らし」です。
悪質な荒らしは執拗に書き込みを繰り返します。ただし荒らしは、単独の人物が行うケースもあり、集団とは限りません。
全てすべてではありませんが、荒らしは投稿とは無関係の書き込みをする傾向があります。個人攻撃をするのではなく、特定の掲示板に書き込みを続ける荒らしも存在します。
「ネットイナゴ」の問題点
ネットイナゴには「加害者意識がない」という大きな問題点があります。
誹謗中傷や脅迫は犯罪行為です。しかしネットイナゴの多くは、みんなが書いているから同じように書き込んだという考えを持っています。そのため自分の行為が犯罪だと認識できていないのです。
また、匿名性の高さから書き込みが過激化しがちであるのも、ネットイナゴの問題点です。
書き込みをしたネットイナゴは軽い気持ちだったとしても、攻撃を受けた人は精神的に追い詰められ、社会的名誉も傷つ付けられます。仕事に支障が出てしまうこともあるでしょう。
「ネットイナゴ」への加担はやめよう
罪に問われるかどうかはともかく、大勢で特定の個人を攻撃するという行為は、決して良いものではありませんよね。
「みんなが書き込みをしている」という事実があったとしても、デマや誹謗中傷などを書き込むべきではありません。
現実世界以上に情報が広まるスピードが早いのが、インターネットです。そして書き込んだデマが広まると、全てすべてを削除するのは難しいでしょう。
そのためネットイナゴへの加担は決しておすすめできません。自分自身を守るために、たとえ大勢が攻撃的な書き込みをして盛り上がっているとしても、ネットイナゴへの加担はやめましょう。
(レン)
※画像はイメージです