エクセルでフィルターがかからない時の対処法
エクセルを使用中にフィルターがかけられない! そんな時には、焦らずにまず、原因を突き止めましょう。原因さえ分かれば対処できます。今回は、エクセルにフィルターがかからない時の原因と対処法を解説します。
エクセルを使用中、「データを抽出するためフィルターをかけたいのにかけられない!」と困ったことはありませんか?
エクセルのフィルター機能は、欲しいデータを即座に見つけ出してくれるとても便利な機能です。
そんなフィルター機能が、なぜか突然使えなくなってしまった。でも、焦らなくても大丈夫です。原因さえ分かれば、それに合わせた対処法があります。
原因ごとに対処していけば、思ったよりも簡単に解決できますよ。
この記事では、エクセルを利用中にフィルターがかけられない時の原因と対処法を紹介します。ぜひチャレンジして、エクセルに強くなりましょう。
【フィルターがかからない原因1】範囲内に空白セルがあるから
エクセルにフィルターがかけられない時の原因として、最初に挙げられるのが、指定した範囲内に空白のセルがあることです。
空白のセルとは、何もデータが入力されていないセルのこと。
エクセルのフィルター機能は、入力されているデータの中から必要なデータを取り出してくれるとても便利な機能です。しかしそれは、全ての項目がきちんとデータとして入力されていてはじめて機能すること。
データがきちんと入力されていないと、せっかくの機能が働かないのです。
表の中に空白セルがあるとどうなる?
指定したい表の中に空白のセルがあると、その部分はデータとしてうまく認識されません。データを認識するのはコンピューターです。空白のセルは認識できないので、フィルター機能が作用してくれません。
では実際に、空白のセルがある場合の症状を見てみましょう。
(1)下図は、空白の行がある表です。ここからデータを抽出するために、フィルターをかけてみます。
(2)表の日付のセルを指定して、エクセルの「データ」メニュー内から「フィルター」をクリック。
(3)今回は仮に「店舗名」でフィルターをかけてみたいと思うので、「店舗名」の右側にある「▼」をクリック。
(4)「すべて選択」をクリックしてから「渋谷」にチェックを入れてみます。
本来ならばすべてのデータから「渋谷」のデータを全部抽出してほしいところですが、今回の場合空白行から下のデータは抽出されていません。
これでは正確な絞り込みができませんよね。
このように絞り込みたいデータの中に空白セルがあると、きちんとデータの読み込みができないのです。
【対処法】表の中にある空白の行や列を埋める
対処法としては、フィルターをかけたい範囲内にある空白の行や列を埋めることです。
もしも表中に空白のセルがある場合には、まずはそこを埋めましょう。空白のセルを埋めれば、全てデータとして認識されるので、きちんとフィルターがかけられるようになります。
今回の見本では、空白行を消して埋めました。そしてもう一度、同じように「渋谷」でフィルターをかけてみます。
上記のように、今度は「渋谷」のデータが全て抽出されました。
表以外の空白セルにはフィルターがかけられない
表の中に空白のセルはないはずなのに、フィルターがかけられない……。そんな時は、表以外の空白セルを指定している場合があります。
表以外の空白セルを指定してフィルターをかけようとすると、次のようなメッセージが表示されます。
「選んだ範囲にこの操作を適用できません。範囲内の1つのセルを選んでから、もう一度お試しください。」
そのため、うっかり空白行を指定しないよう、きちんとデータが入力されている表の中の範囲を指定しましょう。
その上でフィルターをかければ、正しくデータ抽出できるはずです。
【フィルターがかからない原因2】範囲内に結合セルがあるから
範囲内に結合セルがあると、うまくフィルターがかけられない場合もあります。
結合セルがあるとどうなる?
フィルターをかけたい部分に結合セルがあると、その部分のデータを正しく認識してくれません。
結合セルのデータが無効となってしまう場合もあるのです。
【対処法】結合セルの設定を解除する
対処法としては、フィルターをかけたい部分にある結合セルの設定を解除しましょう。
結合セルを解除した後は、データをきちんと埋めることも忘れずに行ってくださいね。
(1)結合されているセルを右クリックします。
(2)メニューが表示されるので、「セルの書式設定」をクリックしましょう。
(3)セルの書式設定画面が開きます。
「配置」タブにある「セルを結合する」のチェックを外します。
そして、右下の[OK]をクリックしましょう。
(4)セルの結合が解除されました。
このままだと空白セルになってしまうので、全てのセルにデータを入力します。
この操作により、フィルターがかけられるようになりました。
フィルター機能がグレーアウトして選択できない場合は?
いざフィルターをかけようとしても、フィルター機能のメニューがグレーアウトして選べない時があります。
そんな時でも必ず原因はありますので、落ち着いて原因を見つけましょう。
【原因1】複数のシートを選択しているから
フィルター機能がグレーアウトしてしまっている原因として考えられるのが、複数枚のシートを選択してしまっていることです。
複数のシートを選択していると、フィルターが選択できません。
【対処法】シートの選択を1枚だけにする
対処法は、フィルターをかけたいシートだけを選択することです。
まず、解除したいシートを「Shift」キーを押しながらクリックしましょう。
すると複数枚の選択が解除されて、フィルターをかけたいシートだけが選べるようになります。
【原因2】シートが保護されているから
次の原因として考えられるのが、シートが保護されていることです。
シートが保護されている状態だと、フィルター機能はグレーアウトしてしまってクリックできません。
【対処法】シートの保護を解除する
シートが保護されていてフィルター機能が選べない時には、シートの保護を解除します。
手順は、以下の通りです。
(1)「校閲」メニューの中にある「シート保護の解除」をクリックします。
(2)パスワードを聞かれますので、設定されているパスワードを入力し[OK]をクリックしましょう。
これでシートの保護が解除されましたので、フィルター機能が選べるようになります。
日付データをうまくフィルター抽出できない場合は?
日付の入ったデータがうまくフィルター抽出できない場合には、日付の形式が統一されていないことも考えられます。
例えば、表のデータは「6月1日」と入力されているのにもかかわらず、フィルターをかける際に「2021/6/1」と指定したのでは、データとして正しく認識してくれません。
画像下の方は日付の形式がまちまちになっているため、フィルター抽出がうまくいきません。
データの日付の形式をそろえることと、それに合わせた形式でフィルターをかけましょう。
エクセルのフィルター機能を使うための注意点
エクセルのフィルター機能は、欲しいデータを抽出してくれるとても便利な機能です。
しかし、いざという時にフィルターをかけられないと、せっかくの便利な機能が使えません。
あらかじめフィルターがかけられない状態を頭に入れておいて、データを入力する際に気をつけることで後々苦労しなくて済みます。
上記で紹介した内容を踏まえて、エクセルを入力する際に気をつける点を、改めてまとめます。
空白のセルがないようにすること
フィルターをかけたい部分には、あらかじめ空白のセルがないように気をつけて、確実にデータ入力を行いましょう。
少ないデータであれば、後から簡単に修正できますが、膨大なデータになると修正も大変な作業になってしまいます。
1件1件のデータ入力時に注意することで、防げるでしょう。
結合セルは作らないこと
フィルターをかけるであろうデータには、あらかじめ結合セルは作らないようにしましょう。
結合セルがある部分は、正しくデータとして認識されない場合があるからです。
データ作成時に、結合セルを作らなければ未然に防げます。
文字列や数字は統一させること
文字列や数字は、入力方式を統一させることも必要です。
例えば日付の入力の際には、「2021/6/1」にするのか「6月1日」にするのか、統一させましょう。
その他、データ入力の際には全角・半角の入力はそろえるなどしておくことで、後々正しいデータ抽出ができるようになります。
焦らず原因を突き止めて対処しよう
エクセルのフィルターがかからない時には、まずは落ち着いて原因を突き止めましょう。原因が明らかになったら、その原因に対する対処法を施すことによってフィルターがかけられるようになります。
これからエクセルにデータを入力する際には、あらかじめフィルターがかけられない要素を排除しておくことも得策です。
データ入力の段階で気をつけてデータの入力を行えば、後から困ることもありません。
フィルターがかからない原因を頭に入れておいて、エクセルに強くなり便利に使いこなしましょう。
(ほしななこ)
※画像はイメージです