エクセルの共有機能の使い方は? 複数人で同時編集する方法
複数人で同じエクセルブック(ファイル)を使用するなら、「共有」機能を活用すれば業務もスムーズになって便利です。共有の仕方が分からない、という人も少なくないでしょう。今回はエクセルの共有設定をする方法や、共有できない場合の対策について解説します。
仕事で日常的に「エクセルの共有」を活用できていますか? 複数人で同じエクセルを使って作業しなければならないなら、共有機能を使うと便利です。
しかし、人が設定してくれた共有機能自体は使っていても、自分では方法が分からず設定できないという人もいるのではないでしょうか。
ここではエクセル共有のメリットやデメリット、設定や共有できない時の対策などを紹介します。作業効率を高められる共有ブック機能について、ぜひ内容をチェックしてみてください。
エクセルブック(ファイル)の共有とは?
共有フォルダに入れてあるエクセルを開いても、誰かが使用している場合は編集できず、読み取り専用モードで開くしかありません。だからといって、相手が閉じるまで待つのも不便ですよね。
このような時に使える便利機能が、「共有ブック機能」です。
Excel(エクセル)での「ブック」の共有とは、複数の人が「同じファイルを同時に使用できること」を意味しています。「ブック」とはエクセルのファイルのことを意味します。
共有の設定がかかっている時には、編集履歴の確認もできます。
共有ブック機能のメリット
共有機能の大きなメリットは次の2つです。
・複数人で同時に開ける
・保存内容が自動で同期される
共有機能を利用する最も大きなメリットは、複数のパソコンから同時にブックを開いて作業を進められるということ。待つことなく作業が進められるため、時間の無駄がありません。
また、それぞれの保存した内容が自動で同期されるのも、共有ブック機能のメリットです。
共有ブック機能のデメリット
便利な共有機能ですが、デメリットもあります。
共有機能を使うと、シートの結合やシートの削除など、一部の機能が制限されてしまうのです。使用不可能な機能はエクセル上でグレーになってしまい、操作できません。
内容によっては共有しない方が良いブックもあるでしょう。
共有ブック機能の操作手順
それではさっそく、共有ブック機能の操作手順を見ていきましょう。
「ブックの共有ボタン」の表示設定
以前のエクセルでは、共有機能が最初から表示になっていました。しかしエクセル2016以降とOffice365は、初期の状態では「ブックの共有ボタン」が表示されていません。
そのため、まずはブックの共有ボタンを表示するよう設定しましょう。
STEP1:「リボンのユーザー設定」を行う
エクセルの「校閲」タブを開き、グレーになっているリボンメニューを右クリックして「リボンのユーザー設定」を選択してください。
STEP2:「すべてのコマンド」を選択
エクセルのオプションが表示されたら、「コマンドの選択」のプルダウンから「すべてのコマンド」を選択します。
STEP3:「校閲」より「新しいグループ」をクリック
続いて、画面の右側にある「リボンのユーザー設定」の枠から「校閲」を選択。さらに「新しいグループ」をクリックし、OKを押してください。
STEP4:ブック共有・変更履歴・共有保護・比較反映を追加する
下記サンプル画像のように、画面左の「すべてのコマンド」の中から、「ブックの共有(レガシ)」「変更履歴の記録(レガシ)」(もしくは「変更の追跡(レガシ)」)「共有の保護(レガシ)」「ブックの比較と反映」を1つずつ選択し、「追加」をクリック。
新しいグループの下に4つ追加されたら、OKをクリックしましょう。
この4つが共有ブックにまつわる機能となっています。リボンのカスタマイズをすることにより、エクセルの画面から簡単に共有の設定ができるようになるのです。
STEP5:ボタンの追加を完了させる
STEP4で「OK」を押すと、エクセルのリボンメニューには新しい項目が追加されています。
ボタンの追加が終われば、ブックの共有設定完了です。
共有ブック機能の設定方法
それでは実際に、ブックを共有する方法を紹介します。
STEP1:「校閲」タブより「ブックの共有(レガシ)」を選択
共有を設定するには、設定したいブックを開き「校閲」タブにある「ブックの共有(レガシ)」を選択しましょう。
STEP2:表示されるユーザー名を選択
現在ブックを開いているPCのユーザー名が表示されますので、OKをクリックしてください。
これで共有設定の完了です。設定したファイル名の横には、「共有」という文字が表示されます。
共有ブックの編集方法
共有ブックの編集は、基本的には通常と同じです。
ただし、共有の影響を受けて使えなくなってしまう機能があります。
・セルを結合して中央揃え
・条件付き書式
・テーブルとして書式設定
・挿入
・削除
「ホーム」タブにある上記の項目は、グレーアウトしていて使用不可となりますので、注意が必要です。
共有ブックの解除方法
共有ブックの設定を解除する時は、「校閲」タブの中にある、「ブックの共有を解除」をクリックしましょう。
共有が解除になり、ブックの名前に付いていた「共有」も文字がなくなります。
エクセルをクラウドで共有する方法
クラウドを使ってエクセルを共有するという方法もあります。
STEP1:パソコンで作成したエクセルを保存したら、ブラウザで「drive.google.com」にアクセスしてください。
STEP2:「マイドライブ」という項目をクリックするとメニューが表示されるので、「ファイルをアップロード」をクリックしましょう。
ここでは「テスト用」というエクセルをアップロードします。
STEP3:アップロードしたファイルの名前を右クリックし、「共有」を選択しましょう。
共有方法は「ユーザーやグループと共有」と「リンクを取得」の2種類です。
「ユーザーやグループと共有」の場合は、検索窓に入力してユーザーやグループを追加します。
「リンクを取得」の場合は、「リンクを知っている全員」か「制限つき」から選択可能です。リンクを知っている全員にする時は、さらに公開範囲を「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」から選択できます。
STEP4:公開範囲を設定したらリンクを取得しましょう。取得したリンクを相手に教えればエクセルファイルを共有できます。
エクセルの共有ができない時の対処方法
ここでは、うまくエクセルの共有ができない場合の対処法を紹介します。
保存しようとするとエラーが出る場合
「エクセルの共有ができない」というケースで特に多いのが、保存しようとするとエラーが出てしまう、というものです。
数人で同時に作業をしていると、うまく共有できないことがあります。エラーが出るという時は、少し時間をずらして保存してみましょう。
また共有フォルダ内のファイルを変更するアクセス権がない場合にも、保存できない状態になります。
共有フォルダを保存しているパソコンで設定を確認し、アクセス制限を解除すると解決するでしょう。
共有違反のメッセージが表示される場合
共有に関連したエラーで、「共有違反のメッセージが表示されてしまい、ファイルが保存できない」というものもあります。
この現象が出るのはWindows VistaやWindows 7で使っているExcel 2007またはExcel 2010。「.xlsx 形式」のファイルを上書き保存しようとすると、「共有違反のため保存されませんでした」というエラーが出てしまうのです。
原因は、エクスプローラーが実行しているサムネイルのキャッシュ作成と、エクセルの保存処理が競合することです。
エラーメッセージには、「はい」「いいえ」のボタンが出ます。「はい」を選択すると、「名前を付けて保存」の画面が表示され、別名での保存が可能です。
「いいえ」を選択すると、「ファイルがテンポラリドキュメントに保存されました」というメッセージが表示されます。テンポラリドキュメントからファイルを探し、別名を付けて保存することが可能です。
頻繁にエラーが出るなら、修正プログラムパッケージを適用しましょう。
共有ブックが更新されない原因は?
「共有ブックを保存したはずが更新されていない」という時に考えられる原因も、複数人での同時編集です。
システム上、大勢が参照しているファイルは動作が不安定になる可能性があります。ファイルが保存できなかったり開けなかったりする可能性があるため、作成後には都度データが反映されているか確認すると良いでしょう。
また、自分が書き込みをした後に他の誰かが上書きをしてしまった、という可能性も考えられます。
エクセルの共有ブック機能を活用して作業効率を上げよう!
大勢で同時に参照している時は動作が不安定になる可能性もありますが、複数人で同時に作業を進められる共有ブック機能は、とても便利です。何度もデータのやりとりをする必要もありません。
お使いのエクセルでは、もう「共有ブック機能」が表示されていますか? 表示されていないのなら、リボンメニューの設定をすればボタン1つで使えるようになります。
便利な共有ブック活用を使いこなして、ぜひ作業の効率化を図ってみてくださいね。
(レン)
※画像はイメージです