お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「存じ上げません」と「存じません」の違いは? 正しい使い方と例文

水城みかん

「存じ上げません」という言葉の正しい使い方を知っていますか? また似た言葉に「存じません」がありますが、どのように使い分けするのでしょうか。この記事では、「知らない」と伝える時の敬語表現について、例文と注意点を紹介します。

ビジネスシーンで見聞きすることの多い「存じ上げません」という言葉。

あなたは正しく使えている自信がありますか?

今回は、「存じ上げません」の意味や使い方について、例文を交えて紹介します。

「存じ上げません」とは?

まずは、「存じ上げません」の意味について見ていきましょう。

「存じ上げません」の意味

「存じ上げません」は「存じる」+「上げる」+打消しの「ない」から成り立つ言葉、「知らない」の謙譲語に該当します。

つまり「存じ上げません」は、「知らない」「知りません」という意味を持ちます。

自分がへりくだることで相手を立てる謙譲語であるため、目上の人や取引先などビジネスシーンでも使用可能です。

「存じ上げません」と「存じません」の違い

「存じ上げません」に似た言葉として「存じません」があります。

「存じません」は、「存じ上げません」と同じく「知らない」「分からない」という意味の言葉です。

ですが、「存じ上げません」と「存じません」の大きな違いは、「言葉の対象が何なのか」という点にあります。

「存じ上げません」を含めた謙譲語は、主に人が対象の時によく使われる言葉であるのに対し、「存じません」は主に人以外の物事に対して使われる言葉です。

例文

・人が対象:申し訳ございませんが、私は彼のことを存じ上げません。

・人以外が対象:大変恐縮ですが、その件に関しては存じません。

「存じ上げません」の使い方と例文

「存じ上げません」は、人に関する質問をされ、その答えを「知らない」と答える時に使用することができます。

「存じ上げません」の前にはクッション言葉をつけると、より丁寧な印象を与えることができるでしょう。

例文

・申し訳ございませんが、○○部長のことは存じ上げません。

・無知で恐縮ですが、○○さんは存じ上げません。

「存じ上げません」を使う時の注意点

続いては、「存じ上げません」を使用する際の注意点を解説します。

相手に対して「存じ上げません」を使わない

「存じ上げません」は謙譲語であり、自分をへりくだることで相手に敬意を示す言葉です。そのため、自分の行動以外に使用することはありません。

以下は、相手に対して「存じ上げる」を使用している間違った例です。

・誤)課長がどこにいらっしゃるか存じ上げませんか?
→正)課長がどこにいらっしゃるかご存じですか?

・誤)Aさんはその件に関して存じ上げないそうです。
→正)Aさんはその件に関してご存じではないそうです。

クッション言葉をつける

「存じ上げません」を使用する時には、「大変申し訳ございませんが」「恐縮ですが」など、クッション言葉を添えて使用するのがおすすめです。

「存じ上げません」だけの場合に比べて、自分が申し訳なく思っている・恐縮していることも相手に伝えられ、丁寧な印象になります。

例文

・大変申し訳ございませんが、〇〇さんのことを存じ上げません。

・誠に恐縮ですが、その件について把握している人を存じ上げません。

「存じ上げません」の言い替え表現

「存じ上げません」は、他の表現で言い換えることも可能です。

ボキャブラリーを増やして、シーンごとに使い分けてみましょう。

「分かりかねます」

「分かりかねます」は、「存じ上げません」と同じく「知りません」を丁寧に言い表した言葉です。

「~かねます」は「困難・難しい」というようなニュアンスを含むため、「教えたいのは山々だが、難しくて(知らなくて)できません」という意味で使うことができます。

例文

・大変恐れ入りますが私では分かりかねますので、担当者にお問い合わせください。

・昨日の会議には参加していないため、申し訳ございませんが分かりかねます。

「面識がございません」

「存じ上げません」は人を対象にして使うことが多い言葉であるため、文脈によっては「〇〇さんを知らない」=「〇〇さんに会ったことがない」という言い換えができます。

その場合、「〇〇さんとは面識がございません」という表現の他、「〇〇がない」と経験を否定する形でアレンジが可能です。

例文

・〇〇部長とは、まだ面識がございません。

・〇〇様とはお会いしたことがございません。

「存じ上げません」の英語表現

「存じ上げません」は英語で「I have no idea.」「I don’t know.」と表します。

ただし、直訳すると「(私は)アイデアがありません」「(私は)知りません」となり、そのまま使うとストレート過ぎる印象を与えてしまいます。

そのため、「I’m sorry」や「I’m afraid」を冒頭につけて印象を和らげると良いでしょう。

例文

・I’m sorry,I don’t know.
(申し訳ありませんが、分かりません)

・I’m afraid,I have no idea.
(残念ながら、私は知りません)

「存じ上げません」は状況に合わせて使い分けて

「存じ上げません」は、知らないことを丁寧に相手に伝えられる便利な言葉です。

しかし、そのまま「存じ上げません」と答えたのでは若干ストレート過ぎる印象を与えかねません。

「大変恐縮ではございますが」「恐れ入りますが」などクッション言葉を頭につけたり、状況によって言い換え表現を使ったりするなどしてみてください。

(水城みかん)

関連する診断をチェック

【怠け者診断】「面倒くさい」が口癖になっていない?

※画像はイメージです

SHARE