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「ご清聴ありがとうございました」の正しい使い方

Sai

「ご清聴ありがとうございました」という言葉、正しく使えていますか? スピーチやプレゼンの最後に使うフレーズですが、間違って使用している人も少なくありません。今回はビジネス系ライターのSaiさんに、使い方や英語表現などを解説してもらいます。

ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく使う「ご清聴ありがとうございました」という表現。

スピーチの締めの言葉として使用したり、ビジネスメールなどに記載したりすることが多いフレーズですが、誤用している人も少なくありません。

今回は、「ご清聴ありがとうございました」の意味や使い方を例文つきで解説。

また、使用上の注意点や英語・中国語・韓国語での表現も紹介しますので、どんな場面でも自信を持って使えるようにポイントを押さえておきましょう。

「ご清聴ありがとうございました」はどんな言葉?

まずは、「ご清聴ありがとうございました」がどんな言葉なのかを確認してみましょう。

『デジタル大辞泉』によると、「清聴」の意味は以下のように説明されています。

せい‐ちょう〔‐チヤウ〕【清聴】
[名](スル)

1 清らかに聞こえること。
2 他人が自分の話を聞いてくれることを敬っていう語。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「ご清聴ありがとうございました」は、他人が自分の話を聞いてくれたことに対する感謝を示す言葉です。

話を聞いてくれた人に対する敬意を表す

「ご清聴ありがとうございました」は、話を聞いてくれたことに対してただ謝意を表すだけではなく、相手を敬う気持ちも示す表現となります。

スピーチやプレゼンなどのかしこまった場で使われることが多く、正しく使えば聞き手や会議の参加者などに「礼儀正しい人」という印象を与えることができるでしょう。

「ご清聴ありがとうございました」の使い方と例文

会議や発表などで頻繁に見聞きする「ご清聴ありがとうございました」というフレーズ。

基本的にフォーマルなシーンで使うことが多く、使い方を間違えると目上の人や取引先などの前で恥をかいてしまう可能性があります。誤用を避けるためにも、使用シーンに応じた用法をよく確認しておきましょう。

プレゼンや研究発表会などで使用する場合

ビジネスシーンでの会議や取引先に対するプレゼンなどにおいて、参加者や相手を敬うことは不可欠です。

敬意を込めた最後のあいさつとして「ご清聴ありがとうございました」を使うと、印象が良くなることにもつながるため、活用できる場面は多いでしょう。また、厳粛な言葉遣いをする必要がある研究発表会においても「ご清聴ありがとうございました」は重宝する表現です。

企業の上役や大学関係者などの目上の人が参加することが多いため、発表の最後に添えると丁寧な印象を持ってもらうことができます。

例文

・本日の発表は以上になります。ご清聴ありがとうございました

・ぜひ新商品のご利用をご検討くださいませ。ご清聴、誠にありがとうございました

スピーチや講演で使用する場合

「ご清聴ありがとうございました」は、ビジネスシーンでのスピーチや講演を締めくくる言葉としてはもちろん、結婚式のスピーチにおける結びの言葉としても使える表現です。

スピーチ・講演終了の合図としての役割も持っているため、活用できるシーンは多いでしょう。

例文

・今後もより一層精進していく所存ですので、何卒よろしくお願いいたします。本日はご清聴誠にありがとうございました

・お二人の末永いお幸せを心より願い、私のごあいさつとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました

「ご清聴ありがとうございました」を使う上での注意点

スピーチやプレゼンの締めくくりとして活用しやすい「ご清聴ありがとうございました」というフレーズ。しかし、日常生活で頻繁に使う言葉ではないため、誤用してしまっている人も少なくありません。

そこでここからは、「ご清聴ありがとうございました」を使う上での注意点を解説します。ビジネスシーンなどで誤った使い方をしないよう、使用上のポイントを押さえておきましょう。

「ご静聴」と混同しないようにする

「ご清聴ありがとうございました」を使う上で注意したいのが、同音異義語である「ご静聴」と混同してしまうことです。

「ご静聴」は会場がざわついている時などに「ご静聴願います=静かにしてください」というニュアンスで用いられる言葉であり、敬意は含まれていません。そのため、メールや文書などで「ご静聴ありがとうございました」と記載してしまうと、失礼な人だと思われる可能性があります。

文字として「ご清聴」の表現を使う場合は、「ご静聴」としていないかどうかをよく確認するようにしましょう。

類語との使い分けに注意する

相手に対しての敬意を込めた表現である「ご清聴ありがとうございました」という言葉。似たようなニュアンスを含む類語表現として「拝聴する」や「傾聴する」などがありますが、それぞれの使い方は「ご清聴」とは異なります。

まず「拝聴する」は「聴く」の謙譲表現であり、自分をへりくだって表現したい時に使う言葉です。話を聞くのは相手ではなく自分となるため、聞き手に対する謝意を示す表現である「ご清聴ありがとうございました」に置き換えることはできません。

また、「傾聴する」も同じく自分が耳を傾け熱心に聞く様子を表す言葉のため、相手への敬意が込められている表現ではあるものの、「ご清聴ありがとうございました」とは使い方が異なります。

それぞれの用法をよく確認し、状況や文脈によってうまく使い分けるようにしましょう。

「ご清聴ありがとうございました」の外国語表現

海外支社や海外の取引先と頻繁にやり取りをする人の中には、「ご清聴ありがとうございました」の外国語表現を知っておきたいという人もいるでしょう。海外の顧客やクライアントであっても、プレゼンやスピーチの最後に結びの言葉として謝意を示す表現を添えると、良い印象を持ってもらえるものです。

ここからは「ご清聴ありがとうございました」の英語表現や、日本の企業が取引をする機会が多い中国や韓国で使える表現などを紹介します。

英語での表現

英語で「ご清聴ありがとうございました」を表現する場合は、基本的に「Thank you for〜」を使えば問題ありません。「聞く」を意味する「listen」や「注目」という意味の「attention」を「Thank you for〜」の後ろにつけることで、「聞いて(注目して)くれてありがとうございます」というニュアンスを伝えることができます。

より謝意を深く伝えたい場合は、「Thank you very much for listening.」のように強調表現を入れても良いでしょう。

中国語での表現

中国語で「ご清聴ありがとうございました」と伝えたい場合は、「謝謝您的聆聽(シェシェ ニンダ リンティン)」と言います。「謝謝」が「ありがとう」、「您的」が「あなたの」、「聆聽」が「よく聞く」という意味であり、組み合わせると「ご清聴ありがとうございました」というニュアンスになります。

「あなた」を表す言葉には「你」もありますが、フォーマルな場面ではより敬意のこもった表現である「您」を使う方が無難です。

韓国語での表現

韓国語では、「ご清聴ありがとうございました」は「경청해 주셔서 감사합니다(キョンチョンへ ジュショソ カムサハムニダ)」となります。「경청」が「傾聴」、「해 주셔서」がしてくれて、「감사합니다」が「ありがとうございます」という意味であり、組み合わせると「ご清聴ありがとうございました」のニュアンスを表現することができます。

なお、発表やスピーチが長くなる場合は、「長時間」を意味する「장시간(チャンシガン)」などの単語をフレーズの前につけると、より丁寧な印象になるでしょう。

使い方や注意点を理解して使おう

プレゼンやスピーチなどで頻繁に見聞きする「ご清聴ありがとうございました」という表現。

結びの言葉としてよく使うフレーズですが、正しく使用できているか自信がない人もいるでしょう。しかし、「ご清聴ありがとうございました」の意味や場面別の使い方を理解すれば、正確に使うことはそこまで難しくありません。

使用上の注意点や外国語表現なども確認しておき、どんな場面でも自信を持って使えるようになりましょう。

(Sai)

※画像はイメージです

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