イライラの解消法とは? いら立ちの原因と対処法
生きていれば、イライラしてしまうこともあります。どうすればイライラを解消させることができるのでしょうか? 心理カウンセラーの大塚統子さんに、イライラの原因や対処法を教えてもらいました。
誰だってイライラすることはありますよね。
でも、ちょっとしたことですぐにイライラするとか、イライラがおさまらなくて目の前のことに集中できないようだと、困ってしまうのではないでしょうか。
「イライラしやすい自分を変えたい」「イライラしにくくなりたい」と思う人に、イライラする原因と自分でできる解消法を紹介していきます。
イライラしやすいのはなぜ? 知っておきたい原因
体調不良や疲労など、体の調子によってイライラしやすくなることはあります。
それとは別に、心理的にはどんなことが原因でイライラしやすくなるのでしょうか。ここではいくつか原因をピックアップして紹介します。
(1)自分にも他人にも厳しいから
責任感が強く、何事も完璧に取り組もうとするタイプの人は、思うようにできないとイライラしやすい傾向があります。
また、「~するべき」「~してはいけない」といった自分なりの決め事が多い人は、それを自分にも他人にも厳しく求めがちです。求めることが多い分、かなわないことも増え、イライラしやすくなってしまうのです。
(2)我慢していることがあるから
例えば、「自分のことは自分でする」とできるだけ周りに頼らないように頑張ってきたタイプは、何でも他人にやってもらおうとする人にイライラしやすいでしょう。
自分が我慢していることや自分自身に禁止していることがあると、それを他の人が自由にしているのを見た時にイライラしやすくなります。
(3)怒りで心を守っているから
分かってほしくても、分かってもらえないことはあるものです。
そんな時に、悲しい・寂しいといった気持ちではなく、「なんで分かってくれないの!」という怒りの感情が起こる人がいます。これは、悲しい・寂しいといったつらい気持ちを感じないように、怒りで心を守っている状態だからです。
イライラを解消する8つの方法
普段から「イライラしないようにしよう」と心掛けてはいても、瞬間的にいら立ってしまうことはあるものです。
もしイライラしてしまった時、その気分を転換するにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは8つの解消方法を紹介します。
(1)深呼吸をする
まずは、ゆっくりと長い時間をかけて息を吐き出してから、大きく息を吸い込み、何度か深呼吸をしましょう。
呼吸に意識を向けることで、自分をクールダウンしていきましょう。
(2)怒りのピークが過ぎるのを待つ
イライラの衝動からの感情的な言動を抑えるには、6秒待つことが有効です。
時間を置くことで理性が働きだし、怒りのピークをやり過ごしやすくなるといわれています。
(3)体を動かす
伸びをしたり歩いたりと、体を動かすと気分転換しやすくなります。
イライラしたら、可能ならばその場を離れ、体を動かしてみましょう。掃除や運動も、イライラの解消になります。
(4)紙に書き出して破る
イライラした出来事や気持ちを、思うままに紙に書き出してみましょう。そして、書いた紙をビリビリに破いて捨てるのです。
書く時間が取れない時は、ただ不要な紙を破くだけでもだいぶスッキリするでしょう。
(5)好きな香りをかぐ
匂いは脳や感覚に直接働きかけます。
イライラしたら、お気に入りのアロマやフルーツなどの香りをかいでみましょう。気持ちが落ち着いていくのが感じられるでしょう。
(6)音楽を聴く
イライラしている時は、興奮状態にあります。
ゆったりとしたテンポの音楽を聴くことで、心身の緊張を徐々にゆるめていきましょう。
(7)手触りの良いものをなでる
イライラしたら、丸くて柔らかいものや触り心地の良いグッズ、毛のふさふさした動物などをなでてみましょう。
触覚からの心地良い刺激で、心を落ち着けやすくなるでしょう。
(8)動物や赤ちゃんの動画を見る
動物や赤ちゃんに敵意を感じる人は少ないでしょう。
無邪気で純粋な動物や赤ちゃんの動画を見ると、心が和みやすいでしょう。
イライラしにくくなるための方法
同じ出来事があっても、イライラする人としない人がいます。
最後に、イライラしにくくなるために、日常生活で取り入れられることを5つ紹介します。
(1)自分を肯定する
自分を否定していると、心に余裕がなくなり殺伐としてきます。日々の自分の頑張りを認め、できていることを褒め、自分を肯定して大切に扱いましょう。
人からの攻撃や否定でイライラしやすい人は、自己肯定に取り組むと別の捉え方がしやすくなるでしょう。
(2)多様な価値観を認める
自分が「~するべき」「~してはいけない」と思っていることは、必ずしも他人も同じように思うわけではありません。自分にとっての常識が他人にとっての常識ではないのです。
多様な価値観があることを認めると、自分と異なる言動をする人に寛容になりやすいでしょう。
(3)自分の感情を理解する
「分かってほしい」「助けてほしい」などの気持ちが満たされない時にイライラしやすい人は、「どうしてそんなにイライラするのだろう?」と自分に聞いてみましょう。
すると、「分かってもらえなくて寂しい」「助けてもらえなくて悲しい」といった自分の感情に気づいていけるでしょう。感情を理解できると、怒りの反応は出にくくなるはずです。
(4)我慢を減らしていく
周りに甘える人を見てイライラするならば、人に頼ることを我慢していないでしょうか?
自己主張の強い人にイライラするならば、本音を言うことを我慢していないでしょうか?
自分の我慢に気づいて減らしていくと、イライラも減るでしょう。「イライラさせる人」と思っていた相手のことを、「私の我慢を教えてくれた人」と思えるようになるかもしれません。
(5)加点法で物事を見る
ダメなところがあるたびに減点していく減点法の考え方をしていると、自分や人のダメな部分ばかり探そうとします。それでは、嫌な気持ちになりますし、楽しくありません。
減点法はやめて、いい所を探して得点を増やしていく加点法の考え方を取り入れましょう。そうすることで、ご機嫌な自分を保ちやすくなるでしょう。
イライラをうまく解消させて穏やかに過ごそう
イライラは誰にでもあるもの。それをどう扱うかで、イライラに振り回されない自分になることも可能です。
「誰かのせい」にすると、相手が変わるまでイライラは解消されません。しかし、他者に変わることを求めるのではなく、「自分にできることがある」と考えると、自分次第で穏やかに過ごせるようになります。
普段からイライラしにくい考え方を取り入れ、もしイライラしたとしても自分に合う気分転換の方法で乗り切っていきましょう。
(大塚統子)
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